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無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第4章 セントフィル都市連合編 ~俺もそれなりに強くなります~
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第91話 模擬戦のち襲撃。そして……

 

 それからアンに各魔法アイテムの使い方のレクチャーを受けた。

 誰でも使えるとの宣言通り、

 使いやすい。

 感嘆に使いこなすことが出来た。

 レイにも、と思いアンに提案すると却下された。

 魔力量が多い人は扱えないそうだ。

 マスターは……ぷぷとかまた言われたわ。

 そりゃ俺は魔力無しだしな。

 でも無能もたまには役に立つもんだな。




 神無刀“布都(ふつ)”と

 光越の太刀“刀光剣影”


 この2本をレイは選んだ。


 庭で試し切りをしていたのであろう、

 スパッと斬れた丸太が散在していた。


 今、レイの手には模造刀が握られている。

 そしてそのレイの目の前には、俺がいる。


「用意はいいですか?」


「ああ」

「よしこい!!」


 アンの提案でいきなり模擬戦をすることになった。

 といってもレイの持つ刀には刃がついていない。

 そうしないとマジ俺死ぬからな。

 冗談抜きで


「はじめ」


「<アクセル>」


 一歩踏み出す。

 一瞬にしてレイの眼前へ

 天翔る靴“俊靴(しゅんか)”の威力はすさまじく、

 魔法で身体強化をした時以上の速さを出すことができた。


「な!?」


 レイはすかさずバックステップを踏むが――


「<波状衝撃波(インパクト)>」


「くっ!」


 レイに刀を振らせるわけにはいかない。

 波状に広がる衝撃波がレイのバランスを崩す。


「もらった!!

<指向性衝撃波(ショット)>」


「ッ!」


 圧縮空気の弾丸がレイに迫り――


「【晴風】

【鎌風】」


 一瞬にして空気の弾は斬り裂かれ、

 遠距離からの攻撃で俺はあえなく撃沈。


 あの状態から刀を二振りできるってもう勝ち目無いだろ。


「そこまで

 わかってはいましたが、

 レイさんの勝利です。

 マスターは地力を鍛えないと

 どうにもならないレベルですねぷぷ」


 試合後はアンの作ったご飯を食べて一休み。

 メイドロボは、口は悪いが万能で助かっている。

 未だにロボだというのが信じられないな。



 ************



 迷宮に入ってからどれくらいの時間が経過しただろうか?

 聖の日の次の日はいわゆる平日。

 そう、俺は仕事があるのだ。


 レイと相談し、一度イリオスに帰ることに。

 アンは俺についてくるようだ。

 地下の魔法陣に案内されたまでは良かったのだが……


「え?

 どこに出るかわからない!?」


 そういう大事なことは

 全員で魔法陣に乗る前に言って欲しかった。


「はい

 出口の魔法陣が生きていることは分かっているのですが

 今どのような状態なのかわかりません」


「それってまずくない?」


「まぁなるようにしかなりませんね

『万物全素を以って再現せよ“起動魔法陣”』


「おお~~」


 毎度おなじみ光に包まれ、

 気が付いたら別の場所に――


「暗っ!」


「ナツキ大丈夫か?」


「ちょ!アンどうなってるん?」


「はてさて……あ

 ここ開きますね

 せい!」


「ぎゃぁぁぁ~~~

 なんですの?

 泥棒ですの!?

 かかってきなさいですのっ!!!」


 めっちゃ聞き覚えのある声が……


「なな!?

 レイさんにナツキさん

 と……誰ですの?

 どうしてそんなところから?」


 どうやら出口はエルマの研究室兼実家だそうだ

 なんでもエルマのお爺さんの研究室の地下に魔法陣が組み込まれていたらしい。

 エルマにしてみれば家の床から俺たちが出てきたわけだ。

 そりゃ驚くわな。

 まぁ地下の魔法陣を見たらそんなことどうでもいいってレベルで

 質問攻めしてくるエルマはやっぱりすごいわ。


「ん?エルマ

 どこかに出かけるのか?」


 レイはエルマの部屋にあった荷物を見てそう聞いた。


「は!!

 そうでしたの

 なんとイリオス迷宮に新たな大発見

 迷宮の石碑が起動したみたいなんですの!

 現地に行って確かめねば!!」


 あ、それ俺だわ


「ああ、それならナツキだ」


 ちょ!

 エルマに言うと――


「なななななナツキさん!?!?!?

 あの石碑を解いたんですの!?

 地下には何が?

 はっここから出てきたのにも関係が?」


 はじまった質問攻め

 半日くらいかかるかと思っていたら

 そんなことはない。

 すぐに別の話題に。


「そういえばセシリアさんが探してましたよ」


 レイがビクッと肩を震わせる。


「セシリアが!?

 なんだろ?」


「なんか人手が欲しいとか言ってましたよ」


「今すぐ?」


「ちょっとお待ちくださいですの

 あった、ありましたの

 イリオス州の北西部

 マルナ州との州境付近で今日の夕刻

 らしいですわね

 どうですの?」


「行くならギリギリ間に合うな」


「そうですね

 馬を借りればいいでしょう

 もちろんメイドたる私は乗馬もお手の物」


「セシリアさんにはお世話になってますし

 仕事は別に構いませんわ

 もう昼過ぎですし」


「じゃ行くかな

 よし行こう。

 そしてエルマさんすみません

 代わりといってはなんですが

 迷宮の話をお聞かせいたします」


「ええそれでいいですの」

 デュフフフ……じゅる


 よだれが垂れてますよエルマさん。

 目が怖い。

 レポートにまとめて提出した方が身のためかもしれないな。



 ***********


 メイドとはすごい。

 馬車の調達から必要な品物の買い出し。

 全てを手際よくこなし、

 あっという間に目的地へ。

 太陽が傾き始めていた。


「ここでいいんだよな?」


 セシリアのメモにあった場所に来たが、

 そこは街外れの森の入り口


 こんなところでいったいないをするんだろうか?


「ナツキにレイ、

 ようやく来たわね

 そちらは?」


「お初お目にかかります

 マスターナツキの専属メイドをしておりますアンと申します」


「そう、よろしく

 あなた戦えるの?」


「はい。

 50マスター分です」


 なんだよ50マスター分って……

 俺の50倍は強いとかマジか

 泣けるね

 ホント


「まぁいいわ」


 いやそこよくないだろ

 突っ込んでよ。


「これからある組織のアジトに奇襲をかける

 今私の仲間が建物を取り囲んでいるところ

 目標は組織幹部の拘束と

 誘拐された感応者その他の奪還」


 ――そしてシェルミアがこの件に関わっている証拠を掴むこと


 セシリアは心の中で付け加える。

 これこそが真の目的だった。


「よし、そういうことなら協力しよう

 たまには俺も活躍するぜ」


 新しい力を得て、

 試したいという気持ちが強かった。


「え?ナツキが?」


「おう任せてくれ」


 アンはなぜかメイドらしく後ろで静かに控えていた。

 レイはセシリアを見つめ続けている。


「レイどうかした?」


「――いやなんでもない。」



 **************


 森を進むと小屋が見えてきた。

 かなり大きく昔は馬の飼育小屋として使われていたそうだ。


「あれよ

 建物の周囲には仲間がいるから

 小屋から逃げ出そうとする連中は放っておきなさい

 それよりも中の感応者や他の人が人質に取られる可能性がある。

 突入後は連中の制圧に専念して

 中の人間は基本的に生かして捕まえたい

 吐かせたいこともいろいろとあるしね

 小屋は大部屋が一つと小部屋が3つ。

 小部屋のほうは別の仲間が向かったから

 私たちは大部屋の制圧よ

 OK?」


「了解了解!」

「ああ理解した」


「俺が突入して注意を引きつける

 その隙にレイとセシリアで制圧

 そんな感じでいい?」


「わかったわ」

「ああ」


 扉の前まで移動し、

 勢いよく開け放つ。


「<アクセル>」


 一瞬で大部屋の中央に移動し――


「<波状衝撃波(インパクト)>」


 部屋の中には

 男が20人ほど。

 壁に沿って檻に入れられた少女たちが目につく。

 衝撃波で近くにいた10名ほどはバランスを崩す。


「ッ!?」

 ――はやい!?ナツキの姿を一瞬とらえきれなかった。

 こっちも負けてられないわね【聖域】


 バランスを崩した相手から確実に無力化。


「【鎌風】」

 レイも遠距離からの風の刃で無力化していく。


 今更対処しようとしても遅い。

 レイとセシリアが片っ端から無力化していく。

 もう数分もしないうちに方が付くだろう


「ぃゃぁぁ」


 それは小さい声だった。

 それを拾えたのは偶然だろう。

 目を向ける。

 小屋の奥。


「あ」


 自然と言葉が漏れた。

 なんとなく見覚えがあるようなないような。

 どことなく懐かしさを感じるそんな容姿の少女。

 震えながら壁を背に。

 近くの男は剣を振り上げ、

 今振り下ろ――


「たすけて

 にほんにかえしてよ」


 な!?


 に ほ ん


 彼女は――


 ――――黒髪の少女は確かにそう言った。



お読みいただきありがとうございます

今日も晴れ

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