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睡眠
俺の名前は斎藤広樹。中学3年生だ。つまりは、今年受験生だ。最近ではクラスの連中はピリピリしてきて、周りの奴をみんな敵だと思っている。かくいう俺は緊張感もなく、毎日ぶらぶら遊んでいる。そんなふうにしていられるのは、俺がめちゃくちゃ勉強できるからではなく、あまりにも頭が悪すぎてどこにも行ける高校がなく、もうどうでもいいやと半ば人生を諦めているからだ。
今日も先公にはごちゃごちゃと文句を言われ、家に帰れば親に罵倒される。そんな時、俺はベットの上で人生にうんざりするのだ。どこか違う世界に行って人生をやり直したい。俺は最近そう思うことが多々ある。しかし、そんなことがあるわけもなく毎日、このクソみたいな人生を過ごしている。あーあ、眠い。あくびを一発してから俺は最近、唯一の楽しみである睡眠で、夢の世界に入っていった。