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無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第4章 セントフィル都市連合編 ~俺もそれなりに強くなります~
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第83話 イリオス迷宮攻略 前編

 



「おお~~

 すごい賑わいだな」


「ああ、

 今日は聖の日だからな」


 さしずめ連休のテーマパーク並みに混んでいた。

 レイと俺はついに、

 異世界のテーマパークこと“迷宮”に来ていた。


「ところで、レイはどんな技を覚えたんだ?」


「ん?

 ああ、内緒だ」


「えーヒントだけでもないの?」


「技は東海流でも西風流でもないからな

 言葉にするのが難しい

 見た方が早い」


 まさかのオリジナル。

 すげーな。


「ナツキは魔法が使えるようになったんだろ?

 エルマがしきりにすごいすごいと言っていたぞ」


 エルマならどんなことでも

 すごいって言いそうだな。


「時間制限ありで使えない魔法も多いけどね」


 そんな他愛無い会話をしながら

 イリオス迷宮までやって来た。

 上述の通りその場は人であふれかえっている。


「登録はあそこか

 私が済ませてこよう」


「了解

 なら俺は地図とか買ってくるわ」


 迷宮探索には、

 俗に観光用と冒険用と呼ばれる2種類があり、

 観光用には護衛の剣士や魔法師が付く。

 その分料金は割高。


 一方冒険用には護衛が付かないが、

 誰がいつ迷宮に入ったかの登録(+登録料)の支払いと、

 迷宮用の地図を買う必要がある。


 レイが登録をしてくれるので

 俺は迷宮入り口近くで売られていた

 迷宮の地図を購入した。




「地図を買うだけでも結構時間がかかったな~」


 レイと早く合流しないと……

 そんなことを思いつつ、

 速足で歩いていたので、

 目の前から飛び出した人を避けきれず、

 ぶつかってしまった。


「あ、

 すみません」


「いえいえって

 (わか)っ!!」


 え?

 いきなり何?

 若いってそりゃ

 今年で17だしね


 てゆうか目の前の、

 ぶつかった少女も

 たいして年齢は変わらないと思うのだが。


 腰まで伸びる深紅の髪を揺らしながら、

 深紅の瞳を大きくして

 俺をいろいろな角度から観察し始めた。


「おい」


 鋭い声が届く。

 目を向ければ、

 長身の金髪碧眼

 腰に普通よりも長い剣というより

 刀を挿している。

 大人びた顔立ちで雰囲気が

 どことなくレイやセシリアに、

 剣士の立ち振る舞いに似ている。


「勝手に動き回るな」


「えっでも~」


 何やら言い争いを始めた。

 俺は帰ってもいいのだろうか?


「ん、怪我の功名」


「おおっ」


 金髪と赤髪とは反対側。

 今度は薄い青色のショートヘアで

 かなり小柄な少女が現れた。


 怪我の功名!?

 どういうことだ?


「貴方に加護があらんことを」

「頑張りなさい」

 水色髪の少女が一礼し、

 赤髪の少女は拳を振り上げ、

 金髪の女性はこくりと頷く。


「は、はぁ~どうも」


 見ず知らずの人に、

 いきなり激励された。

 こんな経験をしたことある人が

 世の中どれくらいいるだろう


 お、俺はそんな幸薄そうに見えるのだろか?




 最近割と幸せな方なんだが……




 *********



 レイと合流して早速迷宮探索開始だ。

 レイはいつも通り盾無し。

 だが、剣はいつもより多い。

 2本の剣を左に、

 1本の剣を右にそれぞれ帯剣している。

 そして腰には、ファナからの短剣。

 計4本もの剣を帯びている。


 俺は左右のポーチに

 魔石をおよそ30ずつと

 ポーションを数本。

 背負っているリュックには、

 水や食料、予備の地図に予備のポーション、魔石、薬など

 おおよそ必要なものを入れてある。


 迷宮は全10層。

 地下へと延びている。

 最下層10層の奥の部屋に行き、

 引き返すと完全制覇となる。

 この場合の所要時間は

 おおよそ12時間といわれている。

 もっともこの時間の目安は

 最短距離での話であり、

 各層全てのフロアを探索すると時間は数倍かかる。


 初めてということもあり、

 最短ルートで10層まで行ってみようということになった。



 *******


 イリオス迷宮第4層。


「出たな」


「おお~~コボルトか」


 ファンタジーにありがちな定番中の定番魔物(モンスター)

 コボルトが3体。

 武器は持っていない。

 事前調査によると迷宮内で最も弱いモンスター。


「ちょうどいい」


 レイが剣の柄に手を添える。

 どうやら“技”を使いようだ。


「――っ!!」


 抜剣――、一閃。

 コボルトまでの距離4,5m

 レイの斬撃が飛び、

 先頭のコボルトの頭を落とす。

 だけでなく、

 左右にいた2体も体を切り裂かれ、

 絶命した。


「ずごっ」


 抜剣してからほぼ見えなかった。

 これが中級ですか。

 俺の出番はなさそうだな。

 でも憧れの迷宮。

 何体かは俺も倒してみたい。


「すごいな。

 これが新しい技?」


「ああ、いくつか覚えた内の一つだ。

 切風といってな

 一斬にして三撃

 風の斬撃を飛ばす技だ」


「へぇ~

 あれ!?

 でも前にも使ってなかったっけ?」


 斬撃を飛ばすなら、

 レイが前にも使っていたような気がする。


「ああ、

 ただ前に使っていたのは、一撃のみ。

 この技は多対一の戦闘を想定している」


「レイはすごいな~」


 レイの新技で盛り上がるっていると、


「ん」「お」


 来客だ。



「よし、次は俺がやろう」


 顔をのぞかせているのは、

 コボルトより慣れ親しんでいるゴブリンだ。

 石の棒を片手に、

 通路の奥からまたしても3体やって来た。


「ああ、任せた」


 右にあるポーチから

 ポーションを取り出し、飲み干す。

 だいたい10数秒で効果が現れる。


 身体の奥が温かくなり出した。


 よし!

 右手を前に突き出し、

 左手で固定。


 魔石を使う手順は依然と変わりない。


「《氷散弾(アイスショット)》」


 突き出した右手、手のひらから氷が勢いよく飛んで行く。


「《雷撃》」


「《土槍(ソイルスピア)》」


 3発3中

 全てのゴブリンを倒し終えた。


「ナツキの魔法はいつ見てもすごいな

 前から気になっていたんだが、

 何系統扱えるんだ?」


「どれくらいだろうな?」


 系統の話はエルマに少し効いたような気がするが、

 分類関連の話し始めたエルマは、

 恍惚とした表情を浮かべて、

 ニヤリニヤリしているので、

 正直あまり真剣に聞いていなかった。

 今度、機会があれば勇気を出して聞いてみるか。


「でも火と光が使えないみたいだけどな」


「それでもこれだけ使えれば問題ないだろう

 登録ができれば、

 最高位か高位を得られるんじゃないか?」


「いや、さすがにそれはないだろう

 使えるっていっても所詮魔石頼みだしな」


 登録はできない。

 それは俺のステータス契約が

 すでにガイナス帝国と結ばれているからだ。




 ***********




 俺とレイは快進撃を続けた。

 層を降りるごとに魔物との接敵率は高まったが、

 コボルトにゴブリンが大半であり、

 苦も無く突破出来た。


 中にはミノタウロスや、ブラックラビット、ワームなんてのもいたが、

 どれもたいして変わらない。




「ここが最奥か」


「まだ先にいくつか部屋があるみたいだけど、

 一応ここが最終地点みたいだね」


 地図を見ながら俺は返事をした。

 この少し広くなっている空間が

 いわゆる最下層の最奥の部屋ということだ。


 部屋の中央には、

 大きな石をくり抜いたのか正方形の台がある。

 大理石のように淡く輝き、

 光を放ってるそれはかなり幻想的だった。


 この部屋は円状に広がっていて、

 俺たちの来た道以外に4つの道が通じていた。

 その入り口を結ぶとちょうど正5角形になる感じだ。


「これが石碑か

 聞いていた通りおかしな石碑だ」


 レイに続いて俺もその石碑をみる。


「あ……」


 正方形の石碑は、

 9つの小さな正方形にさらにわけられていた。


 そのそれぞれの正方形の中で、

 ある正方形では

 星や丸といった記号のみ書かれている。


 ある正方形では

 こちらの言語の代表的な文字が6つのみ記されている。


 ある正方形では

 幾何学模様が幾重にも折り重なっている。


 またある正方形では

 ピカソ的な絵が描かれている。


 また別の正方形では0,1(・・・)のみが羅列していた。



 わからないモノもあったが、

 一つだけはっきりわかるモノがある。



 0,1の羅列。


 これには見覚えがある。


 喉を鳴らして、

 見つめること数分。


 間違いない。




 これは2進法(・・・)だ。







 ――中編に続く



お読みいただきありがとうございます

今日も晴れ

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