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番外編10 穂編 0.0000000000001%

は?昨日、掲載は9時前後って書いてなかった?と思った人、すいません。寝坊です。


穂編です。彼女はとってもいい奴です。友達に欲しいです。

夏と言ったら海!夏と言ったら花火!夏と言ったら…思い出作り!

と、言うわけで俺達リョウグループ+朱里と美鈴で海に来ていた。

予定も強引に合わせて。(タカを無理矢理つれてきた)


「海と言ったら何だ?!ゲーム!!」


「却下」


「うわん!ひどい!」


いつものようにテンションが無駄に高い仁を俺は切り捨てておいた。

だがこいつは何とかしなければいけない。なぜなら目が血走るからだ。

特に水着の女性を見るときは。


「で、もうすぐ女子達が水着を着てくるのだが」


タカがそう言うが、こいつの目的は奏だろう。このロリコンめ。


「朱里ちゃんの水着姿が見れるってことっすね!!」


「仁、お前をバーベキューしてやろう」


「リョウのシスコンさは怖すぎるっ!」


仁が本気で怯え始めた。すまんな。結構マジだったんだ。


「でもお前はどうして穂を恋愛対象にしないんだ?スタイルいいだろ?」


「リョウ、お前はあいつを女として見れるか?」


「それを言われたら何も言えん」


こいつら二人は幼馴染だ。俺のように初恋を味わったりしないのだろうか。

一応穂はスタイルがいいし、仁好みのはずなのだが。


「それにあんな女らしさの欠片もない奴はこっちからおことわ…おわっ!!」


「仁〜?な・に・か・言ったかな〜?」


いつの間にか俺達の後ろにビキニ姿の穂が立っていた。

スタイルの良さに見とれている暇など無さそうだ。


「何でいる?!お前着替えるの早す…うごわっ!」


仁は思いっきりハイキックを食らった。

※実際のハイキックは相当危険です。普通に骨壊れます。


「馬鹿ね」


「あ」


そしていつの間にか奏、朱里、美鈴もいた。


「に、兄さん…似合うでしょうか?」


朱里が恥ずかしそうに俺に水着姿を見せてくる。

つうか俺も恥ずかしくなるから止めい。


「ま、まあな。そりゃ朱里は素材がいいからな…」


「あ、ありがとうございます…」


「おおおう!相変わらずのシスコンっぷりですな〜!」


そしてからかうように穂が俺に抱きついてくる。

つまりそのやわらかい感触を直に俺は感じるわけで。


「は、離れろ!」


「おおっ!何だかんだいって初心だのう。純粋だのう!」


「おい!」


俺の反応を楽しむためにからかってきやがる。しかも親父くさい…

わざと押し付けられた胸でも興奮するのは男の性ですか…


「お兄ちゃんの変態」


「兄さんの馬鹿」


「俺は悪くないぞ?!」


揃って非難する妹達に自己弁護を行なってみる。

というか本当に悪くないんだけどな…


「審判は仁でビーチバレーしない?」


「ひどいぞ穂!」


仁が穂に言い返す。この二人は本当に仲がいいな。


「何言ってんのよ。水着の女の子見放題じゃない〜」


「そ、そういうことか!サンキュ穂!!」


仁、お前ってどんだけ単純で変態なんだ。


「チーム分けはどうするの?」


奏が訊く。


「じゃあ俺とタカは別れるか」


「そうだな」


男二人で分かれて、後はどうするべきか。


「じゃ、じゃあ私は兄さんと!」


「あ、アタシも〜!」


朱里と美鈴が同時に俺の方へ来る。


「ふ〜ん。じゃあ穂。私達はタカのチームね」


「絶対に負けないんだから!!」


穂は妙に気合を入れた。奏はあんまりやる気がないみたいだ。


「さあ出るかポロリ…」


「仁、お前は自重しろ」


先ほどから、血走った目で女性の水着姿を見ている仁を諌める。

放っておくと本当に犯罪をしかねない。


「へっへっへ…俺の性欲を満たさせろ〜」


「なあみんな。こいつ警察に突き出して良いか?」


「うわあ!!今のは冗談だよ!冗談!」


仁が慌て始める。

すまないが、冗談には見えなかったんだ。仁だから。

そしてビーチバレーが始まり、俺達は存分に楽しんだ。



















「ようし!次は泳ぎだ泳ぎ!!」


目を血走らせながら仁が叫ぶ。


「お前はまず目を何とかしろ。目を」


俺は心の中で静かにため息を吐いた。

何でこいつはこんなにキモイんだよ…


「私はパスするわ」


「アタシも〜」


「すいません。私もです」


奏と美鈴、朱里がパスを選択した。

もう結構疲れてしまったのだろう。


「っふ。みんなだらしが無いわね〜。まぁリョウも、もうダリ〜とか言うんでしょうねぇ〜」


「すまん。俺、結構体力馬鹿になってるぞ」


日ごろの鍛えの成果か、まだ余力が残っていた。


「んな…!!私の知ってるリョウはどこに…?!」


「…」


何故か穂が大げさにショックを受けて見せていた。

というかいちいち俺の周りの奴は発言が保護者くさい。


「俺も悪いがパス」


タカもパスを選択した。


「奏がパスしているからか」


「…ノーコメントだ」


このバカップルめ。

俺は心の中で小さく呟いた。


「じゃあ俺と仁と穂で向こうの岸まで競走するか?」


「おおっ!!今日のリョウはノリがいいわね〜!」


穂が「うっしっし〜」と言うような感じで笑う。

ものすごく気分がいいようだ。


「ふっ。甘いなお前ら。俺様の泳ぎに酔いな」


「いや、お前は最下位。キャラ的に」


「何だよ!キャラ的にって!!」


仁が噛み付く。まあすぐ噛み付くのは弱い証拠だと思うんだが。

しかし、「物語的」には重要なキャラクターだ。


「ま、まあお前らは俺様の…」


「じゃあヨーイスタート!!」


「ってオイ!!最後まで聞いてくれよぉ!!」


俺と穂は仁の情けない叫び声を背中に聞きながらスタートした。

勝負はすでに始まっていたのだよ。フハハハハ。って俺は何キャラだよ。


「くっ!案外早いわね」


穂がそう言葉を漏らす。

俺も自分の予想以上のスピードにびっくりした。

ちなみに仁はスタート直後に足を攣ってリタイヤ。


「負けるかっ!」


俺達は二人とも凄まじいスピードで泳いで行った。

正直ここまで火が点くと思わなかった。

だからそれが大変な事態を生むとは予想しなかったのだ。





















「はぁはぁ…」


「やるわね…」


「お前もな」


俺達は向こう岸について少し休みを入れた。

結局往路は引き分けのため、復路が本当の勝負になっているのだ。


「くっそ〜。こんなに胸が大きくなけりゃ、ねぇ?」


そう言って自分の胸を上げて俺に見せてくる穂。


「そ、そういうことを恥ずかしげも無くするな!」


「何〜?アンタだってビデオや雑誌じゃそれ以上のもの見てるでしょう?」


穂がニヤニヤ笑いを見せてくる。

こいつやっぱり恥じらいがねえ。


「それよりそろそろ…ん?」


俺の腕に水滴が当たった。


「どうしたの?」


穂が不思議そうに俺を見る。


「空が…ヤバイ!」


「え?ちょっ!」


俺達は曇天の空を見上げる。

しかもさっきのが雨だとしたら…


「早く戻るぞ!」


しかし、そう言った直後、雨が堰を切ったように降り始めた。


「んな?!梅雨はもう終ったんじゃないのかよ?!」


「ど、どうしよう…」


穂が珍しく不安そうな顔をする。

この雨の中、海に出たらどうなる?

海は荒れるだろ?俺達は…藻屑?!


「これって前にも後ろにも引けないってことじゃないか?!」


俺が少し悲痛に叫ぶ。


「とりあえず…海辺から離れない?」


「そうだな…」


俺と穂は雨が止むまでこの謎の島にいることにした。


「水着だから携帯も持ってねえよ…」


「でも中々帰ってこないとさすがに奏たちも気づくわよ」


「そうだな…」


あいつらが頼みの綱だ。俺達はあいつらを信用している。

だから絶対に助かるが…


「へっくしゅ!」


「…随分と可愛いくしゃみだな」


穂が小さくくしゃみをした。


「失礼よ。そういうの。へっくしゅっ!」


「…」


現実的な問題が出来そうだ。


「火を起こせるものでも探してこようか?」


「いい。傍にいて」


「あ、ああ…」


このときの穂は妙に儚かった。

一人にしてしまったら消えてしまいそうだ。


「ちょっとだけ体寄せるよ?」


「あ、ああ…」


穂が俺にピタリとくっついた。ちょっとじゃない。

だが俺は穂の体が冷えていることが分かった。


「こんなアタシ、誰にも言わないでよ…」


「…ああ」


自分の弱さを見せるのが嫌いな穂らしい発言だ。

こいつが明るいのは寂しがりを隠すためなのか?


「昔にもね、こういうことしてくれた人がいるんだ」


穂が昔の話をするようだ。


「アタシってね、昔は人見知りが激しくて、ずっと一人だったの」


「…」


今の穂とは大違いだな。


「その頃、アタシは誰とも遊ばなかったんだよ?でもね、一人だけいたんだ。話しかけてきてくれた男の子が」


「…」


俺は何も言わず、ただジッとして穂の話を聞いていた。


「ふふ。でもね、初めはアタシ、その子のこと相手にしなかったんだ」


「そうか」


俺にこういうことを話さなきゃいけないくらい弱っているのだ。

だから俺はきちんと穂の話を聞かなくちゃいけない。


「でもある日ね、外が大雨になっちゃって、家に帰れなくなったときがあるんだ。しかも帰り道よ!もう本当にあれは最悪だったわ。仕方ないから公園の滑り台の下で雨宿りしてたの」


公園とは俺が初めて彩華と出会った公園かもしれない。


「みんな見て見ぬフリしてた。そりゃそうよ。別に友達でも無いんだから!」


穂が少し怒る。これは昔の自分に対してなのかどうか、俺には良く分からなかった。


「でもね、例の男の子がね、アタシに傘を差し出したの」


「…」


「今となってはただの思い出なんだけど、それを思い出しちゃってね…」


「お前はその男の子を好きになったのか?」


「どうだろうね。そうかもしれない」


穂が首を少し捻った。


「でもね、感謝はしてる。そのおかげでアタシは一人ぼっちから抜け出せたんだ」


「そっか…」


「アンタにこういう話するなんてどうかしてるね」


「本当にな…」


今まで昔の話をしなかった奴今、その話をするなんて本当にどうかしている。


「それで…その男の子は今でも好きなのか?」


「まさか。中学になったら妙に変態になっちゃってね。恋は冷めたわ」


「そうか。でもお前にとっては大事なことには変わりないんだな」


「…リョウってこういうとき妙に格好いいんだよね。ずるいよね〜」


穂が少し頬を膨らませて言う。


「はぁ…ま、私にとっては今の生活に文句は無いし、いいんだけどね〜」


「何の話だ」


「私達5人、いや、朱里ちゃんも美鈴ちゃんも入れて7人。ずっと友達でいようね?」


「当たり前だ」


こいつが何を考えてこういうことを言ったのかは分からない。

でもこれだけは知ってる。

穂は自分よりも友達を優先にする奴だ。

だからこいつは誰よりも明るく、友達思いなのだろう。


「おーい!リョウ!穂!!」


「お、来たぞ」


雨の中、仁たちがボートに乗って来た。

係員も一緒にいるので、きちんと呼んでくれたのだろう。


「やっぱり持つべきものは友達だな」


「そうね。それと…0.0000000000001%は言い過ぎたわ。大まけにして、0.1%にするわ」


「何のことだ?」


俺にはさっぱり分からない。

時々こいつも訳の分からないことを言うなぁ…


「兄さん!」


朱里が俺の元にやってきた。


「朱里。みんな、悪かったな心配かけて」


俺は来てくれたみんなを見渡した。


「やっぱみんな!最高の友達だぁ!!」


穂がそう言ってみんなの方に駆け寄る。

その笑顔はやっぱり誰よりも輝いていた。



次回とうとう最終掲載!

もちろん朱里編。思えば、朱里って他にもかなり出ていましたね。

ダメだ!朱里の出番が減らせんっ!!

まあいいです。

ちなみに朱里編は「未来編」です。

あ、ネタバレかな?

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