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神の騎士を契りたい  作者: さばサンバ
ぼくらの一日間戦争編
35/36

第三十五話「みんなみんなさようなら」



…ミカエルの死体を燃やして後を去る。


数時間は歩いただろうか。

「僕は風の神!アイオロスだ!」

空気が竜巻となり姿を現す。「……」

「神である僕を無視するとはいい度胸じゃないか!」

「…お前らのせいで天使は皆死んだ…」…いいから黙れよ

「別にとやかく言うつもりじゃないんだ…

僕たちも人間をたくさん殺したしね…」

「なぁ…もうわか…」「黙れよ」

「0.00001秒の斬撃を飛ばす魔法」「・」

アイオロスの胴体が真っ二つに割れる。

「…だから人間は嫌いなんだよ…」アイオロスは醜い顔で絶命した。

結局、正義の反対はまた別の正義なんだな…

早く戻ろう…




「なんで…」黄泉の国は壊滅的だった。

防護壁が破られてしまっている。きっと、中にいた女子供は皆死んでいるだろう。

「おぉ律!」遠くから声がする。凝視すると、そこには長がいた。

「イザナギの悪感情…中々美味だったぞ!今日は楽しめた!」

一方的に喋ると、長はどこかへ消えてしまった。


イザナギ…?何かあったのだろうか。

…嫌な予感がする。


少し歩くと、人を抱えているイザナギの姿があった。

死んではいないみたいだ。

「イザナギさん!無事で良かったです!」

声を荒げながら駆け寄る。

「…あぁ…?無事に見えると思ってんのか?」

「…え…」手元には首の切られた裸の女性がいた。

「それって…」ごくりと固唾を呑む。

「あぁ…皮肉なもんだよ…僕から戦士だとか言っといて…無様だよな」

もしかしてイザナミなのか…?「冗談ですよね…?」

「はぁ?!冗談なわけあるか?!お前のせいで死んだんだぞ!!」

こちらへこつんと石を投げつける。

「…加勢しろよ馬鹿…」「すみません…」…………

「もう行けよ…やるべきことをやってこい…」「あの」

「なんだよ」「死なないでくださいね…」「………くそが…」


道中にはラファエルの死体があった。

きっと、イザナギが死に物狂いで殺してくれたのだ。

……本当にありがとう。


見晴らしの良い丘へ到着した。「これからどうするか…」

辺りは火に包まれている。きっと、人間は天使に敗北したのだ。


「…全て私のせいです…」

後ろから突如声がする。ガブリエルだ。


「…俺のせいですよ…すみません…」

「…律様はこれからどうするおつもりで…?」

「どうしましょうかね…あはは」乾いた笑いをしてしまう。

「もしよければですが…」申し訳なさそうに口を開く。

「山祇へ行ってみませんか…?」「山祇…?」どこか懐かしい響きだ。

「ペルセポネ様の眠る山です

用事もないなら行くべきかと」ペルセポネって本当に何者なんだ。

記憶に無いだけで、俺の大切な人だったりするのか?


「…することもないので行ってみます…」もう、どうでもいいか。

「分かりました

では地図に目印を付けておきますね。」渡された地図には赤い丸印か付いている。

「微量ながら食料も手配しておきましょう」「…助かります…」



数週間程経過しただろうか。

辺りはすっかり焼け野原。「まだかな…」

今はガブリエルと待ち合わせをしているところだ。

「申し訳ございません!遅れてしまいました!」

空からびゅんとガブリエルが舞い降りる。「これ!微量ながら食料です!」


はぁはぁと吐息が聞こえる。

きっと、ほかの用事をほっぽってまで来てくれたのだろう。

袋の中を覗いてみると、不格好ながらも手作りの料理がたくさん入っていた。

ガブリエルの手作りだろうか。ともあれありがたい。


「ガブリエルさんはどうするつもりで…?」「私は辺りの復興を進めておきます」

「死ぬのはその後にしておきますね」にこりと笑うガブリエル。

「その冗談笑えませんよ…」「…冗談ではありませんよ」

「…そうですか」「えぇ」

「では…行ってきます」「いってらっしゃいませ」


そう短く言葉を交わし、膨大な焼け野原を後にする。

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