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17 宴


 ちょっとだけくたびれた感じの冒険者ギルドで、


 大広間に集まってくれたみかん農家の皆さんと、


 わいわい準備してからの大宴会。



 みかんの他にも、試験栽培中の各種果物や、採れたての魚料理まで。


 この辺りの海は潮の流れがキツすぎて漁は難しいって聞いてたんだけど、頑張ってくれたんだね。



 ヨシッ、こういう時は、全力で宴会を楽しむのが感謝のしるしってもんだろ。


 それでは、いただきますっ。


 

 ---



 宴もたけなわ、皆さんお酒もまわってきたようで、


 かなーり盛り上がっております。


 俺は、ちゃんとお酒をセーブ出来るおっさんですから。



 酒は飲んでも飲まれるなって言うけどさ、


 実際に手酷くやらかしちゃった人じゃなきゃ理解出来ないよね、あの言葉が真理だって。


 ホント、いろいろあったんだよな、俺……




 農家の皆さんは、みんな気持ちのいい人たちばかりです。


 召喚者さんと頑張ってきた苦労話も、


 しんみりとではなく、豪快に笑い飛ばしながらですよ。



 この活気があれば、この町は大丈夫だよね。




「実は、この町の住人だけでは如何ともしがたい深刻な問題があるのです」


 おっと、キルミネウスさんが宴会の席にそぐわない真剣な表情ですよ。


 何ごとですか?



「嫁不足だけは、どうにもこうにも……」


 あー、そればっかりは、どんなに凄い勇者様でも解決は難しいですね。



「つきましては、マーリエラさんのご友人の方々を、是非ご紹介していただきたく……」


 えーと、マジで切実みたいですね、


 結果はどうなるか分かりませんが、まずはお願いしてみましょうか。


 どれ、肝心のマーリエラさんは……




 おっと、マズイぞ、コレ、


 静かにお怒りモードのマーリエラさんの前に、


 ガタイのいい農家の兄ちゃんたちが、


 そろって正座させられておりますよっ。



 あー、どうやら酒に飲まれちゃった若い衆が、


 酔った勢いのままのアレなノリで、マーリエラさんに果敢にアタックしたようで。


 いや、無謀に突貫、だな。



 酒のチカラを借りてってのはアリかも知れないけど、


 そもそも酒に飲まれた状態じゃアウトでしょ。



 で、集団お見合いならぬ、集団説教状態、と。


 これどうしましょ、キルミネウスさん。



「あれくらい逞しい女性なら……」


 あかん、流石のキルミネウスさんも今はアレだね。


 飲んでも飲まれるな、ですよ、ホント。



 えーと、日を改めてってことで、どうです?


 ちなみに、マーリエラさんの同僚のお姉さまたちは、


 もっとスゴいらしいですよ、その、いろいろと。



「…………」



 おや、キルミネウスさんが何やら遠い目を……


 これはそっとしておいてあげるのが、男心の妙ってもんですよ。



 うん、まずは、あっちの惨状をなんとかせにゃならんでしょ。


 若い衆のトラウマにならなきゃいいんだけど……



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