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ガラクタ道中拾い旅  作者: 宗谷 圭
第4章 民族を識る民族(ヒトヲシルモノ)
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第11話 心の内を拾う 5

 翌朝早く、ヨシは旅支度を整えてヘルブ街を出た。どうしようかと考えたが、無償で借りている家は借りっぱなしにしておいた。帰る家を残しておけば、自分は「ヘルブ街の住人」でいられるからだ。万一宝を見付ける事ができても、自分がヘルブの民ではないと言われてしまっては元も子もない。

 街を出る前に、ヨシは一度だけ振り返った。だが、酒場の客達は勿論、マスター達も見送りに姿を現す事はない。

 当然だ。旅に出ると伝えていないのだから。だが、例え伝えていたとしても、彼らが見送りに来る事は無かっただろう。バトラス族と仲が良いと思われ、自分までまともではないと思われたくはないだろうから。

 一晩考えたが、やっぱりまともという事がどういう事を指すのか、ヨシにはわからなかった。旅をしていれば、そのうちそれもわかるようになるのだろうか、とヨシは何となく考えながら街に背を向けた。

 良く晴れた空の下、ヨシはサクサクと歩き始めた。そして、二度と街を振り返る事は無かった。

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