2話
バーさんの家は比較的町の中心に近いところにあった。
「なんか、デカいんですけど・・・・・・」
「まあ、バーさん家だからな、」
田舎の家は基本的にどこもデカイ。
田舎の土地は、都会に比べて割安だからだ。
だから、でかい家には慣れていた・・・・・つもりだったのだけれど。。。
「あら~、和ちゃん、良く来たわね~~」
これまたデカイおばはん、英貴子が上機嫌で家から出てきた。
「てっちゃんも。今日は泊まっていくでしょう?」
「ええ、まあ。」
「じゃあ今日は頑張って夕飯こしらえないとっ♪」
ささ、上がって上がって。と、バーさんは手招きして、私達を迎えてくれた。
中は意外と平凡な造りのようだ。
「えー、ここがリビング。キッチンも一緒よ。」
バーさんに続いて、リビングに入った。
テレビとソファとテーブルと椅子と・・・。
なるほど、ダイニングと一体化してあるのか。
「冷蔵庫の中のものは勝手に飲み食いしてくれて構わないからね。」
「あ、はい。」
バーさんはそう言って次の部屋に向かっていった。
「えー、ここが和室。毎朝ここで、お父さんとお母さんに手を合わせるのよ。」
「・・・・・・。」
「大丈夫よ。お父さんも、お母さんも、和のこと見守ってるから。」
「バーさんの言う通りだ。不安がる事はねえ。」
「誰がバーさんよ」
「うっ。」
バーさんがてっちゃんを睨み付ける。
バーさんとは呼ばない方がよさそうだ。
「で、隣のソコがトイレね。」
言いながら、バーさんは階段を上っていった。
続いて上に上ると、3つの扉があった。
1つは、横に引いてあけるタイプのドア。
1つは、ステンドグラスがはめ込まれたドア。
1つは、ただのドア。
「あそこの引くドアは納戸。物置よ。」
「で、あのドアはトイレ。」
「あのステンドグラスの部屋はあなたの部屋よ。」
「私の部屋?」
「そうよ。見てみる?お父さんが使って以来入ってないから、ちょっと埃っぽいかもしれないけど。」
「うん。」
私は、ステンドグラスの付いた、父の部屋の扉を開けた。
ご閲覧ありがとうございます。
初心者ながら、私も持てる限りの想像力で頑張っておりますので、何卒宜しくお願い致します。
この作品はまだ続きます。