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プット・ユア・ハンズ・アップ  作者: カンテラ
第1章
3/5

訪問者

「うーん、結局見当もつかないなぁ。」



魔学所。魔法を司る機関であり、魔法の研究・魔導士の育成などを行っている。



魔学所。たとえサガリア支部だとしても、

そこの様々な魔導士が匙を投げている以上、

ただの中級魔導士に解明できるはずもなかった。



「おーい、オドリバー、いるか?」


大声を出して訪ねてきた男は、当事者?

まあ第一発見者というのが正しい。

私この件を伝えてきた張本人だ。



「頼むから図書室では静かにしてくれよ。」



「ああ、すまんすまん。で、どうだ?」



「どうもこうも無いさ。本を読んでもわからない何かだってことはわかったさ。」



「はあ、組合もわからないってよ。まったく、使えない機関だこと。」



組合。正式名称は冒険者組合で、魔学所と似たり寄ったりだ。

こちらは世界の探検、モンスターの駆除、各種依頼請負・発注、数をあげたらきりが無い。



まあ冒険業を司る機関である。

冒険業を司っているが、

依頼、モンスターの駆除等の関係で

魔導士もたくさん利用している。

私もその中の1人だ。



で、その組合もわからないのだ。

魔学所の魔法でもわからない。

組合のスキルでもわからない。

調べてみるだけ調べてみたが、所詮中級魔導士の上、魔学所が無理と言っているのだ、わかるはずがなかった。



「ところでどうだ?オドリバ、

そんなに興味があるなら、組合に来てみるか?

例の死骸がサンプルで残ってると思うぜ。

組合としても解明したいから、見せてもらえると思うぞ。」



「まあそれが一番だな、でもそれ大丈夫なのか?レスター。」



「大丈夫よ、多分。」



第一発見者。この男、名前をレスターという。



私の仲間であり、私とは違い組合所属の中級冒険者だ。

初級魔導士・冒険者の頃から徒党を組んでいて、

それこそ昔は一緒にゼリーを狩っていた。

そのゼリーは、全滅してしまったのだが...



私は彼と共にここを離れ、組合に向かった。






レスターが受付に何か話しかけ、私たち二人は別室に案内された。そこに職員が例のものを持ってきた。


どうしてこんなことに?実物を見て驚いた。



ゼリーは直径50センチ程の図体のモンスターで、

安直な命名だと思うが体がゼリー状だ。

形状は円形を保っていて、ゼリー状なのに形が崩れることなく円形を保っている。

切断しようとすると、ゼリー状だとわかる。


50センチのゼリーが円形になって襲ってくるイメージだ。



そのゼリーは、性質上、切断するのは容易だ。

が、打撃攻撃はほとんど通用しない。

更に、槍など鋭利なもので突くと最悪だ。

途中までは刺さるのだが、

達人でもなければ体半ばで止まってしまい、

武器とお別れをしないといけなくなる。





そのゼリーに、綺麗に穴が空いていた。

しかも穴だらけで、異様だ。



1cm程度の 貫通した 穴がたくさん空いている。

その穴は曲がることなく一直線に伸びており、

まるでアロー系の魔法に撃たれたようだ。



だが魔法はありえない。サンプルがここに存在している以上、魔法はありえない。

対象に物理的に攻撃を加える魔法なんて、聞いたことが無い。




死んでいる状態でこのゼリーが存在する以上、

少なくとも既存の魔法では無いはずだ。


組合もわからない以上、スキルでも無いわけだ。



そもそも異常だ。謎の死因でしかも全滅だ。

全滅だ。

全滅なのだ。



どうやったらゼリーを全滅させることができる?

レスターがたまたま夜ハイレンに行って気づいたはいいが、夜にハイレンに行っても人目につかないぐらいしか利点が無い。

しかも全滅だ。どうやったらあの量のゼリーを1匹残らずああすることができる?


そして何故?何故そんなことをした?された?なった?



「どうだ?魔導士のオドリバ様ならわかるか?」



「わかるわけ無いさ。所詮中級ってところだ。それこそ、冒険者のレスター様は解明できたか?」



「さっぱりわからん。」



全く手がかりも無いまま、途方に暮れている頃、

何か入口の方が騒がしくなってきた。


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