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億回死せるは、偽勇者〜バッドエンドの集束地点〜  作者: つきらゆ
忘れた君への青春賛歌
43/83

エピローグ




「私は……」


 私は確かに死んだはずだった。

 いや、正確には絶望的な状況下で気を失った。

 最後に見た光景は青い髪の少女の姿。

 見た目とは裏腹に容赦の無い性格だった。


 私は身体を起こして周囲を見回し、するとここが自室であることを認識する。

 付き人の一人も誰もいない。

 そして記憶にある体の怪我も見当たらなかった。


「夢……か」


 流石にそんな訳が無いとは思い、私は頭を振ってベッドから静かに降りる。

 覚束無い足で窓へと移動し、そして外の光景、城下を見下ろした。

 すると世界は酷く荒れていて、まるで爆撃でもされた様な有様だった。

 夢じゃない。確かに現実だ。

 しかし重たい空気は何故か感じない。



 ──目下では既に復興が始まっていた。

 そして魔獣もあの青い少女も見当たらない。

 国は魔王に勝ったのか? 民は一体今どれだけ生き残っている?


 ともかくすぐに動き出さなければならないと思い、私は頭を抱えながら出口へ急いで足を運んだ。


 そうして私は掛けられた羽織を手に取って、


 ずっと部屋にいた女にようやく気がついた。


「なっ……!? 何だお前は……ッ!!」


 気を張りつめていたせいで思わず声を荒げさせると、その侵入者は鬱陶しそうに身動ぎする。

 暗闇のせいで顔が良く見えなかったが、その女が近付くと見覚えのある顔が現れた。


「き……君は……!」

「お久しぶりです。……エタンセル第七王女、ライラ・エタンセルと申します」


 そこに居たのはエタンセルに産まれた神童。

 又は数日前起こった暴動の主な容疑者。

 その丁寧なお辞儀に簡単の声が漏れるが、全くもって惚けている場合等ではなかった。


「な、何の用だ……何故ここに……」


 脳裏に過ぎるのは青い髪の少女の襲撃。

 見た目に油断して手痛い目を見ることになった。

 その同じくらいの年に性別に背格好、顔は似ても似つかないが思わず背筋に緊張が走る。


 ともかく私は最大限の警戒を見せ、しかし目ざとくそれすら悟られた。

 油断ならない相手だとは知っている。

 だからこそ今この場にいる理由が分からなかった。


 この件と無関係という事は流石に無いだろう。

 私は兵士を呼ぶ覚悟すら決め、汗をかきながら見つめ返した。


「私は全てを知っています。ですので、説明に上がりました」

「なっ」


 いきなり欲しかったその言葉に目を見開いて、すると目の前の少女は薄く笑いながら近付いてくる。

 私はそれに思わず一歩後退り、すると少女は眉をひそめて怪訝な顔をした。


 エタンセルの第七王女は魔王の生まれ変わり。

 そんな巫山戯た噂が頭を一瞬過ぎってしまった。



「お話しますよ……私達がスプレンドーレの為に、如何に頑張ったかを」

「むぅ……」



 国王は生涯知る由もない。

 実は目の前の少女によって一度殺された事を。

 そしてこの小さな少女の手玉に取られ、スプレンドーレは搾取の未来を歩むことになる。















─────────────────────────

─────────────────────






「──助かりましたっ」

「…………」


 俺は頭をさげた。

 目の前の男は腕を組んで黙っている。

 彼らが気を利かせて来てくれなければ、もっと早い段階で俺はきっと死んでいたから。


 いや、それは当然俺だけじゃなくて、他の皆も国も手遅れになっていた。

 自分の弱さを痛感すると共に、頼りになる仲間に心から感謝する。



 しかし頭を下げられた会長はただ腕を組みながら俺を見提げていた。

 見定める様な不思議な視線に、俺は頭を下げたり上げたりを繰り返す。



「あの……」



 因みにある程度の話はもう済ませてあった。

 なんでも会長が痺れを切らして皆を集めてくれたらしかった。

 そしてノノアを連れてきてくれた事が何よりも今回のファインプレーである。


 だからこそ会長は誇って然るべきなのに、何故か全くこの状況に嬉しそうでは無い。

 まだなにか終わっていないような雰囲気だった。

 やるべきことが残されているのはもう俺個人くらいだろうに。


「ぐぉぉ……十二号……ッ、ADSぅ……っ」

「………………」


 パスカルは屑となった装甲車を見て、さっきからずっと一人項垂れていた。

 落ち込んでいるパスカルの姿なんて、正直満面の笑顔のライラくらいは珍しい。


 兎も角、この戦いは功労者があまりに多すぎた。

 誰か一人掛けてもきっと駄目だったろう。

 そしてふと視線を感じればそこにフーコがいた。



「……? 何でフーコさんが?」

「酷いっ!?」


 私だってぇ……っ、と嘆くフーコを見て、しかし流石に驚かない方が無理があった。

 前回までは彼女と殆ど関わりもなく、俺も名前すら覚えていなかった。


 確かにネメシスと仲は良かったが、にしたって別に今周で強くなった訳でもない。

 すると会長が見兼ねて説明してくれて、どうも彼の采配に寄るものらしかった。


「な、成程……」

「私だって頑張ったんです! ……着いてからは何も出来ませんでしたが……」


 そこは流石に仕方が無いだろう。

 元よりネメシスとシーラ以外は基本役に立てない。

 俺ですら数多の周回を経て尚、指一本触れる事すら叶っていないのだから。


 けどそれも解決したのだからもう悩む必要も無い。

 周回が無いということは逆にもう二度と会うことも無いのだ。

 ……マモンの死体は見当たらなかったが、それで何を心配する必要も無い。


 何て、固定観念に囚われて油断するのが俺最大の欠点だろう。

 最後まで絶対に思考を止めてはいけない。

 いい加減学ばなければ誰も着いて来れなくなる。



「……取り敢えず今後の事なんですけど」

「俺はすぐに戻る。この件はライラに一任する」


 会長はそう言って雑に投げ出した。

 ライラは今一人、国王の元に行っている。

 ノノアの残り二回の巻き戻し、その一回は敵との戦いで死んだらしい国王に使った。


「……俺は、そっちが片付き次第と、後ノノアが目を覚ましたら帰ります」


 結局ノノアにもだいぶ無茶をしてもらって、巻き戻しを使った後やっぱり彼女は倒れてしまった。

 しかもあの時みたいに咄嗟ならまだしも、今回はこっちで選んだ人間を生き返らせている。


 生き返れなかった人達からすれば、聞けば流石に巫山戯るなと言う話だろう。

 だから、これもまた一つの責任だ。

 そしてこれは今後俺一人で背負っていく。


 ノノアはただ力を持っていただけだ。

 彼女にはこれ以上何も荷は背負わせない。


「それは構わんが」

「はい?」


 会長はじろりと俺を睨みつけていた。

 その視線に何かやらかしたかと思い返す。

 心当たりはあまりに有り過ぎるが、しかし直接会長に対しては何かあっただろうかと。

 すると、


「ライラと何かあったか」

「え゛っ」


 その質問は今一番俺に効いて、そして解決もしていなしする目処も見えない代物だった。

 それは純粋な質問かと思えば、その鋭い目は全てを察しているかの様に思えてしまう。


「……そういえば、フルネームじゃ……ないんですねぇ」

「……長いからな」


 それを言うならライラだけじゃないだろう。

 咄嗟に話を逸らすと変な回答が帰ってきた。

 まぁ、どうやら薄々感ずかれている様だし、そもそも悪いのは全部俺なので。


「ちゃんと……責任は取ります」

「しっかりしろ」


 それだけ言って会長は歩いていった。

 因みにどうやって帰るつもりなのだろうか。

 フーコはおどおど俺たちを見回しているが、結局彼にはついて行かなかった。


 パスカルはまだしばらく駄目そうだし、ノノアは正直いつ起きるかわからない。

 ネメシスは一人でどっかに走って行ったし。

 ……ライラの手伝いに行ったらダメだろうか。


 ……なんて、一番勇気がないのは俺の癖に。

 どの面下げて自ら傍に寄るというのだろうか。


 俺の奥底にあるひとつの選択肢が、燻りながらどんどん大きくなっていった。














──────────────────────────

──────────────────────








 人生なんて少しのきっかけで変わってしまうものだ。

 なら大きなきっかけならその分とびきり変わるだろう。

 私は今その片鱗を深く感じていて、目まぐるしい環境の変化に目を回している。


 ただ、それでも芯は変わらないもので、私はただ初心に帰ってひた走る。

 探しているのは一度失ったもの。

 もう二度と手に入らないと思った者。


 ──友達。になってくれるかも知れない人。


 それも凄い奇跡が起きて、私が一番友達になりたいと思った女の子だった。


「はぁ……っ、はぁっ…………」


 走る。

 息が切れてもとにかく走る。

 病み上がりとかもう凄い関係ない。


 その人の行先はざっくり聞いたが、あまり慣れない土地勘に迷いかける。

 いっそ屋根を伝って行っては駄目だろうか。

 余計建物を崩しては流石に目もあてられないか。


 そして、しばらく街を走り回って。


 その後ろ姿に私はようやく足を止めた。



「はぁ……っ、はぁっ…………」



 ただ瓦礫を見ながらぼうっと一人で突っ立っていた。

 声をかけていいものか少しだけ迷ってしまう。

 けど結局私は彼女に近づいた。

 昨日今日で勇気の大切を死ぬ程教えてもらったから。


 それにその為に私はここに来た。

 今更怖気付いてちゃ何も始まらない。





「…………アテル」



 アテル。

 私を守って死んじゃった人。


 アテルは振り返った。



 彼女は、泣いていた。




「……シーラ、様」

「…………………………うん」



 言葉に詰まる。だから言葉を待ったが、けどアテルはそれ以上何も言わなかった。

 その頭はきっと色々考えているけど、纏まらないのか、それか躊躇っている様な感じ。


 アテルはせっかく生き返ったのに、何でかちっとも嬉しそうな感じじゃなかった。

 私は無視していた可能性に今更気が付いて、襲って来た寒気から抱いて身を隠す。


 そして、ゆっくり彼女に近づいた。

 色々考えて来た事は既に全部吹き飛んでいる。


「アテル…………話が、あるの」


 アテル・ハイト。

 私の付き人。土系統で…………けど、殆ど、それくらいしか知らない。

 何が好きで、なんで付き人になって、私の事をずっとどう思っていたのかとか。


 知らない。知りたい。だからここに来た。

 だから…………無理言って、生き返らせてもらった。

 最初はただ生き返る事に喜んだけど、その顔を見ると何故か焦燥が酷く湧いて来る。


「話……ですか」


 アテルは私の事を身を呈して守ってくれた。

 それが嫌われては無いんだろうと私を諭してくれる。

 でも、それも絶対とは言えないし、もし拒絶されたら数日寝込む自信がある。


 いや、そんな自分本位な事はどうでも良くて、もしアテルが生き返る事を望んでなかったら。

 誰も幸せになりはしない。

 ただ命というものを冒涜しただけだ。



 それでも、ここで勇気を出さなきゃ今までの自分と何も変わらない。

 そして私は彼女の隣に立った。

 彼女が見ていたものに目を向ける。


 すると、ハイトと書かれた表札が目に付いた。

 そうか、ここはアテルの家か。


 じゃあ、アテルの家族は………。



 ……………………………………。




 誰かを選んで生き返らせるということは、誰かを選んで生き返らせないという事だ。


 でも、私は、私だけは迷っちゃいけない。

 なのに震える唇は止められなかった。




「…………ごめん」

「…………どうして、シーラ様が、謝られるのですか」


 本当は、言いたいのは感謝だった。

 あの時助けてくれて有難うって。

 そして次は、目一杯怒りたかった。

 何で死んでまで助けようとしたのって。


 けど、口をついてでたのは謝罪で、でも凄くそれが私にはしっくり来た。

 結局、私はまだアテルを振り回してるだけだ。

 そういう部分は何一つ変わってない。



「アテルは……私が、生き返らせたの」

「…………はい……?」


「……そういうことが、出来る人が、居て……」


 アテルは私の言葉に目を見開いて、その顔はとても信じられないと言った感じ。

 でも、胸に大きな穴が空いた感触と記憶が彼女にはちゃんとある筈だ。


「なる…………ほど…………?」


 納得がいったのかいってないのか、正直私に判別はつかなかった。

 ここに来るまでは感謝されると思ってたけど、この光景を見たら馬鹿だったと凄く思う。


 自分だけが生き返って、家族が死んでたらどう思うだろうか。

 私の立場に置き換えて考える。

 そしたら……私は怒っちゃいそうだった。


 怒って、泣いて、人のせいにして、死んだ方がマシだと多分喚き散らす。

 考えがあまりに足らなかった。

 やっぱり私に誰かといる資格は無い。



「じゃあ、命の恩人ですね」

「………………え?」


「ありがとうございます。シーラ様」


 アテルは凄く綺麗に笑った。

 同棲の私でも思わず見惚れるくらい。

 私はそれに数秒馬鹿みたいに惚けて、そして上手く回らない口で言葉を紡いだ。


「えっ……と、いい、の……その、家族とか……」

「………………」


 少し込み入った事だったろうか、アテルは黙ってまた瓦礫になった家を見る。

 私はただ言葉を待つことしかできなくて、隣でモジモジしながら視線をさ迷わせた。


 出来るならまだ縋りたい気持もあるけど、拒絶されたらすぐにでも去るつもり。

 きっとしばらく引き摺るだろうけど、決める権利は全部アテルにあった。



「私が付き人になったのは、はっきり言って身売りです」

「え…………」



 そして衝撃と予想外の話が、静かな口調で語られ始めた。



「私には妹がいました。……妹は、凄く魔道具が好きで」

「へ、へぇ……」

「エタンセルに、尊敬する人が居るから国を渡りたいって言う程で……」


 私には居ない兄弟の話。けど、その表情からあまり楽しい話では無い事は分かる。

 そんな私の顔から緊張を察したのか、アテルはキョトンとした後少し笑った。


「でも家にそんなお金は無くて、しかも父親は何にもしない人で……」

「え、ええ……」

「父は凄く母を愛して居たんですけど……私達の事は一度も愛してくれませんでした」


 だから転校の費用も当然出してくれなかったと。

 そして付き人になれば学費はタダになった。

 しかも給料までそこそこ出ると言われ、妹を移住させる額にも困らなかった。


「それって、妹さんは……」

「知りません。知ったら絶対諦めるので」

「………………」


 私は一つアテルの事を知った。

 やっぱり飛びっきり心が強い人だった。

 それは、たった一つしか年齢が違わないのに偉く大人びて見えるわけである。


 私は両親が早くに死んで、親がいる人は皆羨ましかった。

 けど、仮に親がいたとしても、幸せじゃない事もあるんだと今日初めて知った。


「しかも父は……私達が家を出ると知って、たいそう喜んだみたいでしたよ」

「……………………話してて、辛くない?」

「いえ。むしろ清々しい気分です……だってこうしてバチが当たりましたし。……母も、そんな父に何も言ってはくれなかったので」












「なのに……なんでですかね。……最初は笑ってやろうと思ってここに来たんですが」



 最初ここに来た時、アテルは泣いていた。


 やっぱり、それでも親はアテルにとって。



「………………………それでも、家族、だったんですね」



 その言葉は私の胸に深く染みついた。

 アテルという人物を強く表している気がした。

 嫌いでも、嫌われていても、心の奥底では最後まで絶対見捨てない。


 アテルにとって私もそうなのだろうか。

 今まで迷惑しか掛けてこなかったから。

 それでも……アテルは見放さなかった。

 それが、アテルという少女の本質なのだろう。



 皆がみんな、知らない所で傷を負っている。

 本当に私だけがただ子供だった。

 もしもう一度やり直せるなら……もう、どこからやり直せばいいのかもわからないけど。




「……………………どうか、安らかに」




 そして優しく祈った彼女は、最後に一筋の涙を零した。

 それはすごく悲しくて、同時に凄く綺麗だと私は感じた。









「……………………」

「………………その」


 アテルが顔を上げて、でもしばらく何も言わないから、どうすればいいか迷った挙句結局口が勝手に動いていた。

 慰め、謝罪、感謝、後は……言いたいことが多すぎて全然まとまらない。


 アテルが私に振り向いた。

 でも私は頭が真っ白なままだ。



「アタシ……っ、アテルと友達になりたいの……!」


「え?」



 そして静寂が場を支配した。

 もしかしなくてもタイミングを間違えたのかも知れない。

 私は頬が熱くなるのを感じて、これが青春かと間違った解釈を始める。


 それでも言った。言い切った。

 これが嘘偽りない私の本音である。

 友達になったら、もし友達になれたら、これからもっと話す機会は増えるから。


 助けてもらったから仲良くしたい訳じゃない。

 大切さに気付いたから私は傍に居たい。

 空いた心を互いに埋められるような、そんな……家族みたいな友達に。


「アテルの事、もっと知りたいの……」

「…………」


 そこそこの喧騒の中、周りに結構大勢人はいた。

 本当は出来ればもっと静かな方が良かった。

 それでもこの場所から離れようとは思わない。


 

 私は夢の中で、父と母に友達を紹介出来たから。

 だから、せっかくならアテルも何て……変な考えの上に少し自惚れすぎだろうか。




「条件があります」

「…………………」



 しかし答えは少し想像と違った。

 それって果たして友達と言うのだろうか。

 私の額を一滴の汗が伝って、いや、でも……散々迷惑かけたし……仕方ないのか……


 でも、結局、私は諦められないのでそれに静かに頷いた。

 条件って一体なんだろう。

 お金の関係とかだとすごく嫌だ。



「まず朝は自分で起きてください」

「ぬっ」

「嫌いな食べ物を池の魚にあげるのもやめてください」

「えっ、何でそれ──」

「後洗濯物はちゃんと毎日出してください。下着──」

「わあぁああ!!ああああ!」


 アテルはやはり強敵だった。私生活を握られるとはこういう事を言うのだろう。

 これからはもう少しちゃんとしよう。これでは青春とか言ってる場合では無い。


「最後に」

「ま、まだ、あるの……?」


 でも今までの漬けと考えれば優しいほうだろう。

 自覚しているだけでもっと迷惑は掛けている。

 言われた事以外も出来るだけ直そう。するとアテルは少し笑ってから私をまっすぐ見た。


 何でかその視線がまるでお母さんみたいで、私は段々頬が熱くなって行く。

 思い返せば何だかこの会話、既に家族みたいに近い様に感じた。


「……シーラと……呼んでもいいですか?」

「!」


 アテルもそう思ってくれているのだろうか。

 そんな風に思っても少しは撥は当たらないだろう。

 私は思いっきりアテルに飛びついて、病み上がりだけど彼女は私を受け止めてくれた。



 友達なのか家族なのか、よく分からないけど、とにかく、私は大事なものを手に入れた。

 いや、それはずっと持っていた。


 それに気付く方法を皆に教えてもらっただけだ。





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