表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/65

~episode1 リスタート~ プロローグ

朝丘虹子16歳、高校2年生。帰宅部。これと言った目標も無いまま、大学受験が気になり出した5月の末日、たまたま見つけたかつての戦友ともの言葉が虹子の心を揺さぶり、突き動かした。


あたし、サッカーが好きだ。

挿絵(By みてみん)


プロローグ


 全国ジュニアサッカー大会の決勝。朝丘虹子あさおかにじこはフィールドで躍動した。小学生のチームで、男子に混じってプレーする女子選手は珍しくはない。しかし、虹子は都大会の決勝で名門の東京リトルブラザーズを破り、全国大会で快進撃を続ける城北ウイングの言うなればエースだ。


 鹿児島市内の薩摩スタジアムで行われた清水エスドリームジュニアとの決勝戦。男子選手たちを翻弄する姿は応援席の父母たちだけでなく、目の肥えた地元の観客をも魅了した。


 ”相棒”の橙山華とうやまはながセカンドボールを拾った瞬間、軽快なステップでマークを外して、浮き球のパスを右ワイドの位置でピタリとコントロール。利き足ではない左の甲でボールにインパクトを乗せる。


「おおっ」という驚きの観客の声が上がる中、まるで虹を描くような軌道のシュートが、キーパーが体一杯に伸ばす手の先を抜けてゴールネットに吸い込まれた。


 アシストした華が真っ先に駆け寄って虹子に抱きつくと、男子の仲間たちも続き、虹子を歓喜の輪が包み込む。鳴り止まない歓声の中、仲間たちに揉みクシャにされながら、虹子は右の人さし指を天高く突き上げた。


 もっともっと、どこまでも高く。手を伸ばした虹子の思いは遠い空の彼方へと突き抜けて行く。これは私にとって夢の始まりだ。だってあたしの夢は、世界一のサッカー選手になることだから。


 そう思っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ