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第9話 お弁当(後編)

美桜が屋上から去っていてから15分くらいで昼休みが終わったので俺は教室に戻った。結局、美桜が弁当を持って逃げたせいでろくになにも食べられなかった。美桜が作ってくれた唐揚げを一個食べただけだ。


腹を空かしたまま教室に戻ると、そこには机に頭を伏せたままの美桜がいた。しっかりと顔は見えないが、耳がほのかに赤い事を俺は見逃さなかった。

だからと言って、俺がどうこうする事もないので、自分の席に着く。


とりあえず今は次の授業の準備をしなきゃいけない。


「次は数学かぁ、嫌いなんだよな」


自分にしか聞こえない声で愚痴をこぼしながら、机の下の教科書を入れているところに腕を突っ込む。すると、


「ん?」


何かが手に当たった。少し大きくって硬い矩形型なのが分かる。教科書ではない。なんだ?不審に思い、その矩形型の物を取り出す。


出てきたのは、さっき美桜が持っていた弁当箱だった。そして、上には何やら折り畳まれた紙が添えてある。

紙を広げるとそこにはこんな文字が、


『さっきは逃げちゃったりしてごめんね、本当は二人でお弁当食べようと思ったんだけど…

だから、私もちょっと食べたから、後は祥太郎が食べてね。


                      美桜より』



という内容が書かれていた。俺は無意識のうちに美桜の方を向くと、美桜も横目で俺の事を見ている。目が合ったら、二人とも照れ臭くなり目を逸らす。いや、付き合いたてのカップルか、俺たちは。


俺は急いで美桜からの手紙と弁当をしまった。流石に今食べるわけにもいかないため、家に戻った後にでも食べよう。


しかし、少しづつではあるが美桜と昔みたいに話せるようになって良かったなと心底思う。


あけましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願い致します。

今回のは少し短かったかと思いますけど、次回はなんと!美桜目線でお送りします!

弁当回2話分の春崎美桜目線です!お楽しみに!

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