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10 問題


 あまり整備が行き届いていない街道の、少々くたびれた雰囲気の集落で、お昼休憩中。


 残念ながら、飯屋さんでの昼食も、微妙。



 どうします、マーリエラさん。


 ここはこんな感じですし、お泊まり無しで進んじゃいます?



「急ぐ旅では無いのですが、楽しい旅でありたいです」

「先に進めば、ここでは得られない、ふたり旅のサポートに必要な何かがあるのかもしれませんね」


 はい、お嬢様の仰せのままに。



「お嬢様より、奥様になりたいです……」


 素敵な新妻目指して、日々精進ですよ。



「いじわる……」



 ---



 必要な消耗品だけ購入したら、ふたり旅再開。


 たまに通る馬車は、俺の広範囲『鑑定』で早めにチェック。


 東に向かう馬車に乗せてもらえないか、ちょっとだけ期待してるんだけど、


 なんだかみんな雰囲気が微妙で、乗せてもらうために声掛けするのを躊躇させられるよ。




「実は、東のガルグリスタ王国には少々問題あり、との情報が届いております」

「今の王家の方々と国民との関係に難あり、だそうです」


 あらま、大丈夫なのですか、そんなとこに向かっても。



「ガルグリスタ王国は、長く戦乱とは無縁の、勤勉で穏やかな気質の国民に支えられ栄えてきた国」

「ですが、新しい王妃とその娘たちが、優柔不断な王を操りやりたい放題なのだとか」


 うわっ、ヤバそう。



「エルサニアのハルシェリカ女王に心酔している王妃たちが、ガルグリスタの伝統を蔑ろにして、ことあるごとにエルサニア様式を強要しているそうです」

「伝統を守ろうとする軍部との軋轢の噂も……」


 内乱の可能性がある危険な国なんかに、マーリエラさんを連れて行きたくないですよ。



「旧王妃派と呼ばれている方々が執政に携わっている限りは、今すぐどうこうということは無い」

「というのが司法省上層部の見解です」

「国民にも今の王家への不満の声はあるようですが、基本的には争いごとを好まない国民気質ですので、国内が過度に荒れているということも無いそうです」


 なるほど、いつものノリで観光ぶらり旅するくらいなら平気ってことですね。


 もちろん、王家のゴタゴタなんていう揉め事には、絶対に巻き込まれないようにしないと。


 気を引き締めながら、俺たちなりに旅を楽しみましょう。



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