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01 逃亡


 時系列的にはリヴァイス01の数年前。


『リヴァイス 83 おっさん召喚者とさざなみ十丈なぶらり旅』の続きで、


 召喚者ノアルのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。




 こんにちは、ノアルです。


 いい歳して異世界で冒険者してるおっさんです。



 あっちの世界にいる同級生たちは、そろそろ子供が反抗期で苦労してるだろうな、なんて最近は考えたりするわけで。


 でもさ、養う家族がいるってことは、おっさんが頑張って生きてきた証しなんだから、諸々全部ひっくるめてご褒美だと思うよ。




「要約すると"今すぐに子供が欲しい"で、合ってます?」


 いえ、何度でも言いますが、その件は保留ですよ、マーリエラさん。


 ってか、早いとこ例の通信魔導具で司法省にヘルプ要請してほしいのですが。



「申し訳ありませんが、ここにはありません」

「この状況は、私たちふたりで何とかしませんと」


 ……マジですか。


 現実逃避してる場合じゃないぞ、俺。



 ーーー



 エルサニア王国の南端にある国境の街オーバンに滞在していた俺たち、


 召喚者で冒険者の俺ノアルと、パートナーで監視役の特務司法官マーリエラさん。


 いろいろありましたが、次に目指したのは隣国キルヴァニア王国にある謎の古代遺跡。



 キルヴァニア王都へ向かう行商人の幌馬車に上手いこと便乗出来た俺たちだけど、


 道中の街道で明らかに俺たち狙いの衛兵隊に囲まれ、


 大人しく捕まるのも殺し合いするのも嫌だったので、


 上手いこと逃げ回って街道沿いの森に逃れて、


 今はマーリエラさんとふたりで身を寄せ合って潜伏中。



 状況説明、以上。




「冷静ですね、ノアルさん」

「私は、こういう突発的な厄介事への対応には慣れておりませんので……」


 ついさっきまでは冷静でいられたのですが、救援要請の連絡手段が無いと聞いて、かなりテンパってます。


 今は俺の広範囲『鑑定』で、なんとか見つからずに済んでますが、これからどうしましょ。



「その能力で潜伏しながらエルサニア帰還を目指す、でしょうか」

「無事に戻ることが出来たら、調査すべきことがたくさんありますし」


 例えば?



「私たちの旅の行程を衛兵隊にリークしたのは誰か」

「今回の旅、私が連絡したのはそれぞれの国の司法省の担当者のみ」

「つまり、緊急内部監査が必要な事態の可能性大、ですね」


「そして、衛兵隊に私たちの捕縛を命令したのは誰か」

「衛兵隊の命令系統の、どの段階からの捕縛指令なのか」

「それを突き詰めると、この国のトップのキルヴァニア王家に行き着くかもしれませんが……」


「最後に、司法省キルヴァニア支部からの救援が無いのは何故か」

「支部の方でこの事態を把握していることは間違いありませんが、ご存知の通り、全く動きがありません」

「情報を黙殺しているのが、支部構成員の一部なのか、それとも組織ぐるみなのか」

「場合によっては、巡回司法省エルサニア本部とキルヴァニア支部との全面的な……」



 ふむ、何にせよ、とっととキルヴァニアを脱出せにゃならんってことですな。



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