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僕だけ居場所のない家から逃げ出した先で見つけた僕の本当の居場所  作者: ムラタカ


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第1話  プロローグ


俺は自分の事を幸せ者だと思っていた。

有り体に言えばギャルゲーに出てくる主人公。

あるいはハーレム物ラノベの主人公みたいな存在だとその時は真面目に思っていた。

美人の母親にかわいい妹、男勝りだが巨乳な幼馴染の彼女。

それ等が周りにいたのも勘違いに拍車をかける原因だった。


今にして思うのはよくそんなだいそれた事を大真面目に思っていられたものだという傍観に近い感情しかない。

あの日、俺が全てを失うまで俺は何処にでもいる無知で無意味な妄想癖のある馬鹿な子供だったのだと痛感する





幸せの土台はまず愛すべき家族がいる事から始まる。




「まってよ〜お兄ちゃん愛莉をおいてかないでよ〜」


「待っててやるからゆっくり来なよ?な!」


「!!えへへ〜、お兄ちゃん!」



小学生の頃は俺によく懐いていた妹、

俺の後ろをついて回る危なっかしい小動物みたいな存在で目を離すとすぐに泣きだす、そんなのだからいつも目を離せないかわいい妹。

一年前に中学3年になった妹の愛莉は見た目だけなら3年の中でも群を抜いた美少女いえる外観で取り巻きがいるくらいだが兄である俺の前ではそんなの関係ないと言わんばかりに懐いてきて猫みたいな奴だった




「もう琢磨も愛莉もしょうのない子達ね、ふふ」



聖母のように家族を無限の愛で包んでくれた母親

親父の事を誰より愛し、その子供である俺と妹に淀みない愛を注いでくれた。

今年で40代後半に入ったとは思えない若々しさと水々しさをもった美女で実子である俺でさえ時折見惚れる程の美女が母さんで友人に対しても鼻が高くなる自慢の母親だった



「お前はお前の進みたい道に進めばいい。

それを支え応援するのが父である俺の役目であり特権だ」


子供思いで自慢の父親

そして俺は父を誰より尊敬していた、大人になったら父の様な大きな背中の似合う大人になりたいとそう思っていた。

そんな父親との今生の別れが俺が中学の頃、今から四年前の事だ。

仕事中に事故に会い父親は他界することとなった。

俺は父親との一生の別れに精神的に酷く参っていた。



「…と…うさん……父さんどうして、俺…俺……」


「タク…私は何処にも行かないから…ね?タク…」



ギュっと俺を抱いてくれる幼馴染の少女

大きな胸の柔らかさと温かみが心に染みていく

俺を励ましてくれたのが隣の家に住む幼馴染の存在だ

俺は彼女の存在があったからこそ立ち直れた。




「明音、俺、お前がいないと駄目なんだ…その俺みたいな女々しい奴嫌かも知れないけど…俺と付き合って欲しい……明音が好きなんだ。一人の女の子として。」


「嬉しい………。私もタクの事ずっと好きだった。私みたいなガサツな女でもいいなら…その宜しくお願いします……」



中学卒業の時に思い切って告白し、向こうも俺の告白に同意、恋人として俺を認めてくれた。

そうして俺は親父の死にも前向きに立ち向かえる様になって幼馴染の事を誰よりも愛するようになって『いた』


なっていた…過去だ、全て過去。

幸せの土台は全て突然倒れて台無しになる。

俺はギャルゲーの主役でも何でもなく誰かが主役の物語を彩る賑やかしの脇役…いや……それ以下の存在だったのだと痛感する事になる。


事の始まり。

俺の転落は父親の死が直接の原因であるのは間違いないが致命的となったのが母親の再婚だった。

四年間母親は俺と妹を育てる為相当の苦労を強いられてきた。

その母親には頼るべき心の支えが必要だった。

だから母さんが知らない男を家に連れてきたのはある意味必然だったのかも知れない。

その男と母さんが再婚することになり、母さんが弱っていたのも知っていたから俺も妹も賛同した。


それが後々家族崩壊の始まりになるとも知らないで…

いや…。

嫌な予感はその時からしていた。

でも普通断われなんて言えないだろ? 

ずっと頑張って来た母さんには2度目の恋をする権利だってある。

死んだ親父の事をずっと想い続けろなんてそんなのは子供の我儘…エゴでしか無い。


まぁ結局この判断を俺は死ぬまで悔む事になるのだがな…。


母の再婚相手には二人の連れ子がいた

この連れ子が二人共美少女だったらまた違った未来があったかも知れたい。


しかしそんなフィクションみたいな事はなく二人共男、しかも美少年だった。

線の細いアイドルタイプの男で俺と同年代、もう一人は大学生で頭の良いインテリタイプだかガッツリ鍛えていて良好な体付き、俺自身も決してブサメンというわけではないがここまで格が違うと慄いてしまうのは無理からぬ事だと理解してもらいたい。

結果だけで言えば俺はこの二人に対してこの時点で精神的に負けていたのだ。


この時は思いもしない。

こいつ等に俺の大切にしていた人達が全員奪われ汚される事になるなんてな。


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