ハイレンに異常有り
「見当もつかない。」
返答は全てそれだった。
この世界の機関を用いては、わからなかった。
ハイレン周辺のゼリーが全滅した。
ハイレンは、私が住んでいるサガリアの隣にある街だ。
特徴は周辺にゼリーが多数生息していることだ。
それだけなので、
強力なモンスターが生息しているわけでは無い。
ある意味安全な地域であった。
ゼリーは私でも狩ることのできるモンスターで、戦闘能力が軽微でも倒すことができる。
よって、低級冒険者・魔導士に人気があるモンスターだ。
よってこの街は低級冒険者・魔導士が沢山訪れ、始まりの街、なんて呼ばれ方もあるぐらいだ。
ゼリー産業で成り立っているこの街にはゼリーが不可欠の存在だった。
なのにゼリーは全滅してしまった。
ゼリーに特化して売っていた装備屋、
あやかっていた観光事業、
賑わっていたこの街はどうなる?
ゼリーがいなくなって、とてつもなく強力なモンスターが代わりに襲来したらどうなる?
自分はそれを調査する側だろう。
どうなる、ではなくて、
どうして?を探すべきか。
でも原因は不明だ。
原因は不明だった。
「オドリバ、例の話聞いたぞ、ゼリーが全滅だってな?しかも原因がわからないんだろ?まったく、怖い世の中だこと」
魔学所でふいに話しかけてきたのは、同じ中級魔導士だった。
「ああ、そうなんだ。
仲間が突然伝えてきてだな...まあそいつは事情があって夜にハイレンに行ったらしいんだが、
どうやらゼリーがとんでも無いことになってたらしい。」
「穴だらけ、だろ?」
「そうだ、穴だらけだったんだ...
全く、どうやったらあれに穴を開けれる?
しかも全滅だぞ全滅... 1匹残らずだ。全く訳がわからないよ。」
「本当だよ、どうやったらゼリーに穴なんて開けれるんだ?新型の魔法でも発明して身勝手に試した輩が出たのか?」
「さあ、そこは組合もここも匙を投げてるんだ、全くわからないさ。」
「まあここがわからなきゃ魔法では無いってこった。魔法だったら面白かったのにな。」
「とても興味深い材料だよなぁ、まあ、無駄な気がするけど個人的に考えてみるつもりだよ。」
組合も魔学所も匙を投げたこの事件、
一体何が原因なのだろうか?私は魔導士としての探究心で、独自に調べてみることにした。




