13/47
Their NAME
お久しぶりです。
異世界に来ても、たとえ不老不死になったとしても、人間腹は減るらしく、あっという間に朝食を平らげた。
食後に出された緑茶らしきものを飲んでくつろぎつつ、俺は少し困っていた。両親と姉の名前がわからない。名前を聞くのは不自然だろう。おそらく彼らにはこれまでにセルと暮らしてきた記憶がある。それはたぶんセカイが俺に身分を与えるために植えつけた記憶だ。もともとこの世界にはセルロット・アビテーションなる人物は存在しなかったが、それを俺がこの世界に来るにあたって、セカイが辻褄合わせでずっと前から存在していることにしたのだろう。恐るべしセカイ......。
「セル、今日は名前聞かないの?」
隣の姉らしき人がいきなりこちらを向いて言った。目がまっすぐこちらを見つめていた。
「どういうこと......ですか?」
わけがわからない。まさか俺が名前を知らないのを知っているのだろうか。
俺が困っていると斜め前の父親がみんなを見渡して口を開いた。
ポイント評価、よろしくお願いします。




