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3話
ドアを開けた。
風圧で埃が舞う。
「うわっ」
思わず息をとめた。
部屋は思っていたよりも広くなく、
ベッドとラジカセと机と椅子、それと一つの引き出しが置いてある。
「ちょっと汚いけど、掃除すればまだ使えるわよ。お父さんのお下がりだけど、良い?」
「あー・・・まあ。」
掃除か。
虫とか出ないよね・・・?
「虫が出たら呼んでね、徹ちゃんを。」
「え」
バーさんも虫嫌いか。
今日は徹ちゃんも早寝だろうしな・・・。
うーん。
今から買い物行って、ご飯食べて・・・
間に合うか?
「あ、そういえば夕方のタイムセールが4時からあるんだったっけ。うーん、まだ時間もあるし・・・。ちょっと観光してから行きましょうか。」
「観光?」
観光よりも掃除がしたいのだが。まあいいか。最悪、徹ちゃんをたたき起せばいい話だし。
そんなわけで、バーさん引率による、羽橋町観光ツアーが始まった。