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第十五話:村民虐殺

 村に着くと、人の気配がしない。


 村道を進むと何人かの冒険者らしき死体を見つけた。


「おい、しっかりしろ」と呼びかけるが全員死んでいる。

 エイブラハムのお弟子さんと同じく、体中がハチの巣状態だ。

 

 どうなっているんだと、村役場前の広場に行くと俺は仰天した。

 村の人々が大勢、血まみれで倒れている。

 そこら中、血の海だ。

 老若男女関係なく、子供まで殺されている。


 なんて酷い事しやがるんだ! 誰だこんなことしたのは!


 役場の壁には「アレキサンダー、北のハゲ山まで来い!」と書いてあった。


 俺が凄惨な光景に呆然としていると、一人の若者が呻いているのを見つけた。

 何とか生きているようだ。

 以前、ドロシーにちょっかいかけた若い奴だ。


「おい、大丈夫か! なんだよ、なにがあったんだよ、このひどい有様は」

「……変な奴らが、三十人くらいでやって来たんだ。そして、あんたがいないとわかるとわけのわからない武器でいきなり村長を殺したんだ。そして村の人々を全員広場に追い込んだ……偶然いた冒険者たちが抵抗したんだが、あっという間に殺されたよ……」


「で、どうなったんだ」

「…それから白いカードを出せって。出さないと全員殺すって脅かしたんだ。そこにドロシーさんが来て、村人を殺さないって条件で渡したんだ。そしたらいきなり皆殺しだよ」

「ドロシーも殺されたのか」

「ドロシーさんは戦利品だとか言われて連れていかれたよ……」

 そこまで言うと、その若者は息を引き取った。


 俺は、北のハゲ山のまで全速力で飛んだ。


 麓あたりで、俺は驚愕した。

 若い娘が全裸で放置されている。

 ドロシーだ。


「おい、ドロシー、しっかりしろ」

 全く反応がない。

 ドロシーは死んでいた。


「誰だ! 誰がこんなひどいことしやがった!」

 俺が大声で叫ぶと、二人組の男がやってきた。

 さっき馬車に乗ってた奴らだ。

 

「お、アレキサンダーか、待ってたぞ」

「お前らがドロシーを殺したのか」


「ああ、たっぷりとかわいがってやったよ」

「まあ、最後には昇天させてやったけどな」

 ゲラゲラと笑いやがった。


「ふざけんな、お前らただじゃおかねーぞ!」


「おっと、動くなよ。こっちには武器があるんだからな」

 一人が肩に鉄製の筒みたいなものを担いでいる。


「なんだ、それは。そんなもの知るか、お前らぶっ殺してやる!」

「ああ、じゃあ、この武器でお前の動きを停止してやるよ」


 そいつが、その筒を操作する。

 巨大な弾丸が発射された。


「ウギャア!」

 弾丸が俺に当たった。

 ものすごい激痛だ。

 体がすこしへこんだ。


「へえ、やっぱりこいつ、すげえ頑丈なんだなあ」と撃った奴はのんきなこと言ってやがる。

 

 激怒した俺は、はるか高く飛び上がる。

 ボーっとして俺を見てる二人組を狙って、押しつぶした。

 そいつらは血まみれで真っ平になった。

 

 

 ドロシーを埋葬するために土を掘る。

 こんな優しい娘を。

 俺の巨大な目から大粒の涙が流れる。

 深く深く掘り、ドロシーを埋めた。


 埋めたあと、せめて花でも添えてやりたいと周辺を探していると、いつの間にか変な連中が近づいてきた。

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