雷鳴佳奈vs佐倉望美
佳奈が大量の魔法を発射してくる。私はそれを避けながら隙を探る。
「逃げてばかりじゃ面白くないですよ!」
やっぱりそうか。作者が書いた登場人物詳細情報集の中には雷鳴佳奈のことも書かれていた。
『雷鳴佳奈は雷魔法を得意とする雷鳴家の末っ子として生まれました。佳奈は雷魔法の才能があり、雷鳴家最強と言われるほどの実力者となります。佳奈がその才能に気づく少し前、とある男性と会うこととなります。それは井坂虎狼だった。佳奈は彼と戦闘をしたがその結果は一方的で佳奈はなす術なく倒されました。それから佳奈は彼を目標とし、鍛え続けた。その結果、Aクラスの生徒とも遜色のないほどの力を手に入れた。』
これが佳奈の情報の一部、ちなみに井坂虎狼は花咲奏と同等並の力を持っている。そんな男を目標としていたらそりゃ強くなるよね。そして一番厄介なのは彼女の性格。彼女の性格は戦闘狂。強い相手とは積極的に戦おうとする姿勢だ。だから今この場面から逃げることは難しい。
ならどうするか…一つしかない。あまりやりたくはなかったが…
「魔法付与」
「お!」
魔法付与…通常の魔法とは少し違い、特定の物質に魔力を乗せる魔法だ。私は手に氷の魔力を纏わせる。
「さて、行きますよ」
「そう来なくちゃ!」
再び佳奈は魔法陣を展開し魔法を放ってくる。だが、今までとは違う。さっきまでは避けるしかできなかったが、今の私は魔法付与を使っている。私の手にその魔法が触れた瞬間、氷となり砕け散る。
「おー!まさか一瞬で氷に変えるほどの強度の魔法なんてね」
「降参してもいいんですよ?」
「面白くなってきたところなのにそんなことするわけないでしょ!」
すると佳奈は一気に行動を変えてくる。魔法を展開するのはやめて全力で距離を詰めてくる。そして手に雷魔力で剣を作り出した。
「なるほど…」
私は彼女の距離を取る。魔法は術者本人から離れると強度が落ちる。だからさっきの槍による遠距離攻撃は一瞬で氷にすることができた。でも手に接触しているあの剣となると、流石に一瞬では出来なくなる。
「また焼けるんですか?」
「そんなわけないでしょう!」
私は手を彼女に向ける。すると複数の魔法陣が私の周囲に現れる。
「赤き炎は我が敵を燃やしつくさん…焔」
魔法陣からは大量の炎が彼女を襲う。私は発動後すぐに自分の周りを氷で囲った。
数分が経過したとき私は氷を解く。表面はかなり溶けていた。校内もほとんどが炭になっている。だがその中で一つ、動く人影があった。
「ふぅ…危なかったよ」
「結構火力あったと思うんですけどね…」
「うん、本当に負けるところだったよ。でも私の雷のほうがギリギリ速かったってことだね」
「なるほど…」
彼女は私の攻撃を見た瞬間、即座に雷で壁作り出し私の攻撃を防いだのだ。でもその防御も完璧には防げなかったらしい。ところどころ服が燃えている。私が発動させた焔は火魔法の中でも中級魔法に含まれる魔法だ。それをあの量放たれてその程度で済んでいるだけかなり凄いのだが…
「まさか火魔法まで使ってくるなんてね!貴方は氷魔法特化かと思ってたよ。あの強度の氷魔法付与を使ってたからね。」
「油断禁物ということです」
「そうだね。私が油断してたよ。でももうここからは油断しない…そう言えば貴方の名前を聞いてなかったね。教えてくれないかな?」
「…私は佐倉望美です。」
「佐倉望美…私は雷鳴佳奈です。」
「そうですか。それじゃあ…」
「そうだね…」
私と佳奈が戦闘態勢になった瞬間だった。ドカンと爆音がなり、私たちの地面が崩れ落ちた。
「は!?」
「えぇ!?」




