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第十七話「栄養失調のてんしちゃん」


~試運転中~



「この車…乗り心地最高ですね!」「そうでしょうそうでしょう!」

ハンドルを握りながら鼻の下を伸ばすアラエル。

すごいな。いつの間にかこんな高価そうな物買っていたのか。

……あ


「…あの…お値段はぁ…?」少し縮こまりながら言葉を発する。


「……金貨六百枚…」ろっぴゃくまい?!

「そんな大金…なんで俺なんかに…」

正直こんな言葉は出したくないのだ。相手に失礼だろう。

「大天使ガブリエル様から聞きました

あなたは特別だと…あの方がそれほど言うと…

私も…あなたが世界を救う様な気がしてしまい……」


視線を正面に向けてぽつぽつと言葉を発していく。


「正直言って…あなたおかしいんですよ

なんで足が生えているんですか?

でも羽がないから天使でも悪魔でもない

…もう可能性は一つしかないんですよ」


「とりあえず!もう行きますか!水は魔法で出しますが

もうお金がないので食料は頑張って狩りでもしてください!」

無理やり話を遮られる。そのまま、何か生活必需品を買うでもなく

一旦槍を取りに戻り、そのまま東へ出発する。

やはり徒歩とは比べ物にならないほど速い。



数時間が経過しただろうか。外が真っ暗だ。



燃料が切れたらアラエルが魔法で出してくれる。

水も出してくれる。大抵のことは魔法でどうにかなるが…

問題は食料だ天界の町で舌が肥えてしまった為

正直ただ焼いた肉を食らうのは味気なく感じてしまう。


更に最低でも年単位で毎日食わなければならないのだ。


野菜不足で栄養失調待ったなしなのだ。

雑草でも食うべきなのか…。

ちなみに、地球の食事は「イメージ」が難しいそうだ。

天使は天界で獲物を捕り、基本地球人に調理を任せているらしい。

他も同様、複雑な構成をしている物は出来ないとか。

例えば銃や機械製品などだ。そんな呑気のことを考えながら

椅子の背もたれを後ろに下げて眠りにつく。

アラエルも同様に背もたれを下げる


「おやすみなさい…律さん」うとうとした目のアラエル

「はい…おやすみなさい…」不思議と一つ車の下なのにどきどきとしない。


なぜだろうか…?そんなことを考えながら瞼を閉じる。





数日経過しただろうか。相変わらず車を走らせる日々だ。


「りつさぁん…」突如涙目になるアラエル

「どうしましたか?運転疲れちゃいましたかね?」

「ごはんあきたぁ…」仕方ないだろう。調味料も何もないのだ。

「我慢してください…俺だって本当はお好み焼きとか食べたいですよ…」

「調味料くらい持ってくればよかったです…」しょぼんとした顔のアラエル。

相変わらずかわいい。


少し遠くに一匹の鹿が優雅に歩いている。

「あ…あそこに鹿がいますよ」車から降りようとする。

「待ってください!」あ、一旦駐車しないとか。

うっかりうっかり。

鹿に猛スピードで突進するアラエルの車。

あのぁ…?何をしてるんでしょうか…?アラエルさん…?

車が鹿に突撃。声にもならない悲鳴で絶命する。

肉や内臓が車に飛び散った。

「ちょっと!何してるんですか!」慌てて止めに入る。

「そうですよ!ナイフがないのなら!

タイヤで轢けばいいんじゃないですか!うおおー!チタタプだー!」

アイヌじゃないんだぞここは!ビタミンが足りていないのか

正常な判断が出来なくなっているようだ。

「ストップ!ストップ!」まずは止めなくては。






夜ご飯はひき肉だった

割とおいしかったです






俺も魔法を使えるようになるべきなのだろうか

もしかしたら野菜を出せるかもしれない

すやすやと寝ているアラエルを起こさぬよう

そっと車の扉を開ける。相変わらず外がきれいだ。

星々が輝き、ここは天界ということを改めて実感させられる「ふん!」

力を入れてみたはものの何も出てこない。

「イメージ」とはなんなのだろうか。明日アラエルにでも聞いてみよう。


車に戻り


そっと瞼を閉じる

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