休息
私はあの場から離れて三号舎にまで逃げていた。その道中で教員が来てくれて佳奈を回収してくれた。私にも辞めることを勧められたが、ここでやめればBになるだろう。個人的にはAを目指したい。理由としてはAクラスがかなり優遇されているからだ。寮もすごくいいし、勉学も好きなときに行える。単位はあるけど、他のクラスと比べるとかなり少ない。自分の勉強を行うためにもAクラスにならなくてはいけない。でもさっきの戦闘で魔力はほとんど使い果たし、怪我だってかなりのものだ。移動している途中、魔力が回復したそばから自分に回復魔法を使っていたが、それでもまだまだ苦しい。
「あと何時間なんだろ…」
近くの教室に入り時計を確認する。時刻は11:30、始まったのが8:30だったので、三時間が経過したということだろう。残り21時間、耐えるのはかなり大変だろう。ちなみに本編通りなら主人公は12時間経過直前に佐藤麗華、佐藤星輝の娘によって倒される。麗華に関してはそこまで圧倒的な力があるわけではない。どちらかというと技術で差を埋めるようなキャラだ。警戒は必要だがさっきの化け物2人ほどではない。
「ふぅ…徐々に痛みはなくなってきたかな…さてどうしようかな…」
私がそんな独り言を発していた時だった。近くから誰かの足音が響き渡る。その足音は徐々に私のいる教室に近づいてくる。私はすぐに戦えるように扉に身体を向ける。ガラガラっと教室の扉が開く。誰もいない…そして間をおいて一人の女性が突っ込んでくる。一瞬気が緩んだせいで反応が遅れる。相手の蹴りが私の横っ腹を捕らえる。私はそのまま転がる。
いったぁ…まだ回復しきってないのに…また腹を蹴られるなんて…クッソ!
「なんで私がこんな目に合わないといけないのよ!」
氷魔法を展開し、教室の温度を急激に下げる。
「あぁぁ!」
女性はその場で苦しむ。当たり前だ急激に冷やされた空間の中で呼吸をしてしまったんだ。喉はズタズタだろう。私はそれを確認して即座に魔法を解除する。これ以上、魔力の無駄遣いはできない。女性はゆっくりと呼吸を整えようとしている。でもこの状況でそれを許すほど私は甘くはない。すぐに彼女を蹴り飛ばす。そして壁に衝突すると彼女は気絶した。
「はぁ…はぁ…これ以上は戦えない…」
魔力は時間経過で回復するが、場所によって回復する度合いが変わってくる。魔力が上手く循環しているところからすぐに回復するだろう。でも今ここではたくさんの新入生が魔法を使っている。魔力の流れはかなり複雑になっているはずだ。
このままじゃ一時間は身動き取れない…
「さて失礼するよ」
「!!」
私がさっき倒した新入生を回収しに一人の教員が入って来た。私はその人を見て一瞬で誰かが分かった。原作にはこの人物についてこう書かれている。
『その人は女性とも男性とも取れる中性的な顔たち、中性的な声、その口から発せられるその声は他者を安心させる言霊を宿している。その教員の名前は・・・』
『江口凛』




