表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/43

13 吸血鬼の王

部屋に戻るとニヤついたラミレスが待っていた。

「初デートはいかがでしたか、ルヴィリア様」

「なっ、、、デート?!そんなものじゃないわ、町を案内して頂いただけで…あとは…髪飾りを頂いたわ」

「立派なデートじゃないですか!」


「そう、かしら…でも確かに女性達の視線が痛かったわ」

「陛下は未婚であの美しさですからね…国中の女性は陛下のファンと言っても過言ではないくらいですから」

「そうよね。竜人は皆美しい容姿をされているけどアーヴァイン様は別格だわ。目が眩んでしまいそう」

「それを直接陛下にお伝えしてしまえばいいと思いますよ」

「そんなことできるわけないでしょう!からかうのはやめてちょうだい」

部屋着のドレスに着替え、夕食へと向かう。


(ラミレスがデートなんて言うから緊張しちゃうじゃない…)


「アーヴァイン様、お昼はありがとうございました。とっても楽しかったですわ」

「それなら良かった。次に行く時はメインストリートをゆっくり見て回ろう。君の言っていたスイーツ店も行かなければな」

「はい!是非ともお願い致します!それと、髪飾りをありがとうございました。大切にしますわ」

「気に入ってくれて良かった」


アーヴァイン様はいつも以上に優しい目をして微笑んだ。

あっという間に晩餐の時間は過ぎ、アーヴァイン様とのお話しの時間も終わってしまった。

(もっとアーヴァイン様の事を知りたいわ)

今までは竜王様の花嫁になることだけ考えていたけれど、竜王としてだけでなく、アーヴァイン様自身のことを知りたいと思うようになってきた。


(それにしても私はこの世界の知識がなさすぎるし、しばらくは書庫で勉強しなくちゃ)




そうして何日か書庫に通い詰めていた頃、息抜きに庭園でお菓子を頬張っていると聞いたことのない声が聞こえてきた。


「へぇ、お前がアーヴァインの連れてた人間か。珍しいもんだと思って見に来てみたらそういうことか。なるほどな。なぁお前、俺の女になれよ」

挿絵(By みてみん)


突然過ぎることに頭が???でいっぱいになる。

(漆黒の髪に赤い瞳、白い肌…この世の者とは思えない美貌。竜人、ではないわね。一体誰なのかしら。なぜこんな所へ?というか俺の女ってどういうこと?!)


「いきなりなんなんですか?あなたは誰なんです?なぜそんなことを…!」

「俺はシリウス。吸血鬼の王だ」

「吸血鬼の王…?!ということはヴィストリア聖竜皇国を滅ぼしにきた悪魔?!」

「なんだそれ。そんな風に語り継がれてんのか。まぁ間違っちゃいないけどよ。伝承ってのはいつも適当だからな。で、そんなことは今はいい」


(え、全然良くないんですけど?)


「アーヴァインが何故お前を側に置いているか聞いたのか?」

「え…何故って、私が帰らないって言ったからで…」

「そうか、何も聞いていないんだな。面白い。それならそれでいい。で、返事は?」

「返事って俺の女にならないかってことですか?お断りです」

「ははっ、そうか。お前らしいな。だが俺は必ずお前を手に入れる。まずはお前の手助けをしてやろう」

「手助け…?」

ますます訳のわからない事になってきた。

(祖国の宿敵であるはずの吸血鬼の王が私の手助け?)


「お前、聖女でもないのにどうしてこっちの世界に来られた?」

「それは…わからなくて…」

「ならそれを知りに行こうじゃないか。さぁ、人間界に行くぞ」

「えっ?!」

シリウスと名乗った男は私を抱き寄せると転移の光を発動させた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ