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創造性小話  作者: 「」
3/4

豊作

 苗を植えるらしく、今日はその手伝いに呼ばれた。

 種はさまざまな形をしていて、見ていて飽きない。


「おやっさーん。これはどこに植えればいいんだー?」


 星形の種を掲げて、おやっさんに手を振る。

 

「あーそれはね! そこの右の、奥! そう! そのまま数歩前に歩いて……あー行き過ぎ行き過ぎ、二歩下がって、そこ! そこに埋めておくれ!」

「俺すごい動くんだけど!」

「なーに言ってんだー、(あん)ちゃんは動いてねーよー」


 なかなか厳密に決まっっているらしい。

 次はこれか。


「おやっさーん。この種はー!」


 銃型の種を掲げる。

 

「あー、それはそのまま三歩先、そして右に五歩行って、三歩下がったら、左に五歩だ」

「おやっさーん、そこよりこっちに植えた方がいいんじゃねーか?」

「だめだよ、だめ! そうしないと(あん)ちゃんのお昼ご飯抜きだかんなー」

「げ、それはやだよ〜。わかった、これでいい〜⁈」

「あー、まぁそれでいいよー」


 あ、おやっさん今お昼ご飯つまみ食いしたな?

 約束なのにひでーや。

 まあいいや。んで、次の種はっと。


「おやっさーん。なんか紙みたいなんだけどこれは〜?」


 人の顔がうっすら浮かび上がった種を掲げる。


「あーそれは三歩下がりなー! そこでいいよ〜。あ、でもあんまり見ないようにしな〜。帰ったら柔軟剤で服を洗うんだよ〜」

「確かに、なんか変だ。目瞑っとくわ〜!」


 人生が固まりそうだ。

 さっさと埋めちまおう。


「おやっさーん。植え終えたよ〜」

「おーお疲れさん! んじゃまた来週もよろしくな〜」

「はいよ〜」

 

 来週もまた種が増えるって言うんだから大変だよな。

収穫できればいいんだけれど。

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