2度目の高総体
私にとって2度目の高総体が始まった。
今回は前回の成績からBブロックでの出場となる。
しかし、ようやく練習試合が出来るようになったばかりのKM高校ラグビー部にBブロックで戦えるほどの実力はなかった。
高総体直前の練習試合でCブロックに所属するチームに対し惜敗するのが良いところだったのである。
そもそもCブロックのチームに苦戦するようではBブロックで戦えないのだ。
新人戦と同じ4番ロックで出場した私は相変わらずモチベーションが低くフィジカルとフィットネスが向上しただけでラグビーの技術においては然したる成長をしていなかった。
初戦が始まると新人戦の時とは違いスクラムは安定し、あたり負けすることもなくなっていた。
練習を重ねたセットプレー(キックオフやスクラム、ラインアウト)に関しても十分な力を発揮できるようになり、易々と相手にボールを渡すこともなくなる。
だがセットプレー以外のところになると途端にもたつき力を発揮することができない。
試合は終始相手チームが主導権を握る形で展開し、最終的には20点差の27対7で敗北することになる。
続く1回戦の敗者どうしの試合(敗者復活戦)でも同様の展開から敗北してしまう。
Bブロックの場合はCブロックとの入れ替え戦が行われないため、KM高校はそのままCブロックへの降格が決まったのだった。
敗者復活戦でノーサイドの笛が鳴った時、キャプテンだった井上先輩が悔し気にグラウンドを殴り涙を流す姿が、申し訳ない気持ちと共に強く記憶に残る。
私たちはKM高校ラグビー部は県内の業豪チームだった時からわずか1年で最下位ブロックにまで沈んだのだった。