表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第2章 奮闘編 ~状況が 俺に楽をさせてはくれません~
36/139

第35話 エピローグ 2 ~ファナ・シェルミア~




廃村でナツキと別れたファナは、ステラに抱えられ、村を後にしていた。

ステラは身体強化を施し、全速力で目的の場所を目指す。


「ステラ、ナツキさんも連れてはいけなかったのでしょうか?」


ファナ自身、無理だとわかっていたが、聞かずにはいられなかった。


「申し訳ありません、ファナ様

ふたり抱えての移動は厳しいのです

帝国の騎士にいつ追いつかれるかわからない状況ですので」


「そうですね。

ステラ、ごめんなさい。無理を言って」


「いえ、お気になさらず。

それより、よろしかったのですか?

あの短剣」


「よいのです。

ナツキさんならば、短剣一つで、きっと切り抜けてくれるでしょう」


「お言葉ですが、

あの青年にそこまでの力があるとは思えません」


この森には魔物が生息している。

個々は比較的、対処が容易だが、

群れられると実力者でも苦労する。

命を落とすことも珍しくない。


ステラは、それらを考慮しての考えだったが、

それをファナは嬉しそうに否定した。


「見かけで判断してはいけませんよ

なんていったってナツキさんは“異世界”のお方ですから。」


異世界で戦争の経験があるとナツキさんはおっしゃっていました。

それにお強いとも。

あの短剣は、一流の職人による業物。

そして、魔石もはめ込まれている。

いざとなれば、彼の役に立つことでしょう。

ナツキさんならきっと――


このとき、本人が居たら、全力で否定していただろう。

しかしこんなことになっているなど、当の本人は知る由もなかった。


「“異世界”!?」


「ええ、その件も含めてたくさんのお話があります。

急いで国に帰らないといけませんね」



***


ガイナス帝国とシェルミア王国とのちょうど中間地点。

どの国にも属していない森がある。

緩衝地帯とも言われているその森に、ファナとステラは1日かけてたどり着いた。

その場所こそが、集合地点であった。



ファナとステラの到着に、そこにキャンプを張っていた者たちが出迎える。

「姫殿下、よくぞご無事で!」

「よかった!」

「殿下!!」


出迎えた男たちは互い喜び合っている。

男泣きを始める者もいる始末


「おい、お前たち!

ここでは、まだ殿下ではなくファナ様とお呼びしろ!」


ステラの叱咤も男たちの声で消されていく

やれやれ、とステラは肩をすくめた。


「皆さん、

ありがとうございます」


その声にステラの時とは打って変わって辺りは静まり返る。

代表で一人の老騎士が前に出た。


「勿体無きお言葉

ご無事で何よりです」



ファナは集まった騎士をねぎらい、その後、キャンプの隅にある天幕の中に入っていった。


身体を清め、服を着替える。

ステラに手伝ってもらい、それらを終えたころ。


「ファナ、お邪魔するよ」


「あら、レクティナ」


レクティナと呼ばれた女性は、手にお盆を持って天幕に入って来た。


「お腹すいてるでしょ?」


「ええ、いただくわ」


「レクティナ、敬語を使いなさい」


「ステラは固いんだよ。

それに今は敬語禁止でしょ?

まだ、シェルミアに帰ってないし」


本国に帰るまで、ファナを要人とばれないようにする。

その一環で“姫殿下”ではなく、ファナと呼ぶことになっていたのだが、

レクティナ以外の者は、呼び捨てにすることができず、ファナ様と呼んでいた。


「限度がある。」


「いいんですよ、ステラ」


レクティナが持ってきたのは、温かいスープとパン。

久しぶりの温かな食事をファナは堪能した。


ちょうど食べ終えたとき、レクティナが尋ねた。


「ファナは怖くなかったの?」


「それほど怖くはありませんでした。

皆さんが助けに来ると信じていましたからね」


「そっか。

ファナはすごいなぁ~」


ふたりの談笑はその後も続いた。






シェルミア王国第3王女

ファナ・シェルミアによりもたらされた知らせを受け、

世界第一位の国、シェルミア王国は異世界人召喚の真偽を調べるため動き出すこととなる。




お読みいただきありがとうございます


これにて第2章 完 です

第2章までのご意見・ご感想・ご指摘等大歓迎です

これからの糧にさせていただきます


ここまではいわゆる”テンプレ”的な展開続きました。

これ以降は少しずつ私の世界観を出していきたいと思います

ナツキの物語はまだ始まったばかり

今後ともよろしくお願いします!!!


[[以下、第3章以降の方針(ネタバレ苦手な方は飛ばしてください)]]



第3章以降の展開では人物を掘り下げていけたらなぁ~

と思います。

第1章、第2章は重要人物を出すこと、展開のスピードに焦点を当てました(作者はそのつもりでした)

1,2章に比べ、一つのエピソードを大きく長く、でもテンポよくやっていく予定です

もしよろしければ、第3章もお付き合いください!



今日も晴れ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ