表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八極道、はじめました。  作者: 右山左
8/9

鷹と剣

身体と身体がぶつかり合う鈍い音が道場に響く。

今までやってきた手を抜いた組手ではない、本気の打ち合い。


鷹通が右の貫手を放つと原田はそれを左腕でいなしながら、インに身体を入れながら身体をひねり、鉄山靠を放つ。


吹き飛ばされながら鷹通は笑い、聞く。

「いつ習ったんすか?」

追い討ちをかけるように足を踏み出しながら原田は答える。「ま、色々とな。」


吹き飛んだ鷹通は受け身を取りながら、原田の追い討ちの踏み抜きをすんでのところで躱す。

「やっぱりセンパイは謎が深えや!」

躱された原田は一瞬で間合いを取り、気を集中させながらまた、笑う。

「だろ?センパイだからな!」

気合を入れた正拳突きを原田が打つ。


鷹通はそれを受け流し、肘の関節をキメながら押し込めに掛かる。

だが原田はキメられた肘をそのままに足で床を蹴り縦に回転する。

肘をキメきれなくなり鷹通は手を離す。


「まじすか?片腕捨てて抜け出すってマジすぎっすよ…?」

原田は不敵に笑いながら体勢を立て直す。


「なあ鷹通、お前本当にやんのか?」

軽い口調とは裏腹の鋭い突きを繰り出しながら、原田は問いかける。


「ま、まあマジっすね!にしてもセンパイの動きってこんな速かったんす、ね!」

すんでのところで躱しながら鷹通も答え、お返しとばかりに踏み込んだ重い掌底を原田の腹に打ち込む。


「やるじゃねえか、どっちの意味でもよ。」

腹に受けた一撃に感心したように原田は少しよろめきつつ破顔する。

しかし、と腹を抑えつつ真顔になった原田は鷹通に問いかける。

「しっかし、道場の名前を背負って戦うってことも分かった上で師匠を訪ねたんだよな?」


鷹通の動きが止まる。

思考が高速で回転していく鷹通の脳内で、先ほどの師匠の言葉がリフレインする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ