冤罪で誰もクリアしたことないダンジョンに放り込まれたけど何とか生きて行けそうです~優秀すぎる部下が規格外すぎる~
誤字報告ありがとうございます
「アストレア!貴様を魔王信者の容疑でダンジョン流しの刑とする!!!」
俺の名前はアストレア。
冒険者をやっている30歳のただのおっさんだ。
そして今俺はよくわからない罪に問われている。
俺が魔王信者なわけないのになぁ。
「ち、違います!俺は魔王の信者なんかじゃなくて」
俺が話してる最中に目の前の王様が言った。
「うるさいだまれ!犯罪者はみんなそういうんだ!おい兵士ども!こいつをダンジョンに連れていけ!」
王様の無理やりな命令に兵士達は俺の腕をつかみそのまま歩き出した。
そして1時間くらい歩いたころ
「ここがダンジョンだ。今からここに入ってもらう。入ったら出られないように入り口はふさがせてもらう。」
兵士は疲れて様子で言った。
「ういー、じゃあさようなら」
俺はさよならを言ってダンジョンに入ろうと思ったのだが声をかけられてしまった。
「なんでお前そんなに気楽なんだ?ふつうは絶望するもんだろ?」
まあ確かにそうだろうなぁ、こんなダンジョン人間共がクリアできるレベルじゃないもん。
俺の部下の魔族どもの上級そうでやっと半分クリアできるかどうかってレベルだぞ。
人間がクリアできるわけない。
まあ例外はいるが。
あいつならいけるだろうな。
勇者なら、前世の俺を殺したあいつならこのダンジョンもクリアできるだろう。
てかクリアできなかったらなんで俺は死んだんだってなっちまう。
「こんなダンジョン俺なら余裕でクリアできる。自分で作ったダンジョンをクリアできないなんておかしい話だろ?じゃあな」
そう、俺はこのダンジョンを作った。
前世で作ったんだけどな。
人間共と戦うための戦力を蓄えるために作ったのだがあまりに強すぎたため封印しておいた。
神たちに調停者を任されたからうかつに殺せなくなったんだよなぁ
調停者っていうのはこの世界の力の均衡を監視して時には強くなりすぎたものたちを減らす。
まあ殺すってことだ。
さすがに俺でも神には勝てねぇ。
そんなことを思いながらダンジョンの中に入っていくのだった。
とりあえず隠し部屋のなかにある転移門から最下層まで行くか。
「おー、まだ誰も見つけてないんだな。・・・・・誰も入ろうとしないから当たり前か。」
隠し部屋は俺の魔力を流すことによって扉が開かれる。
魔力というのは体内に宿る力のことだ。
魔法を行使するときに使う。
持つ魔力の特徴によってどの魔法が扱いやすいかが決まってくる。
そして魔物の中にはユニークと呼ばれる存在がいる。
ユニークは特別な魔力を持っていてその魔力に合う特別な魔法が行使できる。
ちなみに俺はユニークだ。
前世は一応魔物だったからな。
俺が行使できる魔法は・・・・・見た魔法すべてだ。
デメリットとしてみたことない魔法は行使できない。
すべての生き物が使える炎、水、土の魔法ですら見たことがないと行使ができない。
前世の俺の立場上人間の使える魔法はすべて扱える。
「よし、転移門起動完了っと」
俺は起動した転移門の中に入り最下層までわずか5分もかからずに未踏破ダンジョンをクリアしたのだ。
(当たり前)を添えて
よし、とりあえず刑は執行したから自由だよな?
よし、滅ぼしに行こう。
ちょっとイラついた。
一国くらい滅ぼしても大丈夫だろう。
どういう風に壊そうか
爆発で一発で壊しちゃったらつまらない
魔物は人間の絶望を好む
俺の部下を呼んで一人ずつ公開処刑するか?
「主様、あいつらは主様が手を出すまでもありません。あと主様の力が完全に復活するまでは主様が復活したことはばれないほうがいいかと・・・・・」
こいつは・・・・・俺の直属の部下だったはず・・・・・悪魔は魔物の中でも上位種だからそのくらいの地位であってもおかしくない。
「そうだな。あいつと戦うには分が悪すぎる。」
あいつっていうのは勇者のことだ。
人間の最高戦力にして人類の最後の希望。
平和ボケしてくれるなよ。
俺がお前を殺すまではな
「悪魔、俺についてこい。封印された力を取り戻しに行くぞ。まずはエルフの森からだ」
「御意、転移の準備はすでにできております。村の門の前です。」
「よし、いいだろう。転移しろ。」
俺の言葉に悪魔は返答し転移魔法を行使する。
目の前にはエルフの村があった。
周りには木しかない。
あいかわらずだな。
「封印の宝玉の場所も正確に把握しております。」
「・・・・・お前優秀だな」
おかしいだろ、なんで俺より俺のこと知ってるんだよ。
「ありがたき言葉、ですが私の力など主様の0.00000000000001%にも満たないですよ。もっと強くなれるように精進してまいります」
「ま、まあがんばれ?」
こいつ俺に洗脳されてない?
俺洗脳してないよ?
洗脳魔法はつかえるけどさぁ~
つかってないよね?
心配になってきたよ。
「君!大丈夫か!そこの悪魔その人から離れろ!待っててくれ、大丈夫だすぐに助ける」
・・・・・哀れだ。
「バカですね。死んでください」
悪魔が容赦なくエルフを殺す
俺より無慈悲だね
俺が平和ボケしたのかな?
人間共と同じ生活をしていたから強者との闘いをしていなかったせいだろう。
「主様、行きましょう。宝玉は地下室にあります。私でも取ってこれそうなので行ってきます。主様は村の者どもを蹂躙してください。エルフは様々な魔法を使ってきます。きっと魔王様の知らない魔法を見ることができるでしょう」
・・・・なるほど・・・・確かにエルフは魔法を使う種族で本来エルフにしか使うことのできない魔法がある。その魔法を習得することができれば俺はもっと強くなれるのではないか?
「わかった。宝玉は任せたぞ。」
「御意」
そう言って悪魔は俺の目の前で無詠唱転移魔法を行使した。
俺無詠唱魔法できるかなぁ
とりあえず蹂躙するか
「ん~、炎魔法で一発かな?」
「古代炎魔法:炎龍之息吹」
俺の後ろに半透明の龍が現れその口から炎吐息が大量に出てきた。
消化してあげよう。エルフの魔法を見たいからね。
「水魔法:再生水」
火を消化するついでに負傷したエルフの傷も治しておいた。
これで俺に攻撃してくれると助かるんだけど・・・・・
・・・・・・やりすぎたか。
昔のエルフはもっと強かったはずだ。
平和ボケしたのだろう。
この調子では勇者も平和ボケしてるのでは?
はぁ、とりあえずエルフは殺すしかないな。
俺のことはまだ知られてはいけないからな。
「でてこないなら殺しちゃうけど、まあいっか」
一回全力で魔法使ってみるか。
俺の得意な魔法は闇属性だ。
闇属性に関しては誰にも負けない。
まあ俺に魔法で勝てるかもしれない奴なんて勇者と一緒に行動してた賢者くらいだけどね。
やるか
「闇属性:神闇。原初の闇よ、われの前に顕現せよ。」
俺の手から輝く闇が出現した。
それは村全体を覆い敵すべてを蹂躙した
この魔法は闇という概念を創りだす魔法だ。原初の魔法。人間は使うことはできないけどね。
俺は前世魔物だから使える。
「さすが魔王様です。すばらしい闇でした。あ、宝玉どうぞ。これを割ったら魔王様の力の一つが解放されます」
悪魔の言うとおりに宝玉を手でたたいて割ってみた。
その瞬間俺に光が宿った。
すごいなこれ。
・・・・あれ、これさ・・・・・・魔王じゃなくて勇者の力なのでは・・・・?
聖なる魔力を感じるんだけど。
勇者ごときの魔力じゃないな、下級神・・・・いや、中級神には匹敵するだろう。
まあ害はない・・・・はずだ。
「主様、体調はどうですか?」
「問題ない。次だ。次の宝玉の場所に連れて行ってくれ」
俺は悪魔にお願いした。
とりあえず力を取り戻そうと思う。
「御意、次は獣人王国です。ここは戦闘民族が半数住んでいるので魔法で蹂躙してから宝玉を回収しましょう。」
「お前頭大丈夫?戦闘民族とは戦わないほうがいいんじゃないの?」
「大丈夫です。主様ならやれます。それでは行きましょう。王城の王の間に転移しますね。兵がいると思うので気を付けてください。」
脳金かよ
「転移しました。あ、なんか王死んでる」
悪魔がとんでもないこと言いやがった
え、ほんとだ死んでる。
王が椅子の上で血を流して死んでいた。
そしてその上には見覚えのあるやつがいた。
絶対あったことある。
多分前世でかかわりのあったやつだ。
そいつの種族はおそらく上位魔族か原初の悪魔だろう。
雰囲気が強い。
それ以外根拠はない。
「主様どうします?国民全員死んでました。」
「お前らの目的はこの宝玉か。」
「はいそうです。返してください。」
悪魔が言った。
「これはもともと俺のものだ。ほしくば俺を殺せ。」
敵の発言に悪魔は言った。
「いいんですね?主様やっちゃってください」
え、俺なんだ・・・・・
「お前弱そうだな、・・・・・・なるほど。そういうことか。しね」
敵はそう言って俺に向って走ってきた。
「馬鹿かお前。氷魔法:氷晶盾」「炎魔法:炎槍」
敵の前に氷の壁が出現した。
その壁を炎の槍が貫き敵の心臓に命中する。
「お見事です。運がいいことだ。戦う最中にそれが出るとは・・・・・」
「宝玉はどこだ」
「ここです・・・・はい」
敵は素直に宝玉をポケットの中から出した
「よし、じゃあな。」
「どうかご無事で・・・・」
俺はそいつの言葉を理解することができなかった。
なんで敵なのに、お前に攻撃したのにお前は俺の心配をするんだ。
意味が分からなかった。
いったい俺はなんなんだ
ただのおっさんなはずなんだけどな・・・・・
「主様、さすがに国民全員が死んでいてはばれてしまいます。全員蘇生してください」
「え、蘇生って・・・・・禁位の魔法だよ?」
俺の言葉に悪魔はこう返した。
「それは人間が勝手に決めたルールです。さぁ、早く」
あれ、俺って主様だよね?なんで俺が命令されてるんだろう
「禁位:ザオリク。すべてをつつみ我が子を魂の回路から戻したまえ」
建物も戻しておくか。
言い忘れてたが建物が崩壊している。
このままじゃ住めない。
「禁位:リターン」
よし、これでいいだろう。
「宝玉割ってください。これで最後です。二つしかないです。」
忘れてたわ。
えい
俺の体を緑色の光が包む。
なんか暖かい、心が癒されるようだ
「さぁ行きましょう。そしてすべてを終わらせましょう。何もかも。神域へと」
悪魔は過去を思い出すかのように言った。
その表情は悲しそうで辛そうで何かに縛られているようだった。
「ああ、終わらせよう。せめてもの罪滅ぼしだ」
なぜかそんな言葉が出た。
「神域までは少し時間がかかります。
すこし話しませんか?」
悪魔が言った。
俺は無言でうなずいた。
「勇者の話をしましょう。おとぎ話です。勇者とは魔王を倒す存在で切っても切り離せない存在ですね。勇者は賢者と共に行動します。そして力をつけダンジョンを踏破し魔王の部下を倒します。そして最後、魔王と勇者は一対一で決戦をします。もし勇者が勝った場合魔物たちはほぼ全滅ですね。どちらも最高戦力であり最後の砦のような存在なんです。魔王側が勝った場合はなんも起こりません。魔王様は平和を望んでいるからです。ですが、この戦いおかしくないですか?どちらも平和を望んでいるのに戦いが終わらないんです。なんで戦っているんでしょうか。わかりません、でも、もし、戦う原因が魔物にも人間にもなかったら、もし本当の敵が存在したら、どうなるんでしょうね」
・・・・・頭が痛い。
なにか思い出せそうな気がする。
「本当の黒幕は・・・・・・神だ」
また勝手に言葉が出た
「すまない、おっさんの体に宿った別の魂だ。」
なんか俺しゃべってる?
「悪魔これなに・・・・?」
悪魔なら知ってるかもしれないと思い聞いてみた。
「主様の体には二つの魂と二つの思いが宿っています。魔王の魂、おっさんの魂。勇者の思い、賢者の思い。」
「おっさん、すこし体を奪わせてもらう。安心しろ。神を倒したらすぐに返す。」
俺は心の中で返事をした。
「ありがとうな悪魔。お前はここにいろ。俺が変えるための門を開いていてくれ」
「御意」
そして俺は神域に到達した。
「来たか」「アホがきたぞ」「負け犬がまた負けに来たぞぉ」
神からの冒涜。
そんな言葉に惑わされる俺ではない。
「よくも俺たちをだましたな。ころす。お前たちは絶対にころすっっっっ!!!!!!!!!!!!」
そして戦いは幕を開けた。
魔王と勇者と賢者は神に目を向ける。
そこには一人しかいない。
だが3人いるのだ。
「負け犬がわれら神に勝てると思うなよぉ~!」
「死ね、禁位魔法:戻無」
これは俺が対神ように考えた魔法。
私用する魔力量は一般人の1000倍。
だが俺らならできた。
だが一回だけ。
神に勝つにはこの魔法しかないのだ。
「な、なんだ!対象のすべてを無に戻す魔法は!私が消したはずだ!な・・・・ぜ・・・・・・」
神の力はどうやら弱っているようだ。
今決めなきゃ!
私の思いを
僕の思いを
お前の力に!
ありがとう。二人とも。
来世では友人として共に戦いたいものだ
「さぁ、終わりにしよう。神に対抗できるのは神だけ。二人の思いを代償に俺は神になった。じゃあな。しね。」
「悪を裁け。オリジナル魔法:裁之光」
おわったのか。よかった。
完全に神の魔力はなくなっている。
戻るか。
「主様、役目を果たされたようですね」
「ああ、終わった。俺も時期に天に上るだろう。おっさんのことは頼んだぞ」
「お任せください。どうか来世ではお幸せに」
「馬鹿だな。お前といられて幸せだったぞ。最後に命令だ。魔物と人間が共存できる世界を作れ」
そういって俺の意識はだんだん薄くなる。
「あれ・・・・・なんでこんなとこに・・・・?」
「どうやら魔王様が記憶を消したようですね。そういえばあなた・・・・あの規格外3人が宿ったのにンよく体無事ですね。もしかして・・・・・・なわけないか。ダンジョン流しの刑にされたおっさんはこれからどうするんですか?」
「ええ、あ!思い出した!俺ダンジョン流しの刑に・・・・・あれ。ダンジョンクリアしてるくね?なんで外にいるんだ?」
「私が手伝ってあげたんですよ。これからどうするんですか?国滅ぼしますか?」
「何物騒なこと言ってるんだよ。できるわけないって。とりあえずダンジョンに住もうかな。お前手伝ってくれる?」
「・・・・・しかたないですね。いいですよ。」
end