ケルンで味わう、都会的ストリートフードの魅力②
アペロール・スプリッツを片手に、私は次に気になったフードトラックへと向かった。そこには「Billie Green」というロゴが見える。シンプルな内装だが、ウッド調のカウンターと清潔感が印象的だ。
カウンターの向こうでは、グレーのエプロンを身につけたシェフが、集中した面持ちで料理を準備していた。彼の腕には、個性的なタトゥーが彫られており、彼のセンスの良さを感じさせる。彼はまず、丸いフラットブレッドのようなものを取り出し、その上に鮮やかな緑色のペーストを丁寧に塗っていく。おそらくアボカドベースのソースだろうか。その緑色のペーストの上に、シャキシャキとしたレタスと、真っ赤なトマトが乗せられた。彩り豊かで、見た目にも美しい。
次に、彼は肉のような具材をその上に乗せた。しかし、よく見ると、それは肉ではない。どうやら植物由来の代替肉のようだ。ヘルシー志向のストリートフードも、今やトレンドなのだろう。彼は具材を乗せ終えると、フラットブレッドを器用に折りたたみ、しっかりと包み込んだ。その手際の良さには、思わず見とれてしまう。最後に、彼は温かいソースを上からかけ、完成したそれを私に手渡してくれた。
温かいフラットブレッドを一口食べると、驚くほどの美味しさだった。植物由来の具材とアボカドソースが絶妙にマッチし、肉を使っているかのような満足感を与えてくれる。レタスとトマトのフレッシュな食感がアクセントになり、全体を軽やかにしている。これは、ヘルシーでありながら、しっかりとした食べ応えのある、まさに現代的なストリートフードだ。従来の「B級グルメ」といったイメージを覆す、洗練された一品だった。このフードトラックの奥には、ピカピカに磨かれた厨房機器が見え、衛生的でプロフェッショナルな環境で料理が作られていることがよく分かった。