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無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第4章 セントフィル都市連合編 ~俺もそれなりに強くなります~
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第84話 イリオス迷宮攻略 中編

 




 正方形のマスの中に

 0と1の羅列。


 数字が5つごとに

 縦線で区切られている。


 つまりは5桁。

 0から31まで表現できる。

 もしくは、

 符号と4桁の可能性もあるか。


 もっとも2進数が数字を表しているのか、

 言葉を表しているのかはわからない。


 たしかこの世界は10進数だったはず。

 いや、月や年は

 12や30で1ケ月や1年だ。

 進数という言葉はなくとも

 概念はあるのか?


「レイ

 この石板って誰か解読したりしたのか?」


「解読はされていないはずだ

 そういえば、

 この石板の解読は州規模で行われていると

 エルマが言っていたな」


「どれくらい解読できたとかってわかる?」


「それなら地図の裏に書いてなかったか?」


「え?」


 手に持つ地図を裏返してみれば、

 石板の写しが記載されていた。

 ただし、写しというにはかなり杜撰だ。

 こんな感じのものって感じに描かれている。


 そして、横に注釈も記載されている。


 石碑について未だそのほとんどが謎である。

 なにか手掛かりをつかんだ者には褒美を与える。


 そんな感じの内容だ。


「おかしいな」


「何がだ?」


「い、いや

 進数の概念があるのに2進数のことがわからないなんて」


 2進数はとりわけ簡単な部類だと思う。

 0と1のみ

 手順を覚えれば、小学生でも解けるだろう。


「にしんすう?

 ナツキはこれが解読できるのか?」


 レイが目を見開いて言う。


「いや、解けるとかじゃなくて

 たぶんこれじゃないかな~みたいな

 あ、でも一つだけだし」


 ポカンとしたままレイはしばらく固まっていた。

 解けるわけじゃないんだよ。

 そこは勘違いしないでね


「……驚いた

 私は、学はあまりないがそれでもすごいことなんだろうな」


「エルマにでも知らせてやるか」


 イリオス州立中央学校に知らせれば、

 何かしら褒美とやらがもらえるだろう。

 うんうんそれがいい。


「解いてしまってもいいんじゃないか?」


 え?

 その自信に満ち溢れた期待の眼差しが俺を貫く。

 なんて眩しい。

 そしてかっこいいんだろう。


 道場に通い始めて一段と

 カッコよくなったレイさんに見つめられれば、

 俺はYesとしか言えない。


「そ、そうかな!?

 それじゃ少し頑張ってみようかな」


 食料も水もある。

 少しぐらいこの場に滞在しても余裕だ。




 ***********




 2,3時間くらいは経ったのではないだろうか?


 この間に5組の来訪者があった。


 筋骨隆々のおっさんであったり、

 駆けだしと思われる少年少女であったり、

 イケメンと美少女のカップルであったり

 冴えない男3人組であったり。


 一度ゴブリンの群れ(10体)ほどがやって来たが、

 俺が腰を上げる前に

 全て胴と頭がお別れをしていた。


 速いよ。

 速すぎる

 剣筋以前にレイ自身も消えたと見まがうほどの速さだった。


 あれで中級って嘘だろ。

 最上級や聖級とは一生関わり合いになりたくないな。

 そう再認識した。


 解読のほうはと言うと

 何を意味するのかはわからないが

 10進数の数字に置き換えることはできた。

 それ以外にも符号をつけたり、

 こちらの文字をあてはめたりしたが、

 上手くいかない。



 00101

 01000

 11100

 10011

 00011



 書かれた2進数を10進数に変換すると

 5、8、28、19、3


 む~~

 なにか31もしくは32で構成される何かの

 5番目とか8番目とかって意味なのか?

 それとも10進数変換が間違っているのか?


 そもそも本当に進数で合っているのか。

 この世界で使われている言語であるラグ語は

 49の文字で構成されている。

 そういえば、

 ラグ語以外には古代で使われていた言語があるとか言っていたな。

 ならそれがもしくは31か32文字で構成されている可能性はある。


 石碑に寄りかかり、

 目をつむって考えていた俺の視界が少し暗くなる。

 目を開けば、レイがのぞき込んでいた。


「どうだ?」


「一応、道筋というか

 応えになりそうな案は出せたかな

 30文字くらいで構成されている

 言語なんかがあれば解けると思う」


「30文字か……

 数字の隣にあるマス目にはそれくらいの文字が書かれているが、

 これは違うのか?」


「え?」


 隣のマス?


 すぐさま、

 隣のマスを見る。


 0と1の羅列は9マスあるうちの左上。

 レイが指摘したのは、その左上の右隣。


 でも、それは到底

 俺には字には見えなかった。


「こ、これのこと?」


 これはラグ語じゃない。

 なんていうか、

 道具や生き物が混在している

 どう見ても文字には見えないモノが書かれていた。


「ん?

 文字じゃないのか?

 単語の羅列が書かれているが」


 な、なんですと?


「レ、レイ

 これ読めるのか?」


「ナツキは読めないのか?」


 読めないよ。

 というか文字であることすらわからなかった。

 確かに、

 文字として見ようとすれば、

 見えないこともない。

 あの素人には解読不可能なエジプトのピラミッドで使われていそうな感じの文字だが。


 でも、それを読めるってレイさん何者ですか?


 エルマは確かにラグ語以外の言語はないと言っていた。

 それは魔族(・・)も例外ではないと。

 どういうことなんだろう?


「数えたら31単語あるな

 先頭の空白を含めれば32になる」


 おお~~~~~

 ビンゴだ!

 間違いない。


「よし!

 次のマスも解読しよう

 レイ手伝ってくれ」


「ああ」


 レイの協力で5、8、28、19、3に書かれた単語を拾い上げる。

 すると意味のある文章ができた。


 左の 隣を 火で かざす しろ


 日本語にするとこんな感じだ。


 つまり左隣のマスを火でかざすことをしろ。

 そんな感じに違いない。



「レイはやっぱすごいな

 その言葉どこで覚えたんだ?」


「いや、普通に知っていたな

 特に覚えたという記憶はないが……」



 まぁ兎にも角にも、

 次に進もう。


 支持の通り隣のマスを火でかざす。


 9マスの右上のマスは

 いくつかの線や弧が描かれている。

 幾何学模様とは違うようだが、

 中には6角形や正方形なんかの模様も入っている。


「火をかざしてみるぞ」

「ああ」


 魔法ではなく、

 持参した薪に火種で火をつける。

 火系統が使えないための保険で

 予め持参していて正解だった。


 火をかざすこと1,2分程度


「なにか出てきたな」


「おお~炙り出しかぁ~」


 炙り出しとはその名の通り、

 熱によって通常では見えていない字や絵を表示させる方法である。

 おそらくは同じ原理なのだろう


「いくつか線が出てきたなぁ~

 図形と図形をつなげているのか?」


「右上の線上だけ光っているな」


「本当だ。

 右上の線につながっている部分も光ってるな

 これ、もしかして切れてるんじゃないか?」


 炙り出しで図形と図形がつながった箇所もあるが

 全てではない。

 右上からつながっている箇所は光っているが、

 それ以降の箇所は光っていない。

 ということは何らかの手段で全てつなげて光らせれば、

 いいのだろうか?


「この光は魔力だな

 つなげるなら魔石が使えるんじゃないか?」


「おお、確かに

 ちょっと待って

 今取り出すから」


 俺は取り出した魔石を

 石板の上に、

 切れていると思われる箇所に置いていく。


 なんかアレだな

 回路のようだ。


 案の定、

 魔石でつながれると

 そのつながれた先の線上も光っていく。


「おお~」


 いい感じだ。


 9マス中の右上のマス

 その右上から、左下へ

 中央のマスに光が到達した――





 ――――その瞬間。







 石碑自体がまばゆい光を放った。


「ん!?」

「まぶしっ」


 咄嗟に目を手で覆い、

 目線を下に向ける。


 向けた先で見てしまった。


 足元、その場も光っていることに。


 足元に出現した光は、

 そう、

 いうなれば、

 魔法陣(・・・)


 そのものであった。


 光が俺とレイを包んでいく。


 ああ、この感覚は知っている。

 前にも一度体験したことがある。

 全ての始まりである

 あの光に酷似している。



 そう、召喚されたあの時の光に。



 ――後編に続く


お読みいただきありがとうございます

今日も晴れ

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