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無能お荷物の逆転!!異世界転移  作者: 今日も晴れ
第4章 セントフィル都市連合編 ~俺もそれなりに強くなります~
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第96話 エピローグ4 ~そして世界は……~

 



 始まりの森



 部屋の中央に鏡のようなものが置かれている。

 そこは簡素な部屋で鏡以外に物はない。


 その鏡の中には人影が――

 白い布に包まれた女性が座っている。

 そんな姿が映し出されていた。


 そのヒトの映る鏡の前

 そこで跪いたいた人物は声を張り上げた。


「報告します」


「随分と急ね

 なにか進展が?」


 鏡の中の女性が答える。

 声には不快感がのせられていた。


「セントフィル都市連合に潜入中のメイベルからの報告です

 “彼”が帝国へ向かいました」


 鏡の中の女性は動きを止める。


「まぁ、まぁ、

 それで?

 止めれたの?」


 静かな威圧。

 圧倒的存在感があればこそ成立するその威圧に

 報告している青年は今にも倒れそうだ。


「それが……

 “彼”は転移の魔法陣を駆使し、

 すでに帝国領近くまで迫っているだろうとのことで――」


「そう」


 青年の言葉を女性は遮った。


「それで“彼”は今、

 何の権利を有しているの?」


「それが、報告によれば、全権利を有した、と」


「まぁ~全権利!?

 それじゃぁ魔法は?」


「はい、もう使えません」


「それならなおさらマズいわね

 今、帝国には聖人がいるはずよ」


 思案したのは一瞬。


「彼を使いましょうか」


 女性は報告を切り上げ、別の人物へと連絡を取る。

 女性の目の前の鏡には先ほどまでの男は見えくなっていた。

 代わりに黒いローブで全身を覆った男が姿を現した。




 **********



 アスナ共和国



 大魔法使い所有の研究所地下施設


 “ビキッ”


 その部屋には水晶がずらりと並べられている。

 各棚に等間隔に、下の段から上の段までぎっしりと。

 そんな棚で埋め尽くされた部屋


 その部屋の中の一つの水晶が音を立ててヒビが入った。


「こ、これは!?」


 近くにいた白衣を着た女性は慌てふためき駆けだしていく。


 研究者がたどり着いたのは、

 一際大きな部屋。

 そこにこの研究施設の長でもあり、

 世界最大の魔法使いがいる。


「師匠様!!お師匠様!!

 大変です

 大変なんです!」


「なんじゃ!?

 異世界人が来たのか?

 まだちと約束の日まで

 日があるがの~

 もう来たのか?」


「いえ、異世界人ではなく――」


「なんじゃ違うのか

 ならワシは動かんぞ」


「す、水晶にヒビが入りました!!」


 見た目、子供の容姿をしたその人

 大魔法使いは、ピタっと動きを止めた。


「水晶!?

 誰のじゃ!?」


「そ、それはまだ……」


「アホかぁ!!

 それが一番大事じゃろ」


「す、すみません!!」


「どいておれ、ワシが行く」


 水晶の部屋に駆け込んだ大魔法使いは、

 すぐに目的の水晶をのもとへ。


 部屋に置かれた水晶には一つずつ番号がふられている。


「番号は2092

 これは――

 確か盟友マリンの娘――レイ」


「レイさんですか?

 聞いたこと無いですね」


「ワシが少しだけ面倒を見た子供じゃ

 それにしても……

 やはり因果なものじゃな

 いや運命とでもいうのだろか」


「それではこの人も――」


「ああ、レイもまたこの世の理(・・・・・)を超えつつある。

 ワシらにとって必要なコマ(・・)じゃ

 リスト(・・・)に加えるのじゃ」


「りょ、了解しました」


 女性が慌てて部屋を出ていく。

 大魔法使いはそれを見送り、

 手に持っていた水晶を棚に戻した。



 ――すまんのマリン、

 ワシは悲願達成のためなら……

 お主の娘とて容赦せんのじゃ




 ****************



 第4章 完



お読みいただきありがとうございます

今日も晴れ


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