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少女との邂逅
「やべえ・・・遅れた・・・」
鷹通が失意の中、学校の廊下を歩いていると、ふと一人の見慣れない少女が目に入る。
何やらクラスの担任と話しながら歩いているようで、笑顔から青ざめた顔、目まぐるしく変わる表情につい見惚れてしまう。
ふと全体像を見渡すと、黒髪ロング、顔立ちも端正、なのだが、なのだが。
「縮尺、おかしくね?」
先生の身長なんて知ったことではないが、担任の身長が標準で170cmだとして、だ。
明らかに胸の高さより低い位置に頭がある。
140cmあるかないか。
その少女のかなり後ろの方で腕を組み唸っていた鷹通は、人知れず漏れていた声が、少女に届いていたことに気づいていない。