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遠賀鷹通という男
ここは現代日本...とは少し違った日本の話。
世界中で各種あらゆる格闘技が嗜まれ、覇を競い合っている世界。
世界とは言わずも一つの国の頂点に立つだけでその国の中では重鎮となり、国の中枢に意見が通る。
国技を変えろと言われれば一分の間も開けずに国技が変わるといった待遇である。
その名声と地位でもって道場を開けば一生安泰。億万長者はすぐそこと言った有様で。
拳法、柔道、空手、ボクシング、古武道に合気道、世界を見てみれば酔拳にジークンドー、テコンドーにカラリパヤット、ムエタイにサンボ等々。
その中で合気道を選んだ、一人の男の話。
名を遠賀鷹通。-オガタカミチ- 今年18歳である。
先程書いたように日本の頂点に立った男、の建てた道場で稽古に励むただの男子である。
髪は短髪とはいえないような茶髪のウルフカット、中肉中背で、目つきは鋭いが決して勝ち気ではなく、どちらかと言うと勝負事を好まない性格である。
そんなどこにでもいるような男子だった彼が、世界を目指し稽古に励みだすのは、まだ少し先の話・・・。