第十三話「みんなみんなさようなら」
ひとまず第一章は終わりです。
~ペルセポネ視点~
ここは地獄なのだろうか
体内の臓器が飛び出し涙を浮かべながら絶命しているクロンプス。
脳をむき出し、笑いながら死体を貪り食う律。
わたしのせいだわたしがよわいからまわりをけいかいしていれば。
「ごめんなさい…ごめんなさい」「んー?」
この言葉が律に届いていないのはわかってる。
でも、謝罪の言葉を述べないと私が死んでしまいそう。
「とりあえず…かえらないと…」律の腕を優しく掴み城を後にする。
もうすっかり夜だ。つかれた。
ギルドの扉を開ける
天使たちが畏怖の目で見てくる。当たり前だろう。
脳みそがむき出しの男を連れているのだから。
「あの…」
相変わらず、後ろ姿のアラエルに話しかける。
「お~生きて帰ってこれたんですね?!
ほんとうにほんとうに!すごいですよ!
おつかれさまでした!」後ろ姿のまま話すアラエル。
おねがいおねがいまえをむかないで
「これが約束の金貨500まいで~す!」
ゆっくりと
重い袋を持って前を向く。
ああやめておねがい
「きゃぁぁぁぁ!ば…化け物!
なんてものを連れているんですか!」
やっぱりね。怒りがこみあげてくる。
この人は私の恩人だ。馬鹿にするな。
同時に惨めにも思えてくる。
涙が出てきた。ああぁやめてよぉ。
この男を侮辱しないでよぉ「う…うぅ…」
情けない情けない、私ってこんなんだっけ
「すみません…急の出来事でつい…
なにかあったんですか…?」
コクコクと頷く
「…ひとまずこの人はギルド内にある
休憩スペースに寝かせておいてあげましょう…」
ただ、コクコクと頷く
「…ここじゃ話ずらいでしょう…少し外で待っていてください
良いお店を知っているんです」
少し待っているとフリフリとしている
衣装を着たアラエルが扉を開けて出てくる。
「すみません…遅くなっちゃいました
他の天使さんたちが私の衣服を見るや否や
群がってきてしまい…」
ふふっと笑うが、作り笑顔にしか見えない
私に気を使ってくれてるんだ「いえ…」
本当に私は情けない、今は己の弱さに耐えるため
涙を堪えるのに精一杯だ「では…行きましょうか」
「天下の台所」へ来た。
律との思い出がよみがえるお好み焼きもたこ焼きも
あなたと一緒だったからおいしかった。うぅ…
そういえば自己紹介をしていなかった
「ペルセポネ…」
「…え?」
「名前…」
「あぁ…」口下手で嫌になる。
「なるほど…そんなことが…」ことの顛末を話す。
「…どうしたら…律は戻るの…?」
「私に…聞いてもですよ…」
当たり前だ。一端の天使に聞くのも野暮だろう。
「…そう…ごめんなさいね…」「………」
沈黙が流れる。喋ろうとするも
喉の奥がつっかえて言葉が出ない。
「…………」
……
「……あ」「…?」
アラエルが口を開く。こんな私に嫌気がさしたのだろうか。
「…もしかしたら…律さんの意識を取り戻せるかもしれません」
「何?!それは何?!」
大声を出してしまった。藁にも縋っているようだ。
「ここからずーっとずーっとずーーっとずーーーーーーっと北に
あるウルクという町にいる神様に聞けば…もしかしたら…」
「それは本当なの?!」「…えぇ…その町にいるアヌという方を頼れば…」
なんということだ、今すぐにでも行きたい。
律を助けられるのならどこだろうが行ってやる。
「本当に…ありがとう…」
「ごはん…結構おいしかったですね」
「えぇ…ごめんなさい…奢られてしまって…」「いいんですよ!それくらい!」
ほんとうに、とてもいい子だ
過去の行動が罪悪感を襲う
なんであのとき不愛想にしたんだろう
「…そういえば…あなた…何故ウルクやアヌ様のことを知っていたの?」
「天使…だからですよ!」見事なウィンクをするアラエル。
ひとまず、律と宿へ戻ってきた
これからどうしようか。私一人で行ってしまうと
律が衰弱死してしまう…うーん…
「あ…」「おじさん!」
宿の店主に話しかける。
「…ああぁ?なんだよ…いきなり」
突然の出来事にびくりと体を震わせているのが分かる。悪いことをしたな。
金貨500枚をすべて差し出す。
「全てあげる!だから!律の面倒全て見て!!」
店主は何が何だか分かっていない様子だ。「な…なんだよいきなり…」
「おねがい!」涙目で懇願する
「…わかったよ…よくわからないが
それほど重要なことなんだろうな」
金貨の入った袋を乱暴に取る「任せな」
「…!ほんとうに…ありがとう!」
これでもういつでも旅に行ける
あとは……あ…そうだ
律が目覚めたとき誰もいないと不安だろう。手紙を書こう。
早朝に目が覚める
「行ってきますあなたのことを愛しています」
水仙の花をそっと乗せる。
第二章へ続きます




