爆発
下の階に落ちた私たちの目の前には壁ではなく、外が見えていた。
「何が起きて…」
瞬間再び爆発音が響き渡る。
まって…確か奏と哲也の戦闘の被害範囲って…
『外の戦闘は大規模な被害をもたらしていた。グラウンドは全壊、グラウンドに接する1号舎は半壊していた。そこは地獄と形容しても差し支えない光景だった』
私たちがいたのは1号舎のグラウンド側…戦闘の影響を受けたのだろう。そうなると戦闘している場合ではない。すぐにここを離れなければ…
「イタタタ…なんなのぉ?」
佳奈も目を覚ます。ここで彼女と戦う暇はない。生き残ることを考えるのなら逃げるのが最善だ。私が逃げの態勢に入った瞬間だった…横っ腹に激痛が走る。私はその威力に負けて飛ばされる。
勢いを止めないと…
私は即座に風魔法を展開し、なるべく威力を下げていく。十数メートル飛びやっと止まることができた。口からは血が出てくる。内臓に大ダメージが入っている証拠だ。立つのも一苦労だ。そしてその痛みとともにイラつきも湧き上がる。アドレナリンが出ている…
足に魔力を集中させる…でも通常の身体強化じゃだめだ。通常の身体強化をどれだけ一部に集めても人間の限界は超えられない。超えても身体の方が持たない。身体強化は一部じゃない。強化する箇所すべてに一つ一つ強力な強化をする…そして一気に地を…蹴る!
一瞬で元の場所が見えてくる。そしてそこには2人の男女と倒れている佳奈の姿がある。どっちがやったのかは知らないが両方同じようなものだ。
「ぶっ殺す!」
即座に魔法陣を展開。相手はこっちに気づいた。衝突まで0.3秒、魔法陣の展開を最速で終わらせろ…
「蒼炎」
青い炎が辺りを包む。その火力はさっきの焔より高い。
「なんなの…めんどくさい」
「っち!邪魔くせぇ奴が出てきやがったな」
2人は当たり前のように蒼炎を消し去る。だが想定済みだ。相手は作中実力上位の2人だ。この程度じゃダメージすら与えられないことはわかっていた。だからすでに次の行動を取っている。
「我が声は風となり、我が液は水となり、我が熱は火となり、我が肉は土となる。この世は我であり、我は世の理である。我が敵を撃ち殺す。神罰」
無数の光の槍が二人に降り注ぐ。2人は身体強化をして避けていくがその攻撃は収まることを知らない。神罰、光魔法の中でも最上級に含まれる魔法だ。残りの魔力をすべて使ったがこの魔法は今の私が使える魔法の中で唯一あの二人を倒せる可能性がある魔法だ。避けているのがその証拠だろう…でも神罰には発動時間が決まっている。今回は急いで発動させたため、発動時間は5分と言ったところだろう。
「当たるとは思ってない…急がないと…」
私は気絶した佳奈を引きずってその場を逃げ去った。




