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無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第1章 召喚編 ~異世界 俺にはわりと厳しかったようです~
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第4話 異世界に着きましたが、 後編

 




 ――――――――――――――――――――――――――

 相沢 夏希

 称号        一般人

 レベル       Lv   1

 スキル       なし

 スキルレベル    ―――

 属性        無

 ――――――――――――――――――――――――――


 俺は何度も自身のステータスプレートを見る。


 何度も見るが、しかし、何度見ても同じだ。

 属性が無……これはあれか!?


 ユニークスキルとか隠しスキルとかそういう便利系チートの前兆なのか?


 それならほかのステータスを無視しても大きすぎるチート持ちになるな。

 確か属性はみんな持っているようなことを話していたしな。

 そうに違いない。


 ふむふむふむ。



「「「おお~~~~」」」


 ナツキが顔を上げると前方が盛り上がっていた。


「俺が勇者か!!」


 満面の笑みで皆を振り返ってるのはイケメンの代名詞、クラスいや学校一のモテ男 坂本瞬である。


 どうにも坂本は称号 勇者 らしい。


「よろしくな!勇者!」

 クラスのチームリア充で坂本とつるむ竹田が声を掛けていた。

「お前は?」

「俺か? 俺は勇者の仲間って称号だったぜ。」

 その声に続いてあちこちで声が上がる。


「俺もだわ」

「私も~」

「あたしもなんだけど」

「勇者とかまじかぁw」


 どうにも皆さん“勇者の仲間“が多いようで。

 てか適当すぎるだろ。

 勇者の仲間って……


 そして、俺は思う。

 ……一般人ってまずいんじゃね!?!?!?!?




 嫌な汗がつーーと流れ出た。




 まだ無属性がある。大丈夫!大丈夫!

 そう、自身に言い聞かせた。


「皆さん、ステータスのほうはどうでしょう?

 各自、自身のステータスに目を通していただけましたでしょうか?」


 俺たちは、俺を除いて多くのクラスメイトがいい笑みを浮かべていた。


 そんな俺たちを見渡して、

 宰相さんがひとつ、大きくうなずいた。


 すると、俺たちだけじゃなく、帝国の人たちも笑みを浮かべた。

 なんとなく背後の扉付近や部屋の側面にいる騎士や魔導士!?的な人たちはホットしているようにも見える。


 まぁ、そりゃ勇者とか、勇者の仲間って肩書は持っていても悪いものじゃない。

 ていうか気分いいんだろうな~~。

 帝国的にも万々歳なのだろう。


 俺には関係ないですが……


「皆さんのステータスをこちらで確認したいのですがよろしいでしょうか?」


「ステータスの他者に開示できない部分はどうやって見るのですか?」

 自称インテリの福島が手を上げて聞く。

 眼鏡を持ち上げることも忘れない。

 Theインテリって感じの男だ。


「御心配には及びません。

 こちらにある魔道具でステータスを見ることができます。」

 虫眼鏡の様なものを取り出しながら説明した。


 ということでその場で発表会をするそうだ。



 …………ここらでクラス紹介といこう!

 そうだ、それがいい。


 まずはクラス一のイケメン坂本瞬。

 サッカー部所属で勉強もできる。

 いわゆるジャ〇ーズ系男子。

 べ、べつにうらやましいなんて思ってないんだからね!?


 クラスである意味一番目立つのは、松浦隼人。

 親がいわゆるヤ〇ザさんとかなんとか。


 クラスのヤンキー連中(山田、田中、香川)の総大将

 ギャルの山本奈々と原凛の六人でよくつるんでいる。

 あまり関わり合いになりたくないな。



 クラスの花といえば日咲さん

 日咲紅里さんは勉強スポーツともに万能。

 おまけにスレンダーな容姿で学校一の美少女

 今は生徒会に入っているとか。

 去年の文化祭で話したことをきっかけにそれなりにしゃべるようになったが、

 不運にもそれが俺の高校生活を変えてしまった。

 まぁ人のせいにするつもりはない。

 これも人生だ。


 次は、葉山結衣。

 クラスでは日咲さんと並んで美少女ポジだ。

 出るとこ出て引くとこ引いてる感じのナイス体系

 だがしかし、彼女のもう一つの顔を知る俺にとって……いや、言うまい。(笑)


 そして俺の友人、大沢僚

 学校ではあまり話さないがラインで話したりイベントに行ったりする仲。

 オタフレンド。



 ほかには、インテリコンビ長野沙希・福島龍

 クラス転移に巻き込まれたとき授業をしていた教師の高山三郎なんかがいる。




 ああ、本当は、もう少し現実逃避をしていたい。


 そんな俺の願望は届かず、ついにステータス発表会が始まった。

 俺はきっと隠しスキルやユニークスキル、レアスキルなんかがまだ隠されている。

 もう……そう信じるしかないわぁ



 一番の盛り上がりは、やはり勇者の称号を持つ坂本。

 なんでも固有スキルがあるらしい。


 固有スキル 光の属性

 このときは陛下も驚いていた。

 かつて神話に残る偉業を成した人物が持っているらしく、それ以来そのスキルを持っている人がいたという記録はない。


 チートかよ。


 他にもまさかの保体教師、高山が王の称号もちらしい。

 陛下と一緒なんだとか……


 あいつが!?


 そしてヤンキーの大将、松浦は騎士の称号。

 家がヤク〇さんとか噂で聞いたことがあるような男である。


 それが騎士って……


 騎士の称号自体は帝国にも数人いるとか。

 ただ固有スキル、輝きの剣は、これも坂本と同様のレアスキル。


 この世界のパラメーター配分どうなってんの?


 最期は我らのクラスが華、日咲さんは姫の称号持ち。


 まぁこれは納得できる


 この四人以外は称号、勇者の仲間。

 スキルも魔法・回復・支援・身体・成長というものがある。

 そして属性は男と女で色は分かれるが、それ以外に光の属性をみんな持っていた。

 チート4人組は緑の属性と光の属性だ。


 これはあれか。

 俺の属性欄の無ってのは無属性じゃなくて属性”無し”の無か!?


 泣きたい。


 俺の番で、虫眼鏡を持った宰相さんが俺を二度見する。

 それをプラスに取った周りが騒がしくなる。


 ああ、恥ずかしい。

 いや、俺の所為じゃないだろ。



 どう考えてもあんたらが悪い!


 赤くなる顏で冷静を装う。

 ああ~早く終わんねぇかな~~

 俺と同じような奴一人くらいいると思ったんだけどな~~


 悲しいわ。

 もうほんと、帰りたい。


「…………一般人

 えっとスキルは……ありません。

 属性も……なしです。」



 分かってたさ。無属性改め属性無し。


 ふぅーー

 日本ではもう夜カナ?

 キョウノアニメハナンダロウ?

 ハヤクミタイナ




「「ぷっ」」

「一般人www」

「ぎゃははははははは」

「受けるwこれは受けるよ」


 クラスメイト連中が大笑い。

 いいさ、何とでも言ってくれ。


 ……やっぱやめて

 ほんとやめて

 はずかしいぃぃ

 ああ、帰りたい。


 この後、スキルについての説明があった。


 俺はもちろん必要ないが聞いていた。

 いや、やっぱりなんか目覚めるとかあるかもしんないしな。


 なんでも勇者の仲間組は5つあるうちから一つ選ぶ必要があるらしい。

 チート組は固有のレアスキルと5つから一つ。


 何ともうらやましい。


 それで、その一つは“成長”を選べと宰相さんは言う。


「成長のスキルはかなりレアです。

 従来に比べ成長速度が著しく速くなるスキルなのですが、

 このスキルで体を鍛えれば身体が成長し、

 魔法を練習すれば、魔法の威力が上がります。」


 つまり、努力は必要だが、

 成長をとれば、いろんなパラメーターを上げられる。

 逆に魔法や回復を取るとそれしか上げられない。

 そんな説明だった。


 ということでこの場の全員(俺以外)は成長スキルを選択した。



 ---------------------------------------------


   坂本瞬  勇者 光の属性・成長  光・緑

   日咲紅里 姫  姫の祈り・成長  光・緑

   松浦隼人 騎士 輝きの剣・成長  光・緑

   高山三郎 王  支配・成長    光・緑


   その他 勇者の仲間  成長   青 or 赤


 --------------------------------------------



 ここまでで、今日はもう遅いとのことで解散になった。


 それぞれ部屋が用意されているらしい。


 食事や風呂、その他すべてメイドさんに言えばいいらしい。

 今日はなぜかどっと疲れた。


 部屋に案内され、飯も食わずにベッドに飛び込んだ。



 頭が無性に痛い。

 俺は偏頭痛持ちとかではない。




 誰かの、男性だろうか、低い声が聞こえたような気がした。

 それは何と言っていたか。

 はっきりとはわからなかったし、痛い頭で考える気力も湧かなかった。

 でも不思議と温かい気持ちにさせてくれた。

 そんな感じがした。





お読みいただきありがとうございます

ご意見・ご感想・ご指摘大歓迎です

今後ともよろしくお願いします


今日も晴れ

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