同棲初日にアレしてみた
ささっと思い付きで書いた、気軽に読める、アレな話です。
今日からオレとアリーナは同棲を始める。
もともと二人とも寮暮らしだが、オレの部屋にアリーナが引っ越してくる形の同棲だ。
といっても、学校として寮での同棲が認められているわけではなく、あくまで秘密裏に、二人の間だけで成立する同棲、ということになる。
もともと同棲したい、と言い始めたのはアリーナの方からだ。
同級生たちの中には、恋人同士でこっそり同棲している者が割と多いのは確かだ。
確かなのだが、オレは反対した。
さすがにそれはない。無理だ、と。
「どうして! 別にいいじゃない。
私たち仲良しだしさ、夜にブルーノと、初めてアレしたいって思ってたんだよね!」
「いや、そういうこというもんじゃないよ、アリーナ。それは無理な話だよ。
わかってる?
オレたち、別に付き合ってるわけでもないからね?」
「ぶー、別に付き合ってなくたって、ちょっと一緒に住むくらいいいじゃない!
先週マイクはブルーノの部屋に泊まったって言ってたよ!」
「あのね、マイクは男。アリーナは女の子だろ?
付き合ってもいない女の子と同棲なんて、そういうことにはかなり緩いこの学校でも聞いたことないよ。
ましてや、初めて・・・アレって、とんでもないよ。」
そりゃ、男としては、そんなの夢みたいな話ではある。
据え膳食わぬは・・・ってこともあろうさ。
だけどオレは、理性の男。そんな無茶な話には付き合えない。
と、言い続けて三日。アリーナは折れなかった。
「同棲したい同棲したい同棲したい。してくれないなら今日は帰らない。泊まる。」
こんな始末。
オレの理性はあっさり折れた。
「そんなに言うなら仕方ないけどさ・・・、アリーナ、彼氏とかいないの?」
「彼氏? そんなのいないよ。興味ないし。」
そっか・・・。興味ないのか。興味ないのにオレとは同棲したいのか。そっか・・・。
いや、どういう意味かはわからない。わからないよ?
でも、ちょっとはね、そりゃね。
ちらりとアリーナを見ると、目の前にはあまりにも魅力的なアリーナの胸が迫っていた。
「え? え? 何してるの?」
「え? ああ、ブルーノの後ろのベッド、私も入るかなって気になってみてた。」
「あ、ああ、ベッドね。」
いや、ベッド!? もうそこ気にするの?
「い、一緒に寝る気?」
「そりゃね。ほかに寝る場所ないでしょ?」
そう、そうだよね。そっかー。
ちなみにアリーナは、学校でもかなり人気の高い女の子で、本来オレがどうこうという相手ではない。
たまたま同じ魔法科で、趣味が近かったおかげで仲良くなり、気が付けば今の関係になっていた。
スタイル抜群で、欲情を駆り立てられるしかない胸のふくらみはどう見てもかなりのサイズ、多くの男どもが夢見ては敗れていったはずだ。
そんな奇跡の女神が今オレの目の前にいる。
そして、ついにやってきた、同棲初日。
アリーナの荷物はそう多くはない。
元の寮の部屋もそのまま残っているので、必要最低限さえ持ってくればいいからだ。
「じゃあ私、先にお風呂入っちゃうね!」
時間はすでに夜。
うきうきとテンション高いアリーナ。
「お、おう。ごゆっくりどうぞ。」
緊張しすぎてほぼ動いていないオレ。
これって、あれかな、やっぱり今のうちに一度前もって、とかしておくのがセオリーなのかな!?
その方が長持ちするし?
いやでも、アリーナがそれが目的なら、元気爆発の状態を維持してたほうがいいのか?
よくわからん・・・。
わからない男がわからないままあれこれ考えても何も結論は出ない。
結果、オレは引き続き、山の如く、動かなかった。
そうか、今アリーナはお風呂・・・全裸か・・・。
いや、まずい、もう!? 早すぎるぞオレ、ちょっと落ち着け。
「お待たせー。ブルーノもどうぞー。ちゃんとお風呂入らないと楽しめないもんね!」
えっ、楽しむの? 何を? でもお風呂入らないとってことは? あああ!
「あ、うん、さっさと入ってくる。」
風呂上がり。欲情を洗い流せなかったオレは、引き続き悶々としたまま、アリーナと二人でベッドの上にいた。
「じゃあ・・・あかり消すね。」
アリーナは自ら部屋のあかりを消した。これってもう、アレだよね。間違いないよね?
同棲だってしてるわけだし!
同棲初日だけど!
「ブルーノ、はじめよっか」
風呂上がりのアリーナはいつも以上に艶っぽく、心なしかいい匂いもする気がする。
目はうるんでいて、今から始まることに対する期待に満ちている。
オレも男だ。いくしかない! 理性? そんなものはとうに捨ててきた!
「アリーナ!」
オレはアリーナに覆いかぶさり、迷わず唇を奪った。
「え? ・・・ええ?」
そのまま、有無を言わさずアリーナの服をはぎ取り・・・。
そこには、生まれたままの姿のアリーナ。恥じらいと戸惑い。
オレは全力の欲望をアリーナにぶつけた。
そして・・・。
そして、夜が明けた・・・。
「ブルーノ、起きた?」
「あ・・・おはよう。」
一糸まとわぬアリーナがそこにはいた。夢ではなかった。
「アリーナ!」
「え? え? えええ?」
朝から興奮全開のオレは、さっそくアリーナと一つになる。
「あのね・・・ブルーノ、私さ、全然そんなつもりじゃなかったんだよ?
びっくりしちゃった。だって私たち、別に付き合ってるわけじゃないよね?」
「え・・・? え!?」
すべてが終わった後で、アリーナは語った。
「私たちさ、心霊話好きじゃない? だから、新作の心霊話をたくさん仕入れててさ、同棲して、ブルーノと夜、はじめて楽しもうと思ってただけだったんだ。」
「・・・。」
「それがなんか、こんな形になっちゃってさ。びっくりしたけど・・・でも、いいよ。」
「え、いいの?」
「うん・・・気持ちよかったし・・・。ね、もう一回、しよ?」
これをきっかけに、私のほかの作品も読んでいただけると嬉しいです!
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