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「王宮生活~応用生活編 6・恋とはこういうもの?」読了推奨。

プロローグだけ読んでいても分かる話です。


どうやって生徒会副会長に仕事させられるようになったか、という話。

―――――これはまだ、わたしの髪が長くて、副会長が桃姫に恋狂っていたころの話だ。


[生徒会室にて]


「貴女は僕に気があるからそう突っかかってくるのでしょう?僕に振り向いてほしいというなら無駄ですよ。」


(あー、腹が立つ。)

何が、と言われればこの生徒会副会長様の言動が。

(わたしはただ「真面目に仕事をしてください。」とお願いしただけなのに・・・。)


彼は桃姫に夢中で、自分に何か言ってくる女は全て自分と桃姫との仲を邪魔する虫だと思っているようだ。

わたしは生徒会の仕事が滞りまくっているので、いい加減にしてほしいと思って彼に言っただけだ。

なのにこの言われよう・・・。


「真面目に仕事をしてください。」のセリフの前に「可愛いお姫様に夢中なのも結構ですが、」と余計な一言を添えたわたしも悪かったのだが。

わたしは別に副会長のことが好きでもなんでもないので、自分に気があるのか、と言われるのは心外だ。


(女であるから話を聞いてもらえないというのなら・・・。)

 バサッ バサバサッ

わたしは机の引き出しからハサミを取り出して、肩まであった自分の黒髪をちょん切った。

次々と黒い髪が束となって床に落ちていく。


「女であるから耳を貸していただけないというのでしたら、女と思っていただかなくて結構。」

更に髪を切り進め、長かった髪が耳に掛るくらいの長さになったところで、

「これで女には見えないでしょう。」

カタンとハサミを机の上に置いて副会長に向かい合った。



[数か月後、再び生徒会室にて]


たまたま、わたしと副会長とで休憩にお茶を飲んでいた時だった。

「あの時ほど、人の笑顔が怖いと思ったことはありませんよ。」

「何のことですか?」

わたしはお替りのお茶を彼の湯飲みに注いで尋ねた。


「貴女が髪を切ったときのことです。貴女、僕に向かってこう言ったんです。さあ、楽しくお仕事しましょう、って。」

「えー、わたしそんなこと言いましたっけ?」

生徒会の人達に「仕事しろ」と言うことは何度もあったので、そんなこともあったかな、と首をひねる。

「言いましたよ。あの時の山田の笑顔は一生忘れられません。」

「そんなにわたしの顔は怖かったですか?」

「ええ、それはもう怖すぎて・・・」


副会長はズズッとお茶をすすって言い放った。


「いっそ神々しかったです。」



山田は話が通用しない相手には体当たりでぶつかります。

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