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フォーブリッジの街へ  作者: 下田翔佑
第1章:大災害
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第2話:大災害直後

『ああ、よく寝たなあ』と思った次の瞬間に『ここ、どこだ』と叫んでいる俺がいた。

叫んでいたのは俺だけでなく、その場にいた人たちも同じような言葉で叫んでいる。

そんな人たちを見ながら、体内時計で30分くらい経ち、大きな木の下まで歩いてきて俺はあることに気がついた。

『いろいろ見て来たけど 、もしかすると、エルダーテイルの中に閉じ込められた。だとすれば、何らかの形でトップ画面が開けるはずだけど』

と考えていると、突然電話のような音が聞こえてきた。もしやと思いながらも手を耳に当てると聞き慣れた声が聴こえてきた。



『兄さんであってるよね』

『そうだ。ユーミンであってるか』と返事をすると少し安心したのか気楽に、

『そうだよ。兄さん、ここはどこなんだろう』

『確定ではないがエルダーテイルの中に閉じ込められたと自分は思っている。だとすればトップ画面を開けるはずなんだがどうしたものかな』

『やっぱりそうなんだ。トップ画面についてだけど頭の中で《トップ画面》と念じれば出てくるみたいだよ。それとログアウトとGMコールができなくなってるよ』と話すが、まだ安心しきっていないようだったため、『ユーミン、何か隠していないか。困っているなら話してくれないか』

ユーミンは覚悟を決めた感じで『兄さん、あのね。今ミーシャさんと一緒に街の中を歩いているんだけど、ミーシャさんの妹のナーシャさんがここじゃなくてシブヤの街にいるらしいの。そんなことがわかったらミーシャさんが《1人でいるよりは一緒にいた方がいい》っていってるから助けに行きたいと思っているよ。だから念話してみたんだけどどうしたらいいかな』と黙って聴いていた俺は、

『今、直ぐに助けに行こう』

『今、直ぐに助けに行こうって、外はどんな感じになってるかわからないのに。いつもらしくないよ、兄さん』

『いつもらしくないか。確かにそうかもしれないなあ。だけどなあ、ユーミン。今、助けに行かなければ何をされるかわからなくないか、ユーミン』

『わかったよ、兄さん。そうと決まればこれからどうしたらいい』

『とりあえず、大きな木がある場所は知っているなあ。そこで待ち合わせをしよう。それとナーシャと念話したなら自分に連絡してくれな。自分はアリフ達に念話してみるよ』

『そうするよ。兄さん、くれぐれも気をつけてね』

『わかった。ユーミンも気をつけてな』と返事をして念話が終わった。

『さてと、俺はアリフに念話するか』



ーーーーーーー



『兄ちゃん、ここってやっぱりエルダーテイルの中だよね』

『そうだと思う。まずは情報を集めてみようかな』

『それなら、トランスポートにいってみようよ。なんか人が集まって来ているみたいだよ』

『なら、ビート。トランスポートに行ってみるか』

そう話をする僕はアリフ。20分くらい目覚めた場所にいたけど、弟のビートと偶然にも合流できた。そこまではよかったのだがどこに行けばいいのかその場で行き詰まっていた。そんなときに、ビートが思いついたのが《トランスポートに行こう》ということになったのだ。

そんなことでトランスポートに来てみたのだがなんだか雰囲気が悪い感じに見えた。そこで、近くにいるプレイヤーに聞いたところどうやら動いていないとのことだった。

それから直ぐに、突然電話のような音が聞こえてきた。《これはもしかしたら、念話が使えるのかな》と考えながら手を耳に当てると聞き慣れた声が聴こえてきた。



『アリフか。俺だ、ユウマだ。今どこにいるのか教えてくれないか』

『そうだよ、アリフだよ。ビートも一緒にいるよ。今はトランスポート前にいるよ』

『それはよかった。トランスポートのどんな状態になっているのか教えてくれないか』

『トランスポートは、動いていないみたいだよ。何か問題でも起きている?』と僕が話しかけたら、ユウマは冷静に話し始めた。

『いつもパーティーを組んでいた双子の姉妹がいただろう』

『いたいた。確かお姉さんの名前はミーシャで妹さんの名前はナーシャだったかな』

『そうだ。ユーミンからの念話によれば、今ナーシャはシブヤの街にいるらしいんだ』

『そこまで聴いたら流石にわかったよ。トランスポートが動いていないということはナーシャを直ぐに助けに行けないくらいは』

『アリフはお見通しか。その通りだよ。そうなると徒歩で行くしかないか』とユウマがいった途端に僕はあることを考えていた。

《徒歩だけじゃないはず。僕やユウマ、それにミーシャには召喚笛で馬を得ていたはずだけど。ユウマらしくなあ。ここは僕が提案しよう》

『ユウマ、忘れてないかな。ユウマや僕、そしてミーシャには馬を召喚できる召喚笛を手に入れていたはずだけどなあ』

『アリフ、その手があったか。ナーシャを助けに行く話はこのくらいにして、大きな木の下に来てくれないか。いろいろとまだ相談したいことが山ほどあるからな』

『ユウマ、わかったよ。ビートと一緒に大きな木の下に向かうよ』

『ちょっと待ってくれないか。いい忘れたがユーミンはミーシャと一緒に行動している。何かあれば、ユーミンかミーシャに念話をかけるのもありだからな』

『そうなんだ。何かあればユーミン達にも念話をしておくよ』と返事をすると念話は終わった。

次回予告


ナーシャがシブヤの街に取り残されたユウマたちはどのように助けに行くのか。期待してお待ちください。

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