第二十八話「悪魔同盟」
「………夢で大天使様にあったからこの扉が出現したんだな」
朝になったあと、イザナギにどうするかと話をしてみると
俺の部屋には大人数の人が押しかけて来た。
今は早朝に会議をしているところだ。
「この扉をどうするかが問題だよなぁ…」
うんと頭を悩ましている
「オレガ!ハイルノハドウデショカ!」
昨日の門番が不慣れな日本語で発する
「…いや…僕が行こう」「え?!私も連れてってよ!」
渋々と立候補するイザナギに、とびかかる様に食いつくイザナミ
「…ここにいる者は死なせたくない
イザナミも天使との戦争ではキーパーソンだ
ここで危険に晒すのも愚策だろう」
コントの様になっているが、やはりここは俺が行くべきなのだろうか
「あのぉ…夢の件もありますし…俺が行くのは…」
「本当か?!それは助かる!!」
その言葉を待ってたと言わんばかりの発言だ
「…だがどっちみち僕も行くよ」
結局俺一人で行くことになるかと思ってたが
やはり天使とは違い人間は人情深い。
「そっか…二人いれば安心だとは思うけど…無理はしないでね…?」
うるうると涙目のイザナミ
「あぁ…必ず帰ってくるからな」
もう行くのだろうか
「僕は無策に扉に入るなんて馬鹿じゃない
一旦しっかりと準備してから臨もう」
「あぁぁ!そうですね!絶対その方が良いです!
あっちには何があるか分からないですしね!」
たまに心を見透かされてるようで怖いよ
槍を持ち服の下に防具を着用。念のため食料も持参してきた
ちなみに、イザナミの手作りだ。
イザナギも同様に防具を着こみ、訓練のときに使用していた剣を持っている。
「緊張しますね…」
今は安全なのに、どこか周囲を警戒してしまう
「落ち着け…僕だって怖いんだぞ…どっちか一人は冷静にならないと…」
二人でガタガタと震える姿を見てイザナミは鼻で笑う
「えぇ~?!律くんとお兄ちゃん怖いの~?!
情けな~い!ぷぷぷ~!」
日本ではこういうのなんて言うんだっけ…
子供のような体格の子が罵倒してくる…
確か語尾がハートマークのぉ…
馬鹿みたいなことを考えているとイザナギは口を震わせながらも開く
「う…うるさい…」
いつもと様子が違い思わず笑ってしまう。
「なんだが二人のコントを見て冷静になれました!
さぁ!行きましょう!」
「コ…コントって…」
嫌がってそうなセリフだが、イザナギは微かに微笑む。
「ふぅ…僕も冷静になれた
ありがとうイザナミ」
少し照れくさそうにしている
「うぅぅ…もう!頑張ってね!いってらっしゃい!」
そう言うと、強引に押され二人は扉の先の世界へ入る。
「ここは…」
困惑の表情を浮かべるイザナギ。
俺だって不思議だ…なんだここ。
おどろおどろしい空、枯れた植物…ここは本当に天国なのか?
しどろもどろと二人で情けなくあわあわしていると
悪魔の目に留まる。
気付かれてしまったのだ。
悪魔は何が何だがという表情をしているが、必死にこちらへ突進をしてくる。
殺すのは簡単だ。だがそれは愚策じゃないのか?
イザナギが手に持っている剣で刺し殺そうとしている。
「待ってください!」
そう、轟く声で発すると
イザナギは即座に悪魔のうなじをチョップし気絶させる。
「今から会うのは悪魔の長です!
ここで手下を殺すのは良い案とは言えないんじゃないでしょうか!」
「そうは言うがな…」
イザナギはゆっくりと上を向く
空中には
ケタケタと笑う数千…いや数万だろうか
悪魔の大群が天使のお迎えの様にこちらへ来ていたのだ。




