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神様、仏様の言うとおり!  作者: 浅井壱花
はじまりのはじまり
12/44

ステータス

とりあえず一緒に行動する。という方針が決まり、どこを目指そうか?と話していた時に白狐が少し真面目な眼をこちらに向けてきた。


『おい、人の子。お主の名はなんと言う?』


「幸菜…だけど、どうしたの?急に。」


このまま偉そうな態度を貫くタイプかと思い、自己紹介とかは敢えてしなくても良いや。と私の中で勝手に決め付けていたせいで名前を聞かれた事に少し驚いてしまった。


『人の子、では些か呼びにくかろう。ユキナ』


まぁ、そんなもんなのかな?

人とある程度距離を置く生活をしていたせいで、私の”普通”の感覚がバグってしまっているようだ。

自分から一緒に居ようと誘っておいて相手に興味を持たないというのも失礼な話だろう。

とりあえず「あなたの名前は?」と聞き返せば、キョトンとしたような顔をされ『阿呆か?』と言われた。


『吾に名はない。神の使いではあるが、個別に名を呼ばれることがない故、神獣は個体名を持たぬ。』


「へぇー。そうなんだ…って!知らないしっ!!それでアホって言われるとかひどくない?!」


私をちょっと小馬鹿にする感じに接してくるこの白狐。

私の事を呼び捨てにするのに、私は「あなた」呼びって私の方が不便じゃん。

そう不満を漏らせば、白狐は困ったように耳を伏せそっぽを向いてしまった。


「…ポチ。ポチって呼ぶ。」


『はぁ?!なんだその犬っころのような名は!そんなの吾は認めんぞ。』


「じゃあ何がいいの?かっちょ良い名前?スイーツ系の可愛い名前?候補あげるから自分で選んでよ!じゃなきゃポチに決定する!」


『うぐっ…』


そう言って車の中から紙とボールペンを持ってきて、頭の中の「犬を飼ったら付けたかった名前ランキング」のトップ10を書き出していく。


ココア

ちゃちゃまる

マロン

ティアラ

しば丸

もも

ソラ

サクラ

コタロウ

ヤマト


以上を書き出し、どれが良い?と聞けば、ジト目で私と紙を交互に見やり、私が引く気がない様子をみて『…コタロウ』とボソボソと呟いている。


ほうほう。コタロウくんか。

可愛いじゃないかー。


ものすごく不満そうな白狐改め、コタロウをニヤニヤと見ればフンッのまたそっぽを向かれた。


「コタロウ!これからよろしくね!」


えへへー、と笑いながら私がコタロウの名を呼んだ瞬間に、私とコタロウから光の粒子のようなものに包まれた。


『な、なんだ?!』

「なにこれ?!!」


訳が分からずにお互いに叫ぶが、その光の粒子はパァッと光り私とコタロウの中に消えていった。


そして、ブゥンと言う音を立てて目の前に半透明なモニターが映し出された。

ゲームの中のステータス画面のようなソレにコタロウは尾を逆立て威嚇しているが、私が手を伸ばしモニターに触れれば真っ黒かった画面が明るくなり文字が浮かんでくる。



---------------------

個体名:ユキナ カサイ /種族:人間/年齢:27

職業:召喚術士/Lv.1

【スキル】

御朱印召喚

【バフ】

金運上昇ex、幸運上昇ex、学力上昇ex、健康運上昇ex、家内安全ex、交通安全ex、勝負運上昇ex、商売繁盛、厄除け(未知数)、子宝(授与のみ)恋愛運(極小)

---------------------


なんだこれ。


恋愛運(極小)って。


縁結びだって巡り巡って、養ってくれる素敵なダーリンを全国の神様にお願いしてきたんだぞ…。

子宝も授与のみ、とかもうステータスですら私を馬鹿にしてるとしか思えないのだけど。


あと、御朱印召喚ってなんだ?


あれか。

コタロウが召喚獣ってこと?


色々と文句が言いたい自分のステータス。

ムッとしながら、コタロウの方を向けば『吾のは出ないのか?!ソレ!』と目をキラキラさせている。


ありきたりだけど、マンガとかライトノベルにある『ステータスオープン!』って言えばステータス画面が開くのでは?と適当な事をコタロウに教えれば本当に出た。



---------------------

個体名:コタロウ/種族:白狐/年齢:142歳

職業:召喚獣/Lv.1

【スキル】

なし

【バフ】

ユキナの加護

---------------------



「え?コタロウ、神の使いとか言ってたのにスキル無しじゃん。え、無能なの?」

『おい、これは壊れておる。吾が無能なわけなかろう』

「だよねー。神様の使いってことは神獣だもんね!なんも出来ないわけないよね!」

『当たり前であろう!』




「『あははははっ』」




そうは問屋が卸さない。とはよく言ったもんだ、と思う。


ステータスを壊れてる、と言い張るコタロウに、じゃあ元々何が出来たの?と興味本位に聞いてしまったのだ。


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