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ガラクタ道中拾い旅  作者: 宗谷 圭
第3章 親友のいる村(トモノイルムラ)
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第13話 戦友を拾う 1

 天気が悪い。夜だから暗いのは当たり前だが、星が雲に隠れて全く見えないと辺りが益々暗くなってしまう。だが、侵入する者からすれば好都合な事この上ない。

「足元に気を付けろよ。特にトゥモ、音立てて見付かるんじゃねーぞ」

 アークの言葉に、トゥモは神妙に頷いた。その手は左腕のナイフに伸びており、いつでも戦闘に入れるという意思を表している。

 青年達の前に佇むのは、目立たないように張られた森色のテント群。静まり返ってはいるが、どのテントからも人の気配が確かにする。薄ぼんやりとランプの光が洩れているテントもある。何人かは、まだ起きているのだろう。テント群の中央には焚き火の跡と、辺りの土を器用に固めて作ったらしい竃。その横には、テントの数から弾き出した人数が食べたにしては多いが、その人数の二食分にしては少ない食料品の殻。殻は、皮の袋だったり木の皮を編んだ箱だったりと、様々だ。それらを確認すると、アークは呟いた。

「間違い無ぇ。ガキどもはここに捕まってる」

「けど、何処に? あいつの言ってた仲間の人数が本当だとすると、あのテントにいるのは皆あいつの仲間って事になる。ガキどもを何人も閉じ込めておくスペースなんて、どう見ても無ぇぞ?」

 ナツリが問う。すると、夜目が利くらしいアークはテント群の更に奥を指差して言った。

「見ろよ。岩穴がある。あそこなら目立たねぇし、入り口に見張りを立てておくだけで脱出も救出も困難になる。もし俺が誰かを一時的に捕まえておかなきゃいけねぇ立場なら、迷わずあそこに閉じ込めておくだろうな」

「じゃあ、ガキどもは……」

 アークの確信に満ちた声に、スネッチが呟いた。それに、アークが頷く。

「あぁ。まず間違いなく、あの中だ」

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