表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輝け!弱小KM高校ラグビー部  作者: 四方山林
1/22

入部

かなり前の記憶なので得点や試合の展開に間違いがあるかもしれませんが、全体の流れは現実にあった事です。

名称や人名は全部仮称です。

読んでくれた人がラグビーを好きになってくれたら1ラグビーファンとしてとても嬉しいです。

 日本代表ブレイブ・ブロッサムズの目覚ましい活躍に沸く2019年ラグビーワールドカップ。


 私がラグビーをしていた頃は全く考えもしなかった展開に私自身も興奮を抑えられず、ラグビーに親しんでいたあの頃を懐かしく思い出している。


 ここに中々刺激的だった私とラグビーの思い出を残しておこうと思う。



 私が入学したI県立KM高校は公立の普通高で地域では大学を目指す学生が集まる高校でもあった。


 KM高校は文武両道を志す校風から全校生徒は何らかの部活に所属することが決まっており、多数あるクラブの中からどこかを選ぶ必要があった。


 私の中学時代は柔道部に所属してそれなりの成績を収めていたが、高校では別の部活に入りたいと考えていた。


 理由は単純だ。


 中学は生徒数が少なくて部活は野球・柔道・バドミントンの三つしか選択肢がなく、特にやりたい部活がなかった私は消去法的に柔道部を選んだに過ぎなかったからだ。


 球技が得意だった私は当時流行っていた漫画の影響もあって高校ではバスケットボール部に入ろうと思っていた。


 ところがそれに待ったを掛ける事態が発生したのである。



 体育館で部活説明会が行われたあの日、各部活がそれぞれ教室を割り当てられて入部希望者を募っていた。


 入学間もなく親しい友人もまだいない中、私は渡された資料を見ながら3階のバスケットボール部の教室を目指して廊下を歩いていた。


 そこで急に声を掛けられる。


「おい、ちょっといいか? お前、体格良いな。ラグビー部に入らないか?」


 声を掛けてきたのはガタイのいい先輩だった。


「いや・・・ちょっと、ラグビーはやったことないんで・・・」


 私はちょっとビビりながらもお断りの言葉を口にしたが先輩は中々押しが強く


「どこの中学出身だ?」


「えっと、T中ですけど・・・」


 私が答えると先輩は後ろの教室に向かって呼びかけた。


「おーい、細田、岩田! お前らT中出身だったよな?」


 呼ばれた細田先輩と岩田先輩は確かにT中出身で、しかも同じ柔道部の先輩でもあった。


「押忍、お久し振りっす」


 私は勢いよく頭を下げる。


 柔道に限らないが運動部は縦社会だ。

 世話になった先輩となれば頭が上がらないのは当然である。


「なんだ遠野じゃないか。ラグビーはいいぞ?きっと後悔しない」


「そうだぞ。みんな良いヤツばかりだ」


 二人はやや強引に左右から肩を組むと私を教室に入れ一枚の紙を渡してきた。


 その紙にはラグビー部の入部届と書いてあった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ