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無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第4章 セントフィル都市連合編 ~俺もそれなりに強くなります~
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第71話 俺と人さらいと感応者 中編

 



 感応者売買はごくごく一般的なことらしい。

 イリオス州だけでも認可を受けた店が6店あり、

 非合法の店を含めると優に2ケタはこえるそうだ。


 宿から一番近くにある感応者を売買している店をのぞいてみた。

 シンは宿で休んでもらっている。

 足のけがが治っていないのと、

 かなり疲労がたまっていたからだ。


 その店は、

 奴隷売買とはまた違った雰囲気だった

 檻に入れられているのは、

 なんと皆、幼い少女たちだった。

 6歳前後くらい

 小学生になりたてくらいの少女のみに値札が付けられ、

 売られている。


 ますます感応者がわからない

 いまさらレイに詳しく聞けないので

 あとでしっかり調べよう。



 いくつか店舗を回った。


 そこで俺は、

 改めてレイはすごいと思った。


 店舗を回る度、

 レイはオーナーかそれに準じる人に質問をする。

 するとはじめは相手にされない。

 レイがお金を握らす。

 するとペラペラしゃべりだす。

 さらに倍のお金を握らす

 すると情報通を紹介してくれる。


 これを繰り返し、

 昨日ニーサ州方面から運ばれた感応者が

 確かにイリオス州に運ばれたことが分かった。


 そして、一足遅く、フェニキア州へ持っていかれたそうだ。

 なんでもモノがいいとフェニキア州では他州の倍以上で売れるらしい。


 フェニキア州への非合法な運び込みには

 必ずある建物の地下で行われているという情報を

 最終的に掴むことができた。


 シンは、そのまま宿に寝かせておく。

 善は急げ。

 レイと俺はフェニキア州とイリオス州の中間らへんに来ていた。


 普通の建物。

 それが一目見ての感想だ。


 2階建て。

 1階は武器や防具の販売店

 2階は倉庫らしい。


 この店の地下に非合法物を一時的に置いておく

 倉庫があるらしい。


 売買の品は多岐にわたる。

 感応者や奴隷、違法な薬物や武器など。


 おそらくそこに妹さんがいるはずだ。


 完全に夜になるまで路地から店を伺った。

 9時を過ぎたくらいだろうか。

 日が完全に沈み、辺りの人通りが若干少なくなってきた。


 そろそろ侵入の頃合いか

 レイに目で合図を飛ばし、

 ゆっくり歩み始めたその時。


 レイはピタッと立ち止まり、

 後ろにいた俺のほうを振り返った。


 ん?

 どうしたんだろう


 声を掛けようとした瞬間――


 ――――レイの手が剣の柄に触れ――


 そして――




 抜刀――

 抜かれた剣は一閃





 俺の首筋に吸い込まれ――






 *******





 おおおおおおおお!!!

 おおおおおおおお!!!!



 首筋が冷たい。


 レイの剣身が首に当たっている!?

 刃のない方が俺の首に食い込んでいるのか斬られてはない。


 どどどどどどうしたの???

 なにかレイを怒らせてしまったのだろうか?


 ……思い当たることしか浮かばねぇ~~

 やっぱヒモみたいなのは良くないよね


 ごめんなさい

 ゆるして


 脱ニート

 脱ヒモ


 こ、これからは仕事に生きよぅ


「どういうつもりだ?」


 底冷えするような声に視線

 熱を持たない視線


 おぅ、誰だ!?

 これをご褒美とか言ったやつは!


「売人の仲間か?」


 ん?


 そこで始めて俺は背後に人がいることに気が付いた。


「ああ、そう

 っち、人違いよ

 悪かったわね」


 女性の声が背後から聞こえてくる。


 あっ!

 レイの剣以外の剣が俺の視界に入った。


 そうか、どうやら背後の女性に斬りかかられ、

 それをレイが止めていたみたいだな。


 うん。

 信じていたよ

 ちびったりなんかしてない

 腰も抜かしていない

 ただ休憩しているだけだ


「ナツキ大丈夫か?」


「よ、よ、余裕だわい」


「いや余裕そうには見えないが……」


 レイは地べたに座り込んだ俺を心配そうに見てくる。


「たまたま足腰の力が抜けて

 少し休憩したいだけだから」


 実を言うとまだ足が勝手に笑ってやがるのは内緒だ。


「えっと、

 なんかごめんね」


「私ではなくナツキに言え」


「わ、わかってるわよ」


「大丈夫?」


 おお、銀髪ロングストレートな美人。

 レイと同じく帯剣していて、

 なんていうか装備がかなり高そうだ


 出るとこしっかり出ているタイプな美人さん

 かがんだ美人の谷間に視線は吸い込まれる


 おっと、見とれている場合じゃない。


「OK

 余裕だぜベイべー」


「だめそうね」


「おい!

 まぁいい

 それより一つ答えてくれ」


「なによ」


「彼氏いますか?」


 ドスッ


 レイが剣の柄で小突いてきた。

 結構痛いんですよ、それ。


「じょ、冗談だよ

 それより、なんでこんなところに?」


「彼氏はいないわ

 ここには人探しよ」


「ほう彼氏を探しに!?」


「あんまりふざけてると

 お連れさんに斬られるわよ?」


 おっとそれはマズいね。


「あの地下にね

 私の知り合いがいるかもしれないってだけよ

 あなたたちも同じなの?」


「まぁそんな感じだよ」


「そう、

 なら私がついでに行ってくるわ」


「いやいや、

 1人はマズいでしょ!?

 せっかくだしここはレイと協力してほしいんだけど」


「あなたは行かないの?」


 ジト目で見てくる。

 女の子だけに行かせるつもりか!?という目だ。


「俺も戦えるんだけど魔石がね

 使わないに越したことはないし」


「ふ~~ん

 魔石ならあるわ。

 さっきのお詫びよ」


 そういって懐から魔石の入った袋を取り出した。

 おお、

 受け取るとそれがかなりの重さなのがわかる。


「いいのか?」


「構わないわ

 持っていてもどうせ使わないし」


 レイを見るともらっておけというように頷いた。


「おお、サンキュー

 俺はナツキだ

 よろしく」


「セシリアよ

 あなた面白いわね

 よろしく」


「レイだ」


「そう、

 レイもよろしく」


 レイとセシリアと俺

 急造三人組の結成。



 作戦をはじめよう


お読みいただきありがとうございます

今日も晴れ


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