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Scene#6 浜松基地再び

 休暇明けの朝、浜松基地の女子用隊舎の玄関には、ちょっとした人だかりができていた。

 なにごとかと思って玄関の掲示板に貼られていた紙を見て、星華は真っ青になった。

 A3サイズの紙に二枚のフォトがペーストされている。

 下の余白には次のようにコメントが記されていた。

「A飛行幹部候補生の華麗なる男性関係!」

 忘れもしない、片方はGWの初日に土肥原信彦との食事が終わって、ステーキハウスから二人で出て来る場面である。

 そして、もう片方は小学校の同窓会の終了後、会場となった横浜のホテルの玄関で角田治と並んでいる場面である。

 写真週刊誌を思わせる紙を見ながら、星華は顔から高速で血の気が引いて行くことを感じていた。

「あぁら、羨ましいですわねぇ」

「ほーんと、オキレイな飛行幹部候補生ともなれば、男の方が放っておかないんでしょうしぃ」

「お盛んですことぉ」

 背後で聞こえよがしに囃し立てるのは、タカビー三人衆――宇山・寺田・佐川である。

 夢中で紙を取り外し、くしゃくしゃに丸めて持ち去った星華だが、天然な彼女も、これを機に、漸く周りの女子がどういう目で自分たちを見ているか、実感するようになった。

 災難は、玲子にも降りかかってきた。

 その日の夕方、訓練と夕食を終え、女子隊舎の浴室で汗を流して出て来ると、脱衣所で自分の着替えが入っているはずの棚のなかに、上下のアンダーウェアが入っていないことに気が付いた。

 ――まさか……

 なんどか、狭い棚のなかを確かめたが、二組の下着はそこから消えていた。

 これには、さすがの玲子も顔色を変えた。

 星華と違って、天然な性格とは少々異なっている玲子は、瞬時に他の女子隊員のジェラシーが具体的な形で攻撃になっていると察した。

 彼女の下着二組は、その夜、ズタズタに引き裂かれて、隊舎の廊下に放置されているのが見つかった。

「思い知らせてやるわ!」

 という三人衆の合意は、こうして二人に向けられる現実の刃となったのである。

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