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第十五話「文字の重さは君の命」



不快だ

あたまがぐるぐる。頭が君の声を駆け巡る。

教えてくれたあの感情。文字の重さは命といっしょ。

背伸びしてばっかりだった。本当は真似ていただけ。

勇逸無二は俺じゃない

どうかどうか…


「……ん…?」目が覚める。ここはどこなんだ。

あたまがかんがえれない…頭が真っ白で、ずきずきと痛む。



「…これは…」埃を被っている枯れた花と手紙が置いてある。

「ゴミか…?」何だこの花…水仙だろうか。

「手紙…俺…何してたんだっけ…」手紙を開く。


「みんな愛しています

もし、あなたの目が覚めたのなら

私の魂を連れて行ってください

ずっと東にある

黄色い水仙の咲く山に」


…?何か重要なことを忘れている気がする。

「…とりあえず起きるか…」枯れた花をゴミ箱に捨てる。



「おうぅにいちゃん起きたのか」「…誰ですか…?」誰だこの人。

「…まぁ覚えられてないのはいいけどよ

あんまり女の子泣かせちゃ駄目だぜ?」「…女の子…?」

「あぁ…数年前だからうろ覚えだが…ペル…セツコ…みたいなやついただろ」

だれだよセツコ…。だが、どうにも懐かしい。

「……まぁ…とりあえず生きていて良かった…朝飯食っていくか?」


「…お金ないです」「…サービスだ」

木の椅子に座る。雑に料理が運ばれてきた。

パンの上に目玉焼きがあり、その隣にお肉がついている。

「本当にいいんですか…?」「お代はセツコにもらったからな…特別だ」


「…ありがとうございます」「おう」

本来必要な言葉は交わさずに、もくもくと食事を喉へ運ぶ。

「…あの」「なんだ」「お金ってどう稼げばいいんですか?」

「ギルドに行け…そこで悪魔討伐の依頼があるはずだ」


朝食を食べ終わる。「何から何まで…ありがとうございます」

「気にするな…次は有料だからな」

相変わらずぶっきらぼうだ。「はい」

宿の扉を開け外に出る。今日は曇りだ。

雨こそ降っていないが、肌寒く世界は俺を祝福してくれてはいないようだ。

…まずはギルドに向かおう「ここか…?」

明らかにほかの建物と作りの気合が違う。

静かに扉を開ける。中には誰もいない。

本当に悪魔討伐なんてあるのか?

カウンターへ近づく。

「・・ー・・…」何か喋っているようだ。

少し歩くと後ろ姿を向けたかわいらしい天使がいる。

「あのぉ…」「すみません…今日は定休日なんですよ」

「そう…ですか…」後ろ姿のまま、ぶっきらぼうに答える天使。

「だれだよペルセツコって…」思わず口から出てしまう

本当に誰なんだ。見ず知らずの俺に。

数年も宿に泊められるほどの大金を用意した人は。


ギルドから出る「ペル…?……もしかして…!」

「…あの!」天使は振り返るが、誰もいなかった。

「私のばかぁぁぁぁぁ…」


「はぁ…」

溜息が出てしまう。

「この水仙の咲く山ってなんなんだろうなぁ…」

ぽつりとつぶやく。今日はどうしようか。

寝る場所もない。

稼ぐ場所もない。

覚えているのは殺しの感触。


「もう山に行ってみようかなぁ」「あの!!!!!!!!」

どこだ?周囲を確認するが誰もいない。再び歩き始める。

「上です!!!!!!」上空を確認すると

物凄いスピードで空から降ってくる天使。

「ふぅ…ふぅ…お…お久しぶりです…!目が覚めたんですね!」

「誰ですか?」「うぅぅぅ…と…とりあえずご飯行きましょう!!」


「天下の台所」へ連れてこられた。なんだか懐かしい。

ことの顛末を話される「なるほど…」

名はアラエルというようだ。正直誰か思い出せない。

ペルセポネという人は俺を助ける為に遠くへ行ってしまったが

それっきり帰ってこなかったらしい。なんだがこころがぽかぽかする。


「それで…俺はどうしたらいいでしょうか…」「あなたはどうしたいんですか?」


「その…ペルセポネさんからもらった手紙があって…」

もじもじと喋る。「黄色い水仙の咲く山にペルセポネさんの魂があるらしく…」

無言のまま、ただ聞くアラエル。「そこへ…行ってみようと思います」

「私も連れて行ってください」突然の申し出に困惑する。


「ペルセポネさんの件に関しては私にも思う所がありました」

「ちょ…ちょっと待ってくださいよ!

俺も何が何だか分からないのに

そんな急に決めないでください!」


「というより

あなたそこの山の名前も詳しい路も

分からないですよね?」

それは…そうだ…


「私を連れて行くしか選択肢はないと思いますけど!」

突如元気に喋るアラエル。不本意だが…仕方ないか…。

「……あなたと行けば…

ペルセポネさんに会えるんですね…?」

「えぇ…約束します」

「わかりました

これからよろしくお願いします」


愛してるなんて手紙じゃ伝わらないよ。

「運命」の日々よさようなら。

君に会いに。

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