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無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第4章 セントフィル都市連合編 ~俺もそれなりに強くなります~
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第89話 対神人類最終決戦兵器!?

 



「ごめんください~~~」


 ……


「たのもう!!」


 ……


「出てこいや!!」


 ‘カタン’


 ビクッ!!


 おお、竹のやつ(獅子威し)かぁ

 びっくりしたぜ。


 俺とレイは日本家屋の入り口

 つまりは玄関前までやって来たのだが、

 問題が発生した。


 いくら呼びかけても反応なし。

 これだけ立派な屋敷に誰もいないということはないだろうが、

 呼びかけても出てこないのだ。


「どうしよう?」


「辺りを探してみるか?」


「そうだなぁ……

 それがいいかもしれないな」


 小一時間ほど屋敷の周辺を散策。

 成果はなし。

 ひとっ子一人いない。

 ついでに魔物や魔獣などの危険な生物もいなかった。


「入ってみるか」

 疲れが相当溜まっていたこともあり、

 屋敷に入ることにした。

 誰かいたら謝ろう。


「お邪魔しま~~す

 あ、レイ

 靴を脱いで」


「ん?ここでか?」


 この世界は、外国のような感じで

 部屋の中でも靴を履く。

 しかしこの家は日本家屋だから靴を脱がなくては。


「ヒトの気配はまるでない」


「そうだね

 にしても障子やふすまにここで会えるなんてな」


 部屋はいくつもあり、

 どの部屋にも畳がご丁寧に敷かれている。


 家具とかそういうものはないが、

 なぜか掛け軸はあった。

 文字は書かれていないまっさらものが。


「おお!!」


 レイの興奮した声が聞こえた。

 俺が掛け軸に気を取られている隙に

 次の部屋に行ったようだ。


「どうした?

 なんかあった?」


 レイの興奮した声とか初めて聞いたな

 ただ事ではあるまい


 覗くと――


「ナツキ!

 見てくれ、この剣を

 素晴らしい!

 すごいっ!!

 見たこともない剣だ」


 部屋の中央に刀掛けが3つ置かれている。

 それぞれに刀が掛けられていた。


 剣ではない。

 刀――日本刀。


「これは剣じゃなくて刀ってやつだな、たぶん」


「ナツキは知っているのか?」


「えっとたぶんね

 詳しくは知らないけどたぶん刀だ」


 そんなイベントを挿みつつ、

 家屋の中をまわったが、

 結論から言うと人の住んでいる形跡がまるでなかった。


 生活感がない家とでもいえばいいのだろうか

 生活に必要な家具の類がまるで無い。

 あったのは3本の刀くらいだ。


 あと見ていないところは、

 併設されている倉庫くらいだ。


「人は住んでないだろうな」


「ああ、私もそう思う

 それにしてもここはいったい……」


 そう言ってレイは先ほどの刀の部屋にいると言って行ってしまった。

 よほど気に入ったのだろう。


 それよりも問題は今後についてだ。

 俺の予想

 これが正しければおそらくこの家は俺の物だ。


 異世界の迷宮それも隠しルートを見つけた。

 めちゃめちゃ強いやつ(ユニコーン)がいた。

 その後、この屋敷があった。


 とするなら、おそらく

 ユニコーンは迷宮ボスで

 この土地を含めすべて迷宮クリアの報酬

 つまりはお宝


 うん、そうに違いない。


 川があることから飲み水には困らないだろう

 あとは食料だな。


 これも森のほうに行けば、手に入りそうな気がする。


 ということで少々後回しにしても構わないだろう。


 俺は先ほどからあることが気になっていた。

 それは、倉庫だ

 その倉庫の入り口に立札が立てられている。

 そしてその立て札にはなんと

 “マル秘”の文字が!!

 日本語で!!

 書かれていた。


 もう気にするなと言うほうが無茶というものだろう


「マル秘ってマル秘だぞ

 マル秘って言ったらマル秘だぞ

 いやもう行くしかないな」



 ************



「埃っぽいな

 ゴホゴホ」


 札をどかし、

 無断で入らせてもらう。


 一般的な倉庫だ。

 灯りがないため暗くて見えない。

 窓を開けると、倉庫の中に光が差し込んだ。


「あ、」


 そして俺の前には、

 ほぼ全裸の美女が――


 ‘ピピッ’


「おお、なんぞ?」


 機械音のような高い音がしたが……


 ‘ピピッ’


 音のする方、

 女性の背後に回ると――


「な!?」


 背中にいくつもの配線や管が突き刺さっている。

 それだけではない。

 一部露出している部分がある。


 服を着てない露出という意味ではない。

 皮膚の下が、である。


 そこにはまるでUSBの差し込み口のようなものまである。


「まさか機械なのか!?」


 とてもそうは見えない。

 そう思いながら

 その女性の肩に触れると――



 ――――――‘ピピッ’――――――

 //起動プログラム実行

 ・・・成功

 //起動開始

 ・・・待機モードから覚醒モードに移行

 ――――――――――――――――――


 パチッン


 音を立てて背中の配線が次々抜けていく


「ちょ待っ――」


「おはようございま~~す

 マイマスタァー!!」


 陽気な声が響き渡る。

 女性は立ち上がり、振り返るなりそう叫んだ。


「お、おはようです」


 俺はそう答えることしかできなかった。



 ********



 服を着ろ。

 兎にも角にも全裸に近い恰好ではいろいろとマズい

 そうお願いして、彼女を倉庫の外で待った。

 ほどなくしてお呼びがかかる。


「これまた……」


 日本盛りだくさんだったから着物でもあるのかと思いきや

 思いっきり洋風のメイド服じゃねぇ~かよ!!


「イエス、マスター!!」


「なにがイエスだよ」


「おやこの服はお気に召しませんでしたか?」


「メイド服は最高!!

 っていやいやそういうことじゃなくてね

 君はいったい何なの?」


「なんなの?と聞かれましても……

 ちょっと失礼しますね」


 そういって彼女が俺の額に手を当てた。

 おおおおお、大きな胸もゆっさゆっさと揺れる。

 これ……もう本物だろ


 顔のパーツのバランスが取れた見事なまでの美人

 身長は高めで

 これまた見事なボン、キュ、ボンなスタイル。


 とてもじゃないが“機械”には見えない。

 しかも話した感じ普通に会話が成り立つ。

 日本の人工知能もここまでじゃない。



「なるほど、なるほど」


「いや何がなるほどだよ」


「性的興奮をされているのですね

 この変態が!!」


 さわやかな笑顔でサラッと毒づき。


「と、まぁマスターいじめはこのくらいにして、

 マスターの疑問にお答えしましょう

 私の個体識別名はAG初期型07

 通称―対神人類最終決戦兵器です」





お読みいただきありがとうございます

今日も晴れ

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