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神の騎士を契りたい  作者: さばサンバ
ぼくらの一日間戦争編
34/36

第三十四話「その世界で生きていなくてもいいからさ」

「・ー・・・!」

ここはどこなんだ…先が見えない砂漠。

人が住んでいるとは思えないほど廃れている街。

「・ー・・・・・!」

で…お前は誰なんだ。透明な人間の様な物体がこちらを凝視してくる。


「………あぁぁ…?…ゼウスか!…久しぶりだな」

日本語は話せるようだ。

「当たり前だろう…ゼウス…貴様は我をなんだと思っている…」

あれ?今喋ったか?

「喋っとらん…ここは我の領域だ考えてることは全てお見通しだぞ」

「お前は昔からドジだなぁ」けらけらと懐かしそうに笑っている。

ゼウスって誰だ…?「お前ゼウスじゃないのか?!もしかしてお前の子供か?!」

子供…?よく分かりません…

「むぅ…そうか…力がゼウスに匹敵するものだからもしやと思ったが…」

「ひとまず…ここに呼ばれたのには訳がある」心なしか真剣な様に見える。

「お前死んだぞ」そっかぁ…

「結構あっさりしてるな」まぁ自分の実力不足のせいですし…

やっぱり人間程度天使たちにとっては造作もないのかなぁ。

「もし…もう一度生き返れるとしたらどうする?」

出来ることならそうしたいですよ。「お前にはその資格があるんだよ!」

「お前は自分のことを人間と言ったな?違うんだよ…」

「これは全て運命の巡り合わせだ…さぁどうするんだ!神の手下よ!」

何故か、全てこの人の言うことが腑に落ちる。

透明になれるのも、瞬足で動けるのも全て俺の能力だ。


「生き返らせてください」

「あぁ!もちろんだ!”コレー”を救ってやってくれよ!!」

「そして…もう一つお前に良い報告がある」

「お前…今回初めて死ぬんだよな?」えぇ…


「神に選ばれたものは何でも一つ…願いを叶えられる」

「お前の望むものはなんだ?」


そんなの決まっていることだ。

「俺を強くしてください

これ以上誰も死なない様にしたい」


「あぁ!いいだろうとも!行ってこいよ!運命を変えに!」

はい、行ってきます。「名を授けよう!ハーデス!お前の名はハーデスだ!」




「やぁ」「え?」後ろ姿のミカエルに話しかける。

体の傷も腕も治っている。体も妙に軽い。

「今際の際で言うことはあるか?」「…やっぱり生意気なんですけど~」


槍を構える。ミカエルも同様、手を震わせながらも剣を構える。


全部どうでも良かったんだ


他人事だったから


今理解したよ


腐りきったこの世界は、全て運命って奴の仕業だ。


0.00001秒、誰にも見えない速度でミカエルは

一度きりの運命を動かすチャンスのため剣を振るう。


…おめでとう

槍がミカエルの心臓を一突きにしていた。


「言い残すことは」「ははっ別に無いし~」

精一杯笑顔を取り繕うとしている。痛みでそれも難しいようだが。

「ねぇ…私精一杯やれていたかな~」「しらん」

「ペルセポネちゃん…可愛いんだよ~?知ってる~?」「…しらん」

「ゼウス様の子供でね~妙に賢いんだ~」「…」

「実はペルセポネちゃんに魔法を教えていたこともあるんだよ~?」

「”……あなたたちにもペルセポネちゃんのこと…分かる日が来るよ”」

「私…いつからこんな駄目天使になったんだろうね~」「……」

「もしさ…時の神様に出会ったら言ってよ」

「世界をもう一つ作って…今度こそ彼女を幸せにしてくださいって」「………」

「私はその世界で生きていなくてもいいからさ」涙を流すミカエル。

「じゃあ地獄で待ってるね~」目の光が無くなる。



大嫌いだ、お前らも俺もみんなみんな。

死ねよ…死んでくれよ…

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