第3話 異世界に着きましたが、 中編
いよいよ待ちに待った
異世界最初のイベント。
ステータス確認!!!!
待ってました!!!!
俺のチートはどんなんだろ!?
クラスメイトの中にも異世界ものを知っている連中はそわそわしだした。
一休みして明日にでも行うのかと思ったが、今からやるようだ。
急いでいるのかな?
体調不良組が今この場にいないこともあり、俺は不思議に思ったが、そんなことは置いておく。
体調不良組には申し訳ないが、ワクワクしてしょうがない。
当然だ。
戦わなくていい(建前)らしい、この世界だが、やはり召喚者にはチートが付きものだろう。
「それでは、はじめます。」
宰相の言葉を皮切りに、後ろの扉からメイドさんたちがわらわら出てきた。
それぞれの座席の左右にピタッと立っている。
右後方には盆を持ったメイドさん。
左後方には白い布を持ったメイドさん。
うん、どのメイドさんも美人だな。
例外!?
そりゃあるよ。
ふっ
もちろん俺の席だ!!!!
椅子を増やした分、つまり三席分のメイドさんは、なんていうか幼かったり、おばさんだったり。
俺の席のメイドさんは中学生?って思うくらい幼い。
きっとピンチヒッターなのだろう。
そこまではいい。
何故か俺の席にはメイドさん(中学生)が一人だけ。
おいおい、人数足りないとかそういうのないだろ!?!?
ここ帝国なんでしょ???
もう泣きたい。
クラスの男子連中は浮足立ってそわそわしているが、
俺は肩を落とす。
あっ……これ、ダメ系だ。
「皆さま、今からこのプレートに血を垂らしてもらいます。
血といっても横のメイドが安全に行います。
また、終わり次第回復魔法を使わせていただきますので安心してください。
傷はすぐに完治します。
これらの行為によって皆様のステータスがプレートに刻まれます。
このプレートの内容は基本、本人のみ見ることができます。
血を落とした者のみ読めることができるということです。
但し、本人の意思である程度開示もできます。
名前やランクなどは相手に見せようと思えば、相手も見ることができます。
逆に見せられないものもあります」
ふむふむ。
とりあえず身分証を作ろう。
情報は血。
DNAとかそんなものを読み取っているのだろうか?
まぁ細かいことはいい。
とにかく、そういうことだ。
はい分かりました。
その後も説明は続く。
今回は魔道具を用いて俺たちのプレートを見させてほしいとのことだ。
他にも注意点やらプレートに記載される事柄の説明が続く。
いや、みんな早よしろよ的な視線を向けていたが、宰相は気づかず説明を続ける。
俺も早く自分のチートを見たい気持ちはあるが、ここはしっかり聞いておこう。
なんたって当分はこの世界で暮らすのである。
適応能力の高さ半端ないと思う無かれ。
オタクなんて大なり小なりこんなものである。
今は情報が何よりも大切。
本当かどうかはとりあえず置いておいても。
ステータスには、称号、スキル、レベル、属性が書いてあるらしい。
称号はその血に見合う身分のようなものらしい。
農民とか騎士とか使用人とか。
これは長い時間が経てば変わることがあるそうだ。
スキル、これは驚くことにほとんどの人が持っていないそうだ。
また、後天的に増えることもめったにない。
そして1つないしは2つ持っていれば、有名人レベルであるそうだ。
ん?思ってたのと違うな。
レベル、その人の能力値のようなもの。
生涯1桁もいれば3桁を超える人もいるそうだ。
総合的に鍛えたりしたほうが上がりやすいらしいが中には魔法だけや剣術だけで3桁に行く人もいるらしい。
そして、最後は属性。
そう、異世界といえば、魔法。
この魔法の相性みたいなものらしい。
基本、男は青の属性、女は赤の属性、稀に緑の属性。
圧倒的に青と赤の属性が多いらしい。
また、種族によっては闇や光なんかもあるとか。
ん?
水とか火とか風ってことなのかなって思ったけど、違うらしい
各種魔法は、どの属性でも使える。
ただ、相性があって、青の属性は攻撃系が、赤の属性は、支援系が得意って感じらしい。
まぁ、これは特に気にしなくていいようだ。
青、赤以外は当たりみたいな感じって話だ。
ドキドキしてきた。
説明が終わるころには男子のみならず女子までも興味津々で今か今かと待ちわびている。
「それでは、はじめましょう。」
その言葉を合図に、左にいたメイドさんが動き出す。
うん、俺のところは右だけだから別だが。
「し、しつれいしますぅ」
右側のロリメイドさんが、左手に盆を持ちながら右手でナツキの手を取ろうとする。
片手が塞がっていてうまくいかないようだ。
ロリメイドさんの目がうるうるしている。
「えっと……持ちましょうか?」
今にも落としそうな盆を受け取った。
ロリメイドさんは何度も謝りながらポケットから針を取り出した。
ドジっ子ロリメイド……そういうテンプレは求めていない!
チート!!チート!!チート!!
今欲しいのはただそれだけ。
俺が血を垂らしたちょうどそのとき。
「「「おっ」」」
前列の数人の感嘆が、聞こえてきた。
そっちのほうを俺が見ると淡い光の輝きが目に入ってきた。
これは……回復魔法だ!
魔法を目のあたりにして気持ちが高ぶる。
よし、魔法とやらを俺も受けてみよう。
血を垂らし終えた俺は、右のロリメイドさんを見る。
ロリメイドさんは申し訳なさそうにしながら、俺の指に何やら薬を塗り、白い布を被せ、縛った。
簡易絆創膏である。
ん?
「申し訳ありません。私は魔法を扱えないのです。」
とのことだ。
よく見れば、魔法を使っているのは各座席左側のメイドさん。
そう……魔法はおあずけなのね。
いいですよ~
我慢しますよ~
なんたってこれから自分が使えばいいのだから。
何も悲観することはない。
「皆さん、ステータスの確認をしてください。
横のメイドがお手伝いします」
いよいよだ
いざ俺のステータス!!!!
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相沢 夏希
称号 一般人
レベル Lv 1
スキル なし
スキルレベル ―――
属性 無
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今日も晴れ