ちょっとづつ
川辺で焚き火をして、焼き魚をお腹いっぱい食べて、食後はみんなで手分けして洗濯をして木にロープを張り洗濯物を干す。
洗濯物が終わったらまた水遊び。
なんだか昔テレビで見たアウトドア生活をしてる大家族のような過ごし方。
夕食はまた焼き魚が食べたい!という子供達のリクエストに答えようと思い、魚の確保はお願いして私とマイラーは先に村へと戻った。
「こうしてみんなでまた遊べる日が来ると思わなかった…」
乾いた洗濯物を持ちながら村までの道程を歩いていれば、マイラーがポツリと呟く。
今日遊んでいた子達もオースチンもみんな昨日までは高熱に魘されていた。
それがすっかり元気になりはしゃいでいるのだ。
「本当にユキナには感謝しかないよ。」
「…私は感謝されるような事は何もしてないよ。」
「またそんな事言ってる!私は、いや、私達はユキナがなんと言おうとユキナは村を救ってくれた神様だと思ってるから!」
真っ直ぐな瞳を向けられ、ストレートに言われた言葉に恥ずかしくなる。
素直じゃない日本人の私には、ニャルガ族の素直さは照れくさいのだ。
顔が真っ赤になってる気がして乾きたての洗濯物に顔を埋めた。
村に戻れば、病気が祓われても長期間寝たきりですぐには動けなかった人達も体力的に回復したようで村には活気が出てきていた。
「あ、ユキナ!」
村の男衆が私を取り囲み、朝もらった紙を引きちぎってしまった、と1人が報告してきた。
紙とはログハウスの設計図と見本となりそうなカタログの切れ端。
アウトドアショップやホームセンターで配布しているカタログに載っていたログハウスを作れないか、と朝、家造りが得意だ!と言っていた人達に設計図と見本を渡してみたのだ。
「また書いてあげるよ、出来そう?」
「やってみるさ!」
家造りが得意だと言うが、よくよく聞けば野生か?とツッコミをいれたくなるもので葉と枝で作った家で小一時間みっちり家とは何ぞという説教をした。
それでまぁ、本人達は初めての家造りをやる気満々なのだが気質が大雑把なので「俺にも見せろ!」「俺のがわかりやすくできる!」と言い合いが始まってしまい、奪い合った結果、設計図を破いてしまったのだと言う。
大の大人達がシュン…としているのはなんだか面白い。
「頑張ってお家つくろ!ね?」
そう言えば、寂しげに伏せられていた耳はピンと立ち、「おう!!!」と気合十分に返事が返ってきた。




